『日本をサステナビリティ・トランスフォーメーション先進国へ』プロジェクト発足 兼 事業戦略発表会イベントレポート
左より、伊藤忠商事株式会社 准執行役員 IT・デジタル戦略部長 兼 伊藤忠サイバー&インテリジェンス代表取締役社長 浦上 善一郎(うらかみ ぜんいちろう)氏、booost technologies株式会社 取締役 COO 大我 猛(おおが たけし)、booost technologies株式会社 代表取締役 青井 宏憲(あおい ひろかず)、元オムロン株式会社 サステナビリティ推進室長 劉 越(りゅう ゆえ)氏、一般社団法人ESG情報開示研究会 共同代表理事 日立製作所 サステナビリティ推進本部 主管 増田 典生(ますだ のりお)氏
統合型SXプラットフォーム「サステナビリティERP(※1)」の提供により企業のサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)(※2)の加速を支援するbooost technologies株式会社(東京都品川区、代表取締役:青井宏憲 以下 当社)は、「『日本をサステナビリティ・トランスフォーメーション先進国に』プロジェクト発足 兼 事業戦略発表会」を2024年11月28日(木)に開催いたしました。
「サステナビリティERP」の提供により企業のSXの加速を支援する、booost technologies
はじめにbooost technologies 代表取締役 青井 宏憲が登壇し、挨拶しました。
「booost technologiesは、2015年4月の創業以来、各株主の皆さまにご支援をいただきながら事業運営を続けております。ミッションに『より持続可能でNET-ZEROな未来を実現する』を掲げており、サステナビリティ領域に知見をもつ経営チームで運営をしています。
私たちがメインで提供しているのは、サステナビリティ関連財務情報の開示を支援するプロダクト『booost Sustainability Cloud(※1)』です。
SXとは、『社会のサステナビリティ』と『自社事業のサステナビリティ』が交わり、事業そのものがサステナビリティになる過程を指しており、GX(Green Transformation)も内包する考え方ですが、『booost Sustainability Cloud』は、グローバルでビジネスを展開する多くのSXリーダーに導入いただき、現在は80か国以上、18万6,000拠点以上で利用されています。幅広い情報の収集ができ、グローバルヘッドクォーターがSX経営を推進するうえで必要な意思決定をサポートします」
(※1)自社およびサプライヤーのサステナビリティ情報を管理する“統合型SXプラットフォーム”です。国際開示基準に準拠した環境、社会、ガバナンス等の1,200以上のデータポイントに対応したサステナビリティ関連情報の収集、集計を自動化し、リアルタイムでのモニタリングを可能にします。グローバルに対応したデータガバナンス機能を搭載しており、グループやサプライチェーンを含む組織において多階層の承認フローの実装が可能であるほか、第三者保証等にも対応すべく設計したプラットフォームであり、サステナビリティ関連情報の開示に向けて発生する各業務を効率化・最適化する機能をフェーズ毎に包括的に提供しています。提供開始以降、80ヶ国以上、大企業を中心に約2,000社(186,000拠点以上。2024年10月末時点)に導入されています。
有価証券報告書でのサステナビリティ情報開示義務化にともなう、3つの課題
続けて青井より、社会動向の解説・調査内容の発表をいたしました。
「これまでの企業経営は利益追求型で、短期視点での事業運営が主流でした。しかし今は、経済的利益と合わせて持続可能性やサステナビリティが経営に求められるようになり、中長期視点が必要になっています。各省庁からもSXが日本の次なる成長の源泉であると発表されています。これからの時代は、サステナビリティをリスクとしてとらえるのではなく、経営戦略の根管であると解釈し取り組む必要があるのです。
そのような背景のなか、有価証券報告書での情報開示義務化に向けた取り組みが進められており、企業にとって3つの課題が生まれています。1つ目は『正確さの担保』です。信頼性の高いデータを投資家やステークホルダーのみなさまに開示することが求められています。
2つ目は、『早さ』です。財務では月次決算が当たり前ですが、サステナビリティデータは回収・集計に180日〜240日かかるケースが多く、年に1回まとめるのが精一杯というのが現状です。財務同等水準の早さで、情報回収から開示までのサイクルを回せる仕組みを整えなければなりません。
