行政が自前のAX「知るだけ」の生成AI研修から「仕事で使える」研修へ!

愛知県西尾市が年間100回を超える少人数型研修「生成AIイノベーション・ラボ」を開始

西尾市役所

情報政策課長が自ら講師を務め、2~5人で実務活用と研修後の定着を支援

愛知県西尾市は、職員が生成AIを日常業務で活用できる状態を目指し、少人数型研修「生成AIイノベーション・ラボ」をスタートしました。

これは、1回当たりの参加者を2~5人に限定した個別研修で、年間約100回の開催を予定しています。

講師は、この企画の発起人である西尾市総合政策部情報政策課の木下課長が自ら務めます。

基礎知識の習得だけでなく、参加者の担当業務に即した個別アドバイスと研修後の伴走支援を組み合わせ、生成AIを「知っている」状態から「仕事で使える」状態へつなげることを目指しています。

この記事では、企画立案者の木下課長へのインタビューを通して、西尾市が目指している行政AXの未来をお伝えしたいと思います。

集合研修では、実務への一歩まで踏み込めなかった

西尾市では、これまでも数十人規模の様々な集合研修を実施してきました。しかし、大人数を対象とした研修では、一般的な知識や汎用的な活用例を伝えることはできても、参加者一人ひとりの業務にまで踏み込むことは困難でした。

「集合研修を行えば、研修を実施したという実績は作れます。ただ、参加した職員が職場に戻り、自分の業務で使ってみようという状態にまでつながっているかというと、どうしても難しい部分がありました。

研修内容を理解しても、自分の部署のどの業務に使えるの?が分からなければ、実際の活用にはつながりません。」

(木下)

そこで木下課長が考えたのが、少人数で対話しながら、それぞれの仕事に合った活用方法を一緒に探す研修でした。

少人数だから、担当業務を題材に具体的に話せる

「生成AIイノベーション・ラボ」は、毎回2人~5人の少人数で実施しています。

前半では、生成AIの仕組みやサービスの種類、注意事項(個人情報・機密情報、著作権)などの基本事項を学びます。その時の参加者によって、AIに関する知識や普段の使い方が違うので、そこに合わせて説明をしています。またあまり普段AIを使っていない参加職員には、西尾市が導入している生成AIツールを実際に操作し、AIの使い方を体験してもらっています。

後半では、参加職員の担当している業務の内容を聞きながら、「この仕事の、この部分に生成AIを使えるのではないか」と講師と参加職員が一緒に考えています。

同じ部署の職員で参加してもらうようにしているので、一人のアイデアをきっかけに「それなら別の業務にも使えるよね」と話が広がります。少人数だからこそ、参加者同士の対話から活用方法が生まれてくるのがいい効果だと感じています。

情報政策課長が、年間約100回の講師を務める

少人数研修は、丁寧に対応できる一方、開催回数を増やす必要があり、これが導入の高いハードルとなります。

現在の想定では、年間約100回の開催を予定しています。木下課長は、この全てを自ら講師を務めることを決めました。なぜ、このような手法を取ることを決めたのかを聞いてみました。

「情報政策課は、普段から庁内のDX化の支援をしています。しかし、担当課の現場で実際に何が起きているのか?何に困っているのか?という課題を我々が知ることはなかなか難しいです。

今回の研修を通じて、私が課長としてそれを直接聞くことで、管理職でなければできない判断や調整をすることが可能となります。

また、全庁的な課題感を私自身が広く把握できることで、今後の情報政策のベースとすることができるのではないかと考えました。

また、情報政策課は少人数の組織です。新しい取り組みを進めるために担当職員へ大きな負担をかけることはできません。」(木下)

午後4時以降を、学びと業務改善の時間に

この「生成AIイノベーション・ラボ」は、午後4時から実施しています。

西尾市では、窓口の開庁時間短縮によって生まれた午後4時以降の時間を、残っている仕事を処理するだけでなく、新しいことを学び、業務をより良くするための時間にしたいと考えました。

研修時間は約45分で、その後、参加者の希望や業務内容に応じて15~30分程度の個別アドバイスを行っています。限られた時間の中でも、知識を学ぶだけで終わらず、実際の業務に結び付けることを重視しています。

研修後も相談できる、伴走型の支援

この研修は、受講当日で完結するプログラムではありません。研修後も参加者からの個別相談に情報政策課が対応し、生成AIを活用した成果物の作成や検証ができるよう、情報政策課内に専用端末を設置しています。

さらに、ラボで生まれたアイデアを情報政策課が実際に形にした事例を含め、各部署の活用事例を収集・共有し、他部署への横展開を進めています。

「研修は、あくまで入口です。受講した翌日から実際の仕事で試してもらうことが大切です。

困ったときに気軽に相談できる環境を整え、活用が定着するまで支援していきたいと考えています。

なので、名前も「研修」ではなく、あえて『生成AIイノベーション・ラボ』としています。」(木下)

参加者からは、「自分の担当業務に置き換えて考えることができた」「資料の構成案づくりに活用できることが分かった」「少人数だったため、普段の業務で困っていることを相談しやすかった」といった声が寄せられています。

西尾市では、『生成AIイノベーション・ラボ』をきっかけに、会議資料の構成案作成、文章の要約、問い合わせ内容の整理、アイデア出しなど、各部署でさまざまな活用方法が検討されています。 

新しい技術への好奇心が、企画の原動力

この企画への原動力はどこにあるのかを木下課長に聞いてみました。

仲間に誕生日を祝ってもらう木下課長

「新しい技術が出てきたら、つい自分で調べてみたくなり、実際に使ってみます。これは業務というよりは、もう個人的な好奇心ですね。でも自分が使ってみて、可能性を感じたものは、業務に活用したら、職員の業務はもっと楽になるはず。その思いが、今回の研修にもつながっています。

そう言うとかっこいいでしょ?笑

でも、もともと自分が楽をしたいんですよね。職員も同じだと思うんです。

AIを使わないといけないって言われると、なんか面倒でしょ?でも、楽になるってわかれば自然と使うようになりますしね。(木下)」 

自ら学び、試し、職員と一緒に考える。「生成AIイノベーション・ラボ」は、新しい技術への好奇心と、市役所の仕事をより良くしたいというひとりの職員の思いから生まれました。

生成AIを、自治体運営を支える新たな前提へ

人口減少が進み、将来的には自治体職員の確保も難しくなることが予想される一方、自治体に求められる業務は複雑化・高度化しています。

限られた人員で市民サービスの質を維持し、さらに向上させるには、従来と同じ仕事の進め方を続けるだけでは十分ではありません。

「生成AIは、これからの自治体を支える頼もしい新たな戦力です。それを使いこなせる職員が一人でも増えることが、自治体としての力につながると考えています(木下)」

西尾市は、3年後、5年後に、生成AIの活用が一部の職員だけの特別な業務ではなく、多くの職員が日常的に当たり前に使える未来を目指します。

本件に関するお問い合わせ先

西尾市 総合政策部 情報政策課

担当:情報推進担当

電話:0563-65-2162

メールアドレス:joho@city.nishio.lg.jp

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会社概要

西尾市役所

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URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
愛知県西尾市寄住町下田22
電話番号
0563-56-2111
代表者名
中村 健
上場
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資本金
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設立
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