【ムービープラス】～椎名誠が人生と映画について語る～　小説家が嫉妬する映画とは！？「この映画が観たい」９月放送

CS映画専門チャンネル「ムービープラス」（ジュピターエンタテインメント㈱、東京都千代田区、代表取締役社長：寺嶋博礼）で放送中のオリジナル番組「この映画が観たい」は、様々な分野で活躍する著名人の方々にかけがえのない“映画体験”と、それにまつわる人生の様々なエピソードをお聞きする番組です。
9月は、幅広いフィールドで活躍中の作家・椎名誠さんが登場。彼がセレクトした映画「ぼくの伯父さんの休暇」「ロング・グッドバイ」「アラビアのロレンス」 「飛べ！フェニックス」 「羅生門」について、番組で熱く語っていただきました。

 

この映画が観たい＃３６ ～椎名誠のオールタイム・ベスト～

映画の原体験について、「学校の巡回映画で「佐久間ダム」という記録映画を観た記憶があります。嵐寛寿郎の「鞍馬天狗」シリーズが最初に観た劇映画で、中でも「危うし！鞍馬天狗」という作品は、子供だましの内容に「どうしてこんな展開になるんだ？」と怒りを覚えたと当時を振り返りました。兄弟がたくさんいた椎名さんは、兄や姉から面白かった映画の話を聞くことが楽しみだったそうで、観たものを人に伝える技術はこうした経験から学んだという。

デヴィッド・リーン監督、ピーター・オトゥール主演の超大作「アラビアのロレンス」について、「この映画みたいに超大作映画は必ずチェックするようにしていました。この手の大型作品は、得てして大味になりがち。だけどそこはさすがのデヴィッド・リーン監督。きめ細かい演出が冴えわたっています」と熱弁。他にも注目ポイントを挙げている。「主人公の気持ちを表現する音楽が素晴らしい。時には物悲しく、戦闘シーンでは激しく、計算されつくされた演出です。この映画に出会って、きちんと歴史を学ばなければと思いました。もっと知識があれば、最初に観た時に感じ方が違ったのかなと。でも、この映画のおかげで当時のヨーロッパとアラブの関係を知ることになったので、最終的には知識を深めるモチベーションにつながったんですけどね」

暗い青春時代を過ごしたという椎名さん。何をしていいか分からないまま、なんとなくアルバイトで始めたデパート業界誌の編集の仕事は、気が付いたら自分で立ち上げた雑誌の編集長にまでなっていた。その頃、会社にほど近い試写室で観たという「飛べ！フェニックス」については、「仕事をサボって観に行ったので、鮮明に覚えています（笑）。人間同士の葛藤があって、生きるためには戦わねばならない、みたいなところがモロに琴線に触れまして。後にリメイクされるんですけど、あれはつまらない。ああいうことをしちゃいけない、と思いました」と、さらりと毒舌を挟みつつも懐かしそうに語ってくださいました。

小説家が観たら嫉妬するだろう、と話す「ロング・グッドバイ」は、「凝り固まったフィリップ・マーロウ像をぶち壊した名作。探偵モノではなく、人間の愛と悲しみがテーマになっている深い作品です。常識にとらわれない斬新なカメラワークも見どころだし、そういう上手さがいくつも重なっている。説明しがたい映画の魅力がたくさん詰まった素晴らしい娯楽作品」と絶賛しました。

そのほか、自身でも映画を製作した時の経験や、作家としての発想の原点、ライフワークとなっている旅についてなど、映画と人生を絡めて大いに語ってくれた椎名誠さん。貴重なエピソードがたくさん詰まった番組「この映画が観たい＃３６ ～椎名誠のオールタイム・ベスト～」を、ぜひムービープラスでお楽しみください。


「この映画が観たい＃３６ ～椎名誠のオールタイム・ベスト～」
初回放送：９月５日（月）２３：００～２３：３０
再放送：９月９日（金）１１：００～１１：３０、１２日（月）１８：３０～１９：００、
２３日（金）１１：１５～１１：４５、２８日（水）１８：１５～１８：４５

椎名誠　プロフィール
1944年6月14日、東京都生まれ。流通業界誌編集長などを経て、1979年に「さらば国分寺書店のオババ」でデビュー。その後「アド・バード」（日本SF大賞）などのSF作品、「わしらは怪しい探検隊」シリーズなどの紀行エッセイ、「犬の系譜」（吉川英治文学新人賞）などの自伝的小説、「風のかなたのひみつ島」、「全日本食えば食える図鑑」、「海を見にいく」など旅と食の写真エッセイと著書多数。1996年には、映画『白い馬』で日本映画批評家大賞最優秀監督賞ほかを受賞している。現在も作家、映画監督、写真家、編集者など、多岐にわたって活躍している。

10月は映画監督の西川美和さんが登場。ご期待ください。
「この映画が観たい」公式ページ　http://www.movieplus.jp/guide/mybest/


ムービープラスとは
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