3つ目は、『広さ』です。サステナビリティ情報は多岐にわたる項目があり、そのうえグローバルで集めなければなりません。情報開示義務化に対応するためのシステム構築はもちろん、その先のSXまで見越した全社規模の体制構築が求められています。
さらに、3つの課題解決と同時に、サステナビリティ推進担当者の業務レベル、理解度の向上にも努めなければなりません。私たちが、日々大企業のサステナビリティ推進担当の方々と会話をさせていただくなかで、サステナビリティ情報開示義務化について『少し項目が増えるだけでしょう』『これまで通り、エクセルで情報回収をすればいいですよね』と聞かれることがあります。
そのような意識では、最終目的であるSXだけでなく、情報開示義務化への対応のフェーズで躓いてしまう恐れがあります。今、大企業に本当に求められているのは、グローバル数百社連結で回答を集めるためのプロセスの構築、サステナビリティ情報の財務情報との紐付け、事業戦略にサステナビリティ観点を加えることなどで、システム構築、内部統制、ガバナンスの構築など、幅広いアクションを実行しなければなりません。
プライム上場企業を対象におこなったアンケート調査(※2)によると、『自社のSXに課題を感じている』と回答している経営者が70%、担当者が90%と高い数字が出ています。また、サステナビリティ担当者に対する『すぐにでも改善すべきSXの課題は何か』という項目では、『サステナビリティ情報を会社の経営判断に活かすこと』『戦略の策定』『膨大なデータの管理』が挙げられていました。私たちの肌感だけではなく、大半の日本の大企業も同じような課題感をもっているのだと見て取れます」
(※2)https://booost-tech.com/2026sx(調査レポート全体はホワイトペーパーに記載しております。以下URLよりダウンロード可能です。https://booost-tech.com/2026sx_contact)
「サステナビリティ2026問題」を提起しし、日本をSX先進国へ
さらに青井は「日本をサステナビリティ・トランスフォーメーション先進国に」プロジェクトについて説明いたしました。
「まず、説明しなければならないのは『サステナビリティ2026問題』です。『サステナビリティ2026問題』とは、サステナビリティ情報開示の義務化にあたって多くの企業で着手の遅れや危機感不足が起こっており、このままでは企業価値が低下してしまう状況のことを指します。直近でも、MSCIの銘柄から多くの日本企業が外されました。
地球は今、持続可能性の問題を抱え、危機に瀕しています。そのような地球を救うには、グローバルに影響を与えている大企業の変革が不可欠です。情報開示義務化や、SX推進への社会的な認知が足りていないことが問題の根幹であると考え、本プロジェクトの発足に至りました。
同プロジェクトにて、直近では大きく2つの取り組みを予定しています。まず一つは、サステナビリティ担当者さま向けのコミュニティづくりと定期的な勉強会の開催です。もう一つは、CxO・エグゼクティブ向けのラウンドテーブルの開催です。日本企業のグローバルでのプレゼンス向上を目指し、SX推進人材の育成や、リーダーシップの育成を目指します」
日本をSX先進国にするための、3つの事業戦略。資本業務提携は「エコシステム構築」の第1章
次に、booost technologies株式会社取締役COO(最高執行責任者)大我 猛(おおが たけし)よりbooost technologiesの事業内容や今後の戦略について説明がありました。
「私たちは、日本をSX先進国にしたいと思い、事業を運営しています。達成ために、大きく3つの柱を用意しています。1つ目の柱は、本プロジェクトの発足であり、内容は先ほどのご説明の通りです。
2つ目の柱は、SXのための最適なソリューションの提供です。私たちが運営するbooost Sustainability Cloudは、日本のサステナビリティ基準SSBJや、EUのサステナビリティ開示規制CSRDに対応した機能を2024年11月にリリースしました。
アプリケーション機能とインフラ基盤機能のそれぞれで大幅なアップデートをおこなっており、とくにインフラ基盤機能は、他社プロダクトと比べて大きな違いの一つです。グローバルに事業を展開する企業は複雑な組織構造であり、各企業のサステナビリティ推進担当者が多くの手間をかけて情報収集をおこなう企業が多いです。その手間を省き、さらに財務と同等レベルの正確性を担保するのが、インフラ基盤機能の一つ『booost Date Governance』であります。
