「Made in China」から世界で愛される中国ブランドへ【A.T. カーニー】
コスト優位から情緒的価値・文化的共鳴へ、中国消費財ブランドの海外展開を分析
A.T. カーニー株式会社(東京都港区、日本代表:針ヶ谷 武文)は、論考『中国製、世界が愛するブランドへ』(英題:Made in China, loved worldwide: how Chinese brands are winning global hearts)を公開しました。
中国の消費財ブランドは、コスト優位を軸とした製品輸出から、情緒的魅力や文化的関連性を備えたブランドを世界へ展開する段階へ移行しています。本論考は、中国ブランドが海外で認知を確立するのに以前は10年以上要していた期間が3~5年へ短縮している点を論じ、その背景を4つの構造変化として整理しています。さらに、市場シェアと成長モメンタムに応じた3つの海外展開類型を提示しています。
海外での認知確立は10年から3~5年へ短縮
中国ブランドが海外で認知を確立する期間は、かつて10年以上を要したものが、現在では3~5年になりました。これを支えているのが、越境ECプラットフォームが提供する販売網、ソーシャルメディアによるマーケティング、エンドツーエンドで統合されたサプライチェーン運営です。同時に、中国企業の海外展開は、単なる製品輸出から、文化やライフスタイルを伝え、現地消費者と直接関係を築く段階へと移行しています。展開スピードだけでなく、ローカライズの深さやブランドの情緒的な共鳴をいかに高めるかが、持続的な成長に向けた論点となっています。
4つの構造変化が、提供価値から消費者接点までを再設計
本論考では、中国消費財ブランドの海外展開における変化を、①グローバル化の加速、②製品販売から文化IP・サービス提供への対象拡大、③貿易主導輸出からグローバル・サプライチェーン・ネットワークへの進化、④第三者プラットフォーム依存からオムニチャネル運営への転換、の4点に整理しています。IP主導の製品輸出は8%伸びており、中国消費財輸出全体の平均を上回っています。
有望なカテゴリは地域ごとに異なります。アジア太平洋地域では、文化適応性の高いビューティー、パーソナルケア、ファッションが有望領域として挙げられています。欧州・北米では技術、デザイン、環境性能を備えた電子機器やスマートホーム機器などが適しているとしています。中南では手ごろで高品質なスマートフォンや大型家電、中東・アフリカでは日用品やエントリー級通信端末が主要な参入カテゴリとされています。

3つの海外展開類型で、成長段階に応じた重点投資を設計
本論考は、海外市場シェアと成長モメンタムに基づき、中国企業を3つの類型に整理しています。耐久財はバリューチェーン統合を通じて、収益性を高める「Scale defender」、ファッション・文化商品は現地との情緒価値共創を目指す「Value builder」、玩具・ビューティーはヒーロー製品と文化的ストーリーテリングで認知を築く「Rising disruptor」です。
本稿では具体事例として、2024年の海外売上高はHaier Smart Homeが1,438.1億元、前年比5.43%増、MINISOが66.8億元で前年比41.9%増、海外店舗数は3,118店として挙げられています。また、Florasisは110を超える国・地域へ展開し、日本が2024年海外売上高のほぼ40%を占めています。持続的なグローバル化に向けて、企業はブランド力、チャネル卓越、製品革新、規制順守の4つを中核柱に据え、海外資産を守る動的なリスク管理を運営へ組み込む必要性があります。

論考について
論考名:『中国製、世界が愛するブランドへ』(英題:Made in China, loved worldwide: how Chinese brands are winning global hearts)
監修者
末次 健人 プリンシパル
株式会社講談社にて、経営管理・海外ライセンス事業等に従事したのち、Kearneyに入社。メディア企業、プライベートエクイティ、消費財・小売企業向けに、中期経営計画の策定、海外事業改革・新規参入、BDD、新規事業戦略、構造改革などに従事。特にメディア・コンテンツ・エンタメ企業へのコンサルティング経験が豊富。Web3.0や生成AIに関する論考の執筆など、新技術が及ぼすインパクトやメディア・非メディア企業の取り込み方の検討にも注力。
A.T. カーニーについて
A.T. カーニー(グローバル・ブランド名:Kearney)は、100年にわたり世界有数の経営コンサルティングファームとして、Fortune Global 500企業の4分の3以上をはじめ、世界各国の政府機関に信頼されるパートナーであり続けてきました。世界40カ国以上に拠点を展開し、私たちの最大の強みは「人」にあります。インパクト・ファーストを掲げ、独創的な発想と実行力をもって、顧客企業が直面する最も困難な課題に挑み、変革の実現をともに推進します。日本には1972年に進出し、主要産業のリーディングカンパニーに、戦略策定から変革の実行まで一貫した支援を提供しています。
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