DJI 、ジオフェンスを改善しアジア太平洋地域の空港保護を強化
GEO 2.0システムに新しい空域データを追加し安全リスクを反映
民生用ドローンと空撮テクノロジーで世界をリードするDJIは、アジア太平洋地域の24ヵ国と地域でのGEO 2.0システムの運用を開始し、ジオフェンス技術をさらに強化します。DJIは2013年に、DJIドローン向けに初めてジオフェンスを開発。今回発表したGEO 2.0システムはさらに精度が向上し、有人航空機を保護し、安全なドローンオペレーションの推進を支援するDJIの最新の取り組みです。
従来のジオフェンスは単純な円柱形でしたが、GEO 2.0システムは、滑走路の飛行経路周囲に詳細な3次元の「蝶ネクタイ」型の制限表面とよばれる安全が確保された領域が作成されます。例えば、航空交通に影響のない滑走路両側では、点検業務を行える許可を与えるなど、飛行経路で発生する実際の安全上のリスクをより良く反映でき、またリスクの低いエリアではより柔軟に機能します。DJIのGEO 2.0システムは、米国では昨年導入され、最近ではヨーロッパの24ヵ国以上で導入されています。
「DJIは、アジア太平洋地域でドローンを操縦するユーザーの皆様に、新しいジオフェンスシステムを提供します。DJIは、ドローン向けのジオフェンスだけでなく、自動飛行高度制限、障害物回避システムなど安全なドローン操作を推進するさまざまな取り組みを行うパイオニア的存在です。ドローンを使ったワークフローや生産性を向上させるための、新しく革新的な方法を模索し続けるこの業界で、DJIが最優先に考えていることは安全の実現です。」と、DJIのアジアパシフィック パブリックポリシー責任者Adam Welshは述べています。
ジオフェンスの拡張により、DJIのGEO 2.0システムがアジア太平洋地域の空港をカバーします。GEO 2.0は、航空機が離着陸する場所である各空港の滑走路の周辺に1.2㎞幅の長方形と両端の3次元飛行経路に、最も厳しくジオフェンス制限をかけます。ドローンを有益に利用するため、この「蝶ネクタイ」型の形状は、滑走路の側面のエリアにより多くの区域を開きます。さらに、滑走路の端から3㎞以上の低高度区域を広げ、同時に有人航空機が実際に飛行するエリアの保護をより強化します。各滑走路の6㎞以内の楕円型の区域には、より柔軟なジオフェンス制限が適用され、ドローンユーザーが操作前に慎重な飛行を行うよう促します。
DJIのGEO 2.0システムは、本日より運用を開始し、オーストラリア/バングラデシュ/ブータン/ブルネイ/カンボジア/香港/インド/インドネシア/日本/ラオス/マカオ/マレーシア/モンゴル/ミャンマー/ネパール/ニュージーランド/北朝鮮/パキスタン/フィリピン/シンガポール/韓国/スリランカ/タイ/ベトナムを含む、アジア太平洋地域の24の国と地域をカバーします。DJI製品をお使いのお客様は、これらの改善点が確実に実行されるようDJI GO 4フライトコントロールアプリと機体のファームウェアを更新してください。
DJIのジオフェンス技術について
DJIは2013年に初めてドローンの飛行禁止区域を作成し、そして3年後により改善されたGEOシステムを米国と欧州の一部に導入しました。これらのシステムにより、大多数のドローンパイロットが安全かつ責任をもってドローンを飛行させたいと考えていること、そして、そうするために身近な安全上のリスクを理解する使いやすいガイドが必要なことも認識されました。
DJIのジオフェンスは、GPSとその他の位置情報衛星信号を使用して、安全性やセキュリティ上の懸念のある空港や刑務所等の重要施設に近接した飛行を自動で防ぎます。特定の場所では、特別な許可なしでDJIドローンがジオフェンスの制限エリア内で離陸したり、飛行して進入したりできません。DJIの認証アカウントを持つドローンパイロットは、現地当局から必要な許可を受けた場合、一部のエリアでは自分でロックを解除できますが、重要施設等のあるエリアにおいては、ロック解除にはDJIによる追加手続きが必要です。DJIは申請プロセスを合理化したため、重要施設等のあるエリアでの飛行許可を持つプロのドローンパイロットは、DJIにオンラインで申請を提出し、速やかに解除コードを受け取ることできます。
DJIのGEO 2.0システムの空港滑走路周辺の新しい境界線エリアは、国際民間航空条約 第14付属書(ICAO ANNEX14)「滑走路近接の空域の基準」に基づいています。DJIは、空港施設付近のジオフェンス機能を強化する方法について、航空機関への相談も行っています。DJIによる空港の分類は、空港の種類、乗客数、所定の場所の周辺空域の機密や重要性に影響を与えるオペレーションやその他の要素を基に分類しています。DJIはこれらの航空パラメーターを使用して、空港周辺の安全上の懸念や空域のリスクにより一層適切に取り組むことができる新しいシステムを導入しました。これにより、滑走路へのアプローチと滑走路での離着陸のカバー範囲が拡大しました。
DJIのGEOシステムが、ドローンユーザーにいつどこで安全に飛行できるのか、スマートに意思決定できる情報を提供し、一方ドローンオペレーターは必ず適用される規制(多くの場合管轄によって異なる)に沿って、安全に飛行する責任があります。
ドローンオペレーションの安全性を強化するインテリジェント機能と技術
- DJIドローンに統合されているジオフェンスシステムは、GPSと他の位置情報衛星信号を使用して、ドローンオペレーターに対し、国家安全保障または航空安全上の懸念のあるエリアに侵入するのを警告したり、制限したりします。
- DJIフライトコントロールアプリ内に自動飛行高度制限を設定できるため、ドローンオペレーターはこれにより安全な高度で飛行できます。
- センサーで障害物を特定する障害物検知や回避機能の技術は、最新のDJIドローンモデルに搭載されています。
- Return-To-Home機能は、バッテリー残量が低下してきた場合や、送信機との接続がロストした場合に、自動でドローンを離陸したポイントへ帰還させます。
- インテリジェント フライトバッテリーのシステムは、リアルタイムでバッテリー残量の管理とバッテリー温度をモニターし、飛行前も飛行中もバッテリーの状態を保全します。
- DJIのMatrice 200シリーズとMavic 2 Enterpriseシリーズのドローンには、航空業界の基準であるADS-Bのトラフィック認識技術が搭載されており、ADS-B送信機を搭載する近接の有人航空機の警告を、ドローンオペレーターに事前に与えます。
- DJIのAeroScopeリモートID技術で、空港、法執行機関やその他当局は、重要施設等のあるエリアに近接する空中のドローンを識別、監視し、保全性を確保します。
下図は、DJIのGEO 2.0システムが、空港周辺の空域の詳細なリスクベースの空域原則を、どのように適用しているのかを説明しています。リスクの種類は、高リスク/中リスク/低リスクに分類されます。
DJIについて
民生用ドローンと空撮技術で世界をリードするDJIは、リモート操縦できるマルチコプターの実現に情熱を注ぐスタッフにより創業、運営される、飛行制御技術と手ぶれ補正のエキスパートです。DJIは、プロ、アマチュアユーザーのために、革新的なドローンとカメラ技術を開発、製造しています。DJIは、世界中のクリエイターやイノベーターにとって、空撮技術とツールがより身近で使いやすく、安全になるよう取り組んでいます。現在、北米、ヨーロッパ、アジアに拠点を構え、世界100ヵ国を超えるユーザーが、映画制作、建設業界、災害対策や人命救助、農業、管理保全など多くの産業分野においてDJIの製品を愛用しています。
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