『組織の経済学のフロンティアと日本の企業組織』(著:新原浩朗 )読書会開催に関するお知らせ

少数株ドットコム株式会社

少数株ドットコム株式会社(代表取締役会長:山中 裕、本社:東京都練馬区、以下「当社」)は、練馬政治研究会および民事8部監視委員会との共催により、組織の経済学における理論的最前線と日本企業の実態を架橋する研究書「組織の経済学のフロンティアと日本の企業組織」(日経BP 日本経済新聞出版)を題材とした読書会を開催いたしますので、下記のとおりお知らせいたします。

本書は、取引費用理論、契約理論、インセンティブ設計といった組織の経済学の中核理論を体系的に整理したうえで、日本企業の具体的な組織設計・意思決定・ガバナンス構造を分析対象とし、理論と実務を往還する実証的研究としてまとめられた一冊です。
抽象理論にとどまらず、現場組織が直面する非効率、調整コスト、内部統制、権限配分の問題に対し、経済学的視点から説明と示唆を与えている点に特徴があります。


著者プロフィール:新原 浩朗(にいはら・ひろあき)

1959年福岡市生まれ。1984年、東京大学経済学部卒業。旧通商産業省(現・経済産業省)に入省後、省エネルギー・新エネルギー部長、内閣府政策統括官(経済財政運営担当)、経済産業省経済産業政策局長などを歴任し、2021年より内閣審議官を務める。

学術面では、米国ミシガン大学大学院経済学博士課程に留学し、ハーバード大学経済学部客員研究員を経験。一橋大学大学院MBAコースおよび東京大学大学院経済学研究科で非常勤講師を兼務するなど、研究・教育にも従事してきた。

主著に『日本の優秀企業研究』(日本経済新聞社)があり、同書は第4回日経BP BizTech図書賞を受賞。経済学理論と政策実務、企業組織の実態を横断する分析に定評がある。


1.開催趣旨

企業組織は、単なる人の集合体ではなく、インセンティブ設計・情報構造・権限配分によって成果が大きく左右される経済システムです。
日本企業においては、長期雇用・内部昇進・合意形成といった慣行が、効率性と安定性の両面でどのような意味を持つのかが、近年あらためて問われています。

本読書会では、本書の理論整理と日本企業分析を手がかりに、

  • 組織の経済学が捉える「企業内部」の本質

  • 日本企業組織の強みと限界

  • ガバナンス改革・組織設計における経済学的視点

  • 理論を実務にどう接続すべきか

といった論点について、参加者とともに考察を深めます。

読書会の内容(予定)は以下の通りです。

  • 組織の経済学の主要理論の整理

  • 契約・インセンティブ・権限配分の経済学

  • 日本企業組織の特徴と実証分析

  • 組織デザイン・企業統治への応用可能性

  • 実務・投資・政策への示唆

  • 参加者同士の対話と総合討議


2.開催概要

テーマ:『組織の経済学のフロンティアと日本の企業組織』から考える組織設計とガバナンス

主催:少数株ドットコム株式会社
共催:練馬政治研究会、民事8部監視委員会
開催日:2026年1月下旬(予定)
開催形式:Zoomオンライン開催
参加費:無料(事前登録制)

申込方法:info@shosukabu.com 宛に件名「『組織の経済学のフロンティア』読書会参加希望」と明記のうえお申し込みください。


3.講師プロフィール

山中 裕(やまなか・ゆたか)


東京大学経済学部 総代卒業。コロンビア大学大学院(金融工学専攻)修了。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス(LSE)留学。
現在、外国籍のファンドおよび投資会社を通じて、国内外の上場企業1000社以上、非上場企業200社以上に投資しており、日本を代表するアクティビストの一人として知られている。

日本におけるアクティビスト投資の先駆者として、特にHOYA株式会社への株主提案活動(2010年)では、創業家株主として企業統治改革を目的とする15議案を提出した。

中でも注目されたのは、

  • 役員報酬の個別開示(取締役ごとの報酬情報公開)

  • 社外取締役のみで構成される会議体の設置(執行役を交えない経営監督)

  • 社外取締役の再任回数を「10回以内」に制限(独立性維持を目的)

  • 株主提案における議案説明文字数の上限を400字から4,000字へ拡大(株主提案権の実効性向上)

  • 匿名投票制度(秘密投票)の導入

  • 取締役候補者の公益法人兼務の開示義務化

といった、コーポレートガバナンスの質的向上を狙う提案群である。

これらのうち5議案が、米議決権行使助言会社グラス・ルイス(Glass Lewis)および日本プロクシー・ガバナンス研究所、さらにISS(Institutional Shareholder Services)の3社すべてから賛成推奨を受けた(出典:日本経済新聞 2010年6月18日付、記事URL)。ISSは世界最大の議決権行使助言会社であり、その推奨は国内外の機関投資家の判断に大きな影響を与えた。