グローバルでのユーザー権限について最大で15階層の管理が可能であり、世界中に散在するサステナビリティ情報のスムーズかつ正確な収集をサポートします。各企業の本社は、これまで見えづらかったデータ収集の進捗状況が一目瞭然で把握できるようになります。
本機能によりもたらされるメリットは大きく2つで、1つ目は人件費削減です。多くの企業はこれまで、多額の人件費を投入し、手作業でのデータ収集をおこなっていましたが、booost Sustainability Cloudの導入により大幅に自動化され、人件費を大きく削減できます️。
2つ目は、今後発生するサステナビリティ情報に関する保証費用の削減です。繰り返しですが、今後はサステナビリティ情報についても、財務と同等の監査が求められます。IT統制ができていない場合、1枚の伝票レベルから監査法人が確認をする必要があり、多額の監査費用がかかります。一方、IT統制が効いている状態であれば、全てのデータを確認してもらう必要はなく、サンプリングして異常と思われる箇所だけを掘り下げるだけで済むのです。結果として、大幅なコスト削減ができます。
最後に、3つ目の柱としてご紹介するのは、エコシステムの構築です。エコシステムとは、簡単に言うと『複数の企業やサービスが協力し合って、単独でやるより相乗効果で大きな価値を生み出す仕組み』のことです。SXを推進するには、省エネソリューション、SX/GX人材など幅広い市場との接続が必要であり、市場のニーズに応え切るには、さまざまな企業との提携が必要だと考えました。
今回の3つの事業会社さまとの提携は、エコシステム構築の第一章です。たとえば、伊藤忠商事さまは8つのカンパニーをもち、幅広い業種でビジネスを展開されており、270の連結子会社を起点とした強力な顧客基盤をもっていらっしゃいます。同様にBIPROGYさまも、多くのお客さまとの接点があり、今回の連携をきっかけに、booost Sustainability Cloudの拡販に一緒に取り組めればと考えています。また、パーソルビジネスプロセスデザインさまは、販促活動だけでなく、不足するSX人材をカバーするためのBPOや人材育成の領域でも協力させていただく予定です。
とはいえ、『日本企業のSXを加速させる』という目標達成のためには、まだまだ幅広い分野での取り組みが必要です。ITだけでなく、幅広い領域にエコシステムを拡大し、目標達成を成し遂げたいと思っています」
質疑応答の後、トークセッションがおこなわれました。トークセッションの詳細はこちらをご覧ください。最後に、質疑応答、フォトセッションがおこなわれ、本発表会は終了しました。
■booost technologies株式会社について
当社は、国際開示基準に準拠し、環境、社会、ガバナンス等の1,200以上のデータポイントに対応したサステナビリティ情報の収集、集計の自動化および、リアルタイムでのモニタリングを可能とする統合型SXプラットフォーム、サステナビリティERP(※1)「booost Sustainability Cloud」の開発提供を行っています。「booost Sustainability Cloud」は、グローバルに対応したデータガバナンス機能を搭載しており、グループやサプライチェーンを含む組織において多階層の承認フローの実装が可能であるほか、第三者保証等にも対応すべく設計したプラットフォームであり、サステナビリティ情報の開示に向けて発生する各業務を効率化・最適化する機能をフェーズ毎に包括的に提供しています。提供開始以降、大企業を中心に、80ヶ国以上、約2,000社186,000拠点以上(2024年10月末時点)に導入されています。また、サステナビリティコンサルティング事業も展開しており、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)領域において、企業のプロジェクト推進に伴走し企業価値向上に貢献しています。
<会社概要>
会社名 : booost technologies株式会社
所在地 : 東京都品川区大崎一丁目6 番4 号新大崎勧業ビルディング10階
設 立 : 2015年4月15日
代表者 : 代表取締役 青井 宏憲
資本金 : 1億円
事業内容: ・「booost Sustainability Cloud」の開発運営
・サステナビリティコンサルティングサービスの提供
コーポレートサイト:https://booost-tech.com/
booost及びBOOOSTは、booost technologies株式会社の登録商標です。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像