東京オフィスマーケットレポート　2025年第3四半期継続的なタイトな需給環境で賃料上昇が加速

空室率は過去最低水準に接近　貸主優位の市場環境が強まる

　大手総合不動産コンサルティングサービスであるコリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社（代表：小笠原 行洋、本社：東京都千代田区、NASDAQおよびTSX：CIGI、以下コリアーズ・ジャパン）は、本日、「オフィスマーケットレポート｜東京主要5区・グレードAオフィス ｜2025年第3四半期（7‐9月期）」を発表しました。

本レポートは、コリアーズ・ジャパンが、東京主要5区（千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区）のグレードAオフィスビル※１の賃貸オフィス市況と今後の見通しについて、独自に収集したデータに基づいて分析したものです。

市場概況：需給の逼迫が継続、賃料は上昇基調を強める

　2025年第3四半期の東京のグレードAオフィス市場は、極めてタイトな需給環境が継続しました。空室率は前期より0.6ポイント低下の1.5%と、過去最低水準に接近。新規供給が8,600坪にとどまる一方で、需要は65,500坪と大幅に需要が供給を上回り、平均賃料は34,000円/坪（前期比＋1.8%）と上昇しました。テナントによる募集区画の確保は引き続き活発であり、賃貸オフィス市場は貸主優位の状況が一段と強まっています。

空室率と賃料のトレンド：空室率は過去最低水準に接近、賃料上昇は加速

　新規供給が限定的である中、需要は高水準を維持。その結果、空室率は前期比0.6ポイント低下の1.5%と過去最低水準に接近しています。特に、人材獲得競争の激化を背景に、採用力強化を目的とした好立地への移転ニーズが顕著です。企業のオフィス移転や拠点開設の意思決定において、人材採用に寄与する物件であるかどうかが重要な判断基準となっており、交通利便性が高い都心部において、希少な空室を確保しようとする動きが続いています。

今後の見通し：大型再開発による供給増も、需給バランスの根本的変化には至らず

　2026年以降も大型再開発の竣工に伴う新規供給が続く予想ですが、まとまった面積の確保が難しい現状においては、開発中の大型オフィスへの移転が、テナントにとっては現実的な選択肢となっています。

　そのため、現時点で開発中の物件のテナント内定は順調に進んでおり、今後2〜3年で予定される新規供給の水準では、現在のタイトな市場環境を根本的に変化させるには至らないと予想されます。

プレミアムオフィス市況：質への需要が加速、空室率は1％未満

　また、コリアーズでは、2025年第3四半期より、市場トレンドを牽引するトップグレードの物件をプレミアムグレードとして定義し、グレードAオフィスの中でも特に大規模でハイグレードな仕様を備えたこれらのオフィスのセグメントに特化したマーケット市況の分析を開始しました。

テナント需要の「質への逃避」が進むなかで、プレミアムグレードの空室率は2025年第3四半期に1%を下回る水準まで低下し、主要5区のグレードA空室率の1.5%と比較してもさらにタイトな状況にあります。これを受けて、プレミアムグレードの賃料は主要5区のグレードA平均を上回るペースで上昇しています。

プレミアムグレードにおいて、グレードAと比較しても一段と需給が逼迫している市況は、企業が従業員の働く環境の質を重視し、それを通じて人材確保の競争力を高めようとする戦略の反映であり、こうした「質への逃避」のトレンドが今後も持続すると予想されます。

「オフィスマーケットレポート｜東京主要5区・グレードAオフィス ｜2025年第3四半期（7‐9月期）」は、以下のリンクよりダウンロードいただけます。

https://www.colliers.com/ja-jp/research/tokyo-office-market-q3-2025

※１　グレードAオフィスビル：基準階面積が概ね300坪以上の主に賃貸に供されるオフィスビルから、弊社独自の基準で選定。

コリアーズについて

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