同年、

  • ストックオプション所有者に対してコールオプションを売却しプットオプションを所有するなどのヘッジ取引を禁止すること

  • 取締役が自社株を売却する際は30日前に事前予告および開示を行うこと

といった透明性強化策も提案。これらの議案もISSの賛成推奨を得て、株主総会前の事前集計で20%台半ばの賛成票を獲得した(日本経済新聞 2010年6月18日付、同上)。

さらに、役員報酬個別開示などの提案は、グラス・ルイスや日本プロクシー・ガバナンス研究所も賛成推奨を出しており、日経新聞(2010年6月21日付、記事URL)、Bloomberg(2010年6月17日付、記事URL)、東洋経済オンライン(2010年6月21日付、記事URL)などの主要メディアが相次いで報道。

結果として株主総会では48%超の賛成率を獲得し、経営陣との建設的対話を通じて「経営透明性」「社外取締役機能」「議決権行使制度」の実質的改善を促した。
この一連の動きは、日本企業におけるガバナンス改革史において象徴的な転換点と評価さている。

また、いわゆるアムスク事件(東京高裁 平成26年(ネ)第3215号、平成27年3月19日判決)では、東京地裁および東京高裁双方において、「株式全部取得を行った株主総会の決議取り消し」を命じる判決を勝ち取り、少数株主保護の司法的実効性を実証した(出典:Clair法律事務所ブログ 2015年4月15日付、記事URL)。

さらに、株式会社ハイアス・アンド・カンパニー(現・株式会社くふう住まいコンサルティング)が 旧経営陣を提訴していた損害賠償請求事件(東京地裁民事第8部)において、会社法第849条第1項に基づく株主補助参加人として参画。2025年3月27日付で勝訴判決(裁判長:笹本哲郎、合議裁判官:伊藤圭子・内林尚久)を得ており、旧経営陣による架空売上計上などの不正会計が認定された。
この判決は、株主による司法的権利行使の有効性を示すものとしてさくらフィナンシャルニュース(2025年3月28日付、記事URL)にも掲載されている。

こうした一連の成果を通じて、山中は「ガバナンスの実効性を現場で証明する投資家」として、日本企業の統治改革と資本市場の健全化に大きく貢献している。

また、プライベートでは秋田犬の愛好家であり、世界各地の温泉地を巡る「温泉めぐり」を趣味としている。自然・文化・地域コミュニティを尊重しながら、温泉を通じた心身の再生と国際交流の意義を探求している。


4.当社代表コメント

本書は、組織を「人情」や「慣行」ではなく、明確な経済的構造として捉え直すことで、日本企業の強みと限界を理論的に整理した重要な研究です。組織の経済学は、ガバナンス改革や企業価値向上を考えるうえで不可欠な視座であり、本読書会が、理論と実務をつなぐ建設的な議論の場となることを期待しています。

■会社概要

会社名|少数株ドットコム株式会社( https://www.shosukabu.com )

所在地|東京都練馬区

代表者|代表取締役会長 山中裕

事業内容|会社法関連アドバイザリー、株主権保護コンサルティング、企業統治体制支援、フィナンシャルアドバイザリー、ベンチャー投資、AI関連事業、不動産事業

◆当社は、金融庁の「責任ある機関投資家のための原則」(日本版スチュワードシップ・コード)に準拠し、投資先企業のモニタリングおよび建設的な対話を継続しています。

https://www.shosukabu.com/stewardship-code/

■当社の理念と投資方針

当社は中長期保有のスタンスで企業価値向上にコミットし、短期的な売買益を目的とした投資は行いません。

さらに当社は、短期的な利益追求を超えて、「ユダヤ人に勝てる日本を作る」ことを会社のミッションとして徹底しています。
営利企業としての利益・売上拡大を前提としつつ、それ以上に、日本人が国際社会で対等に競い合える金融力・政治力・文化力を備えることに貢献することを至上命題としています。

この理念を社会的潮流へと育てるため、
従業員・投資家・取引先・投資先企業など、あらゆるステークホルダーとの協業を重視し、
短期的利益よりも長期的社会的利益を優先する取り組みを進めております。

以上


会社概要

少数株ドットコム株式会社

18フォロワー

RSS
URL
https://www.shosukabu.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都練馬区東大泉三丁目37番7号
電話番号
03-3590-4667
代表者名
山中 裕
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
2023年03月