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公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
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国際NGO3団体が緊急共同レポートを発表 バングラデシュに避難するロヒンギャの子どもたち140人母親40人への聞き取り調査

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

国際NGOプラン・インターナショナル、セーブ・ザ・チルドレン、ワールド・ビジョンの3団体は、2017年12月2日~5日の4日間、バングラデシュに逃れたロヒンギャの子どもたち(140人)と避難先のコミュニティ(ホスト・コミュニティ)の子どもたち(60人)計200人と母親40人に対しキャンプでの生活に関する聞き取り調査を実施し、報告書「Childhood Interrupted(失われた子ども時代)*」を発表しました。

2017年8月末にミャンマー西部ラカイン州で暴力が急速に拡大して以来、大勢のロヒンギャの人々がバングラデシュ南東部に位置するコックスバザール県に逃れ、2017年12月現在、その数は68万人を超えています。うち、およそ半数以上が子どもたちです。

恐怖と隣あわせの生活を強いられているロヒンギャの子どもたち
報告書では、ロヒンギャの子どもたちが日々直面している恐怖や課題が明らかになっています。自国ミャンマーにおいても残忍な暴行や家族の殺害、自宅への焼き討ちを目の当たりにしてきた子どもたちは、避難先においても更なる恐怖にさらされているのです。

聞き取り調査の中で、子どもたちからあがった最大の懸念事項は、以下の3点です。

1.森の中での薪集め  2.キャンプ内の劣悪な環境  3.教育機会の欠如

 

1.森の中での薪集め

遠方の森で調理用に使う薪を集めるのは、子どもたちの仕事です。聞き取り調査の中では、野生の象やヘビに遭遇する恐怖や、暴力を振るう人や罵声を浴びせる人がいる森での薪集めに対する恐怖を語っています。また、森では、人身売買されたり誘拐される危険性が高いこともあげられました。ある女の子は、「薪集めには、皆が苦労しています。以前には、夜間薪集めをしているときに、ある少女が性的暴行を受けたこともありました」と話します。

ミャンマーからバングラデシュへ逃亡中に母親を殺害され、現在おばと共に難民キャンプに暮らすサブカ(13歳)さんミャンマーからバングラデシュへ逃亡中に母親を殺害され、現在おばと共に難民キャンプに暮らすサブカ(13歳)さん

2.キャンプ内の劣悪な環境

子どもたちが寝泊りをしている竹の骨組みをビニールシートで覆った住居は、鍵が無く安全性に対する不安があります。「鍵をかけられないので、時々泥棒がやってきて持ち物を盗んでいきます」との声があります。

それ以外にも、夜間灯りのない中で使用するトイレなど、キャンプ内にも多くの危険が潜んでいます。女の子たちからは、キャンプ内のトイレを使用する際に、男性から嫌がらせを受けることを恐れ、男性たちが立ち去るまではトイレに行けないという声もあがりました。

子どもたちは、人身売買の危険性も大きな懸念事項としてあげています。安全を確保するためテントで過ごす時間が長くなり、移動の際にはグループで動くことを心がけているそうです。

ある母親は、「誘拐犯の徘徊により、子どもがさらわれる恐怖をいつも感じています」と話します。

2017年8月以降、キャンプ内では少なくとも28件の子どもの人身売買が確認されています。しかし、人道支援スタッフは、実際の件数はもっと多いと考えています。

ヌル アジズ(4歳)さんには、きょうだいが無く、父親はアジズさん誕生直後に死亡、母親もミャンマーにいる時に事故で溺死しています。そのため、現在、祖父母の世話のもとキャンプで暮らしています。祖父母には10歳の子どもの他複数の子どもたちがいます。ヌル アジズ(4歳)さんには、きょうだいが無く、父親はアジズさん誕生直後に死亡、母親もミャンマーにいる時に事故で溺死しています。そのため、現在、祖父母の世話のもとキャンプで暮らしています。祖父母には10歳の子どもの他複数の子どもたちがいます。

3.教育機会の欠如

テントで占められたキャンプ内では、子どもたちが自由に遊んだり、将来に備えて学ぶことができる施設がほとんどなく、そういった機会が限られています。さまざまな話から、時間がないことが、教育の機会を制限していることが分かりました。多くの子どもたちは、大半の時間を水汲みや薪集め、物資配布の手伝いなどを含む家事に費やしています。また、教育施設の数は限られており、大勢いる学齢期の子どもたちに対応することが困難な状況です。しかし、現在、何らかの形で学ぶ機会がある子どもたちは、勉強している時間が安心できる時間だと話します。

