超小型で高感度かつ低ノイズを実現 プリポラライズドICP®1/4マイクロホン「378A08」を発売

～EV特有の高周波音の耳位置計測や狭い箇所での音計測をより高精度に～

株式会社東陽テクニカ(本社：東京都中央区、代表取締役社長：高野 俊也(こうの としや)、以下 東陽テクニカ)は、米国PCB Piezotronics社製のプリポラライズドICP®1/4マイクロホン「378A08」を2024年9月4日に販売開始いたしました。本製品は、全長80mmと超小型サイズでありながら、最大50mV/Paと高感度かつ低ノイズを実現したマイクロホンです。EV(電気自動車)特有の高周波で微小な音を耳位置で高精度に計測でき、電動コンポーネント付近の狭い箇所に設置して計測することも可能です。

「378A08」本体

【 背景／概要 】

自動車開発において、快適性の向上における課題の一つとして低騒音化が挙げられます。近年開発が進むEV(電気自動車)においては、従来の主たる騒音源であったエンジン音がなくなったことで、各コンポーネントの騒音が相対的に目立つようになっています。特にインバータやモータなどの電動コンポーネントから発生する騒音は、微小ではあるものの高い周波数で人間にとっては非常に不快な音とされており、騒音対策が求められています。この高周波の音は波長が短いため、位置が数cmずれただけでも位相が変わり音圧に大きく影響します。また、高周波になればなるほどマイクロホン自体の存在によって音場が乱されやすく、さらに車室内では音の反射が生じさまざまな方向から高周波の音が入射するため、本来の状態とは異なる音を計測してしまう懸念もあります。こういった状況から、車室内の耳位置での音の評価は非常に難しいとされていました。

 今回発売した「378A08」は、全長でおよそ80ｍｍと非常に小型でありながら、50mV/Paの高感度を実現しており、高周波で微小な音でも高精度に測定が可能です。また、数cm間隔で変動する高周波音を計測するためにマイクロホンを近接して複数点に配置する場合であっても、小型であるため音場の乱れを最小限に抑制することができます。さらに、高周波の領域でも無指向性であるため、車室内のさまざまな方向から高周波の反射音が入射する場合でも高精度な計測が可能です。

東陽テクニカは、「378A08」の提供を通して、EV開発における低騒音化の課題解決に寄与することで、EVの快適性向上、さらなる普及を支援してまいります。

耳位置にアレイを組んで、「378A08」を近接配置した例

【 主な特長 】

➢ICP®(アンプ内蔵型)

➢小型サイズ(全長80mm)で高感度(50mV/Pa)、低ノイズ(25dBA未満)を実現

➢1kHz以上の高周波でも無指向性

➢高周波20kHzまで計測可能(±2dB)

＜ 主な用途 ＞

EV車両キャビンノイズ計測、電動コンポーネント音響計測

【 製品データ 】

製品名：プリポラライズドICP®1/4マイクロホン「378A08」

販売開始日：2024年9月4日

価格：要見積もり

製品ページ： https://www.toyo.co.jp/mecha/products/detail/pcb-mic-378a08.html

 

＜PCB Piezotronics, Inc.について＞

PCB Piezotronics社は 1967 年に米国ニューヨーク州バッファローで設立され、ダイナミックな圧力や荷重、振 動を測定することが可能なクオーツ(水晶)圧電素子を用いた各種センサーの専業メーカーとしてスタートしました。 その後さまざまなタイプの加速度計やロードセル、インパクト・ハンマー、トルクセンサー、マイクロホン、手腕振動計へとラインアップを拡げ、現在では高性能性センサーの世界的ブランドです。

PCB Piezotronics, Inc.　Webサイト：https://www.pcb.com/

 

＜株式会社東陽テクニカについて＞

東陽テクニカは、1953年の設立以来、最先端の“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、技術革新に貢献してまいりました。その事業分野は、情報通信、自動車、エネルギー、EMC(電磁環境両立性)、海洋、ソフトウェア開発、ライフサイエンス、セキュリティなど多岐にわたります。5G通信の普及、クリーンエネルギーや自動運転車の開発などトレンド分野への最新の技術提供に加え、独自の計測技術を生かした自社製品開発にも注力し、国内外で事業を拡大しています。最新ソリューションの提供を通して、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。

株式会社東陽テクニカ Webサイト：https://www.toyo.co.jp/