 

聞き取り調査では、子どもたちが直面する多くの恐怖や困難な状況などが明らかになりましたが、キャンプでの生活におけるいくつかの前向きな見解も聞かれました。たとえば、一日に5回の礼拝への呼びかけは、コミュニティとの一体感を感じるといいます。また、支援団体の存在やバングラデシュ軍の存在により安心感を持てるとの声も聞かれました。

 

プラン・インターナショナル バングラデシュ事務所長 オーラ・マーフィーの談話

「この状況は、紛れもなく子どもたちにとっての緊急事態です。よく見知った近所の人や仲の良い友達に囲まれ、毎日すべきことが決まっていて、十分な食べ物と安全な遊び場のある慣れ親しんだ故郷を離れ、混沌とした過密状態の恐怖に溢れた場所に移り住んだ子どもたちは、自分たちの世界が壊れてしまったと話します。際限なく続く不安感の中、多くの子どもたちが孤児になったり家族から逸れてしまったりしています。私たちは、子どもたちの安全確保に最優先に取組むべきです」

 

セーブ・ザ・チルドレン バングラデシュ事務所代表 マーク・ピアースの談話

「ロヒンギャの子どもたちの圧倒的な声は、彼らの恐怖についてでした。野生動物に対する恐怖、トイレに行く恐怖、薪集めをしているときに襲われる恐怖、夜間に連れ去られる恐怖、そして、将来への恐怖。子どもたち、特に、ミャンマーでの暴力や恐怖から逃れて来た子どもたちにとって、これが生きる方法ではありません。子どもたちが安心・安全に生活できるよう継続的な支援が必要です」

 

ワールド・ビジョン バングラデシュ事務所所長、フレッド・ウィテヴィーンの談話

「子どもたちは、周りの人たちに愛され、恐怖とは無縁の環境で育ち、豊かないのちを生きるべきです。コックスバザールの難民キャンプに暮らす子どもたちが直面している状況を目の当たりにして、大変衝撃を受け心が痛みました。夜間トイレに行く際の灯りや、見ず知らずの人と同じ部屋で眠ることがないようプライバシーを確保できる適切な施設、教育機会の提供といった基本的なことこそ、今、子どもたちが必要としているものです」

 

今後のさらなる活動

聞き取り調査の結果を受け、国際NGO3団体は上記3つの課題に取り組むため、以下の活動を提案します。

- 難民キャンプ内で実施している安全パトロールの実施

- 人身売買の発生を予防するための人身売買の危険性に関する啓発活動と、うわさに反応したり不必要に怖がることを防ぐための正確な情報普及

- 子どもにとってよりやさしい難民キャンプの配置推進、類似のテントが建ち並ぶ中での迷子を防ぐための案内標識の掲示

- 十代の女の子たちの活動への参加促進、女の子のための安全対策の実施

 

*報告書全文(英語)はこちら https://www.savethechildren.net/sites/default/files/Childhood%20Interrupted%20Non-embargoed%20low%20res.pdf

 

【プラン・インターナショナルとは】プラン・インターナショナルは、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。創立は1937年。長年にわたり、子どもや若者、地域の人々とともに地域開発を進めてきました。すべての子どもたちの権利が守られるよう、とりわけ女の子や女性への支援に力を入れています。市民社会、政府機関や国際機関と連携しながら、世界を持続的に、前向きに変えていきます。

 

【セーブ・ザ・チルドレンとは】セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもにとって、生きる、育つ、守られる、参加する、「子どもの権利」が実現されている世界を目指して活動する子ども支援の国際 NGO です。1919 年に英国で設立され、現在、日本を含む 29の国と地域の独立したメンバーが連携し、約 120ヶ国で子ども支援活動を展開しています。

 

【ワールド・ビジョンとは】ワールド・ビジョンは、キリスト教精神に基づき、貧困や紛争、自然災害等のために困難な状況で生きる子どもたちのために活動する国際NGO。国連経済社会理事会に公認・登録され、約100カ国で活動しています。

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本社所在地
東京都千代田区内神田2-8-4 山田ビル4階
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03-6859-0070
代表者名
井田 純一郎 
上場
未上場
資本金
-
設立
1986年05月
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