【アムネスティ日本】猛暑は人災!「猛暑と気候変動を結びつけて報道して」テレビ局に市民の声を届けるオンライン署名を開始
暑さ対策の情報が連日メディアで流れる一方、原因である気候変動への言及は限られています。猛暑は生きる権利・健康への権利にかかわる人権問題です。アムネスティは市民の声を報道各社に届ける署名を開始しました。
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本は8月1日、猛暑をはじめとする異常気象について、その背景にある気候変動に言及するようテレビ各局に求めるオンライン署名「猛暑は人災 テレビで気候変動を報道して!」を開始しました。

■ 暑さ対策は連日報じられる一方、原因は語られない
35℃以上の猛暑日は日本でも当たり前になりつつあり、人びとの安全、文化、食、生活を脅かしています。しかし、暑さ対策グッズや熱中症予防に効果的な食べ物が情報番組で紹介される一方で、その原因である気候変動に言及する報道は、現実の危機に見合わない少なさです。
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンが2015年から2024年の新聞記事を対象に行った調査では、猛暑と地球温暖化の関係を説明する報道は解説・特集面などに限られ、読者の関心が高い社会面や総合面では、猛暑を「日々の天気」として扱う傾向が根強く残っていると指摘されています。これは新聞だけではなく、テレビ番組についても同じような指摘が上がっています。
■ 気候変動は人権問題
気候変動は、生きる権利、健康への権利、居住の権利、水と衛生に対する権利にかかわる人権問題です。世界の温室効果ガスのほとんどを排出しているのは一部の国であるにもかかわらず、その最悪の影響は、排出量の少ない国に暮らす人びとや、もともと社会的に不利な立場に置かれた人びとに最初に降りかかります。日本国内でも、猛暑による健康被害は屋外で働く人や高齢者に集中しています。
このままの排出量が続けば、2020年に生まれた子どもは80歳になるまでに、現在の世代の何倍から何十倍もの異常気象の被害を受けることになります。
■ 対策が進まない日本
日本でも猛暑や豪雨、台風の強大化など、災害級の異常気象が相次いでいます。国民の大多数が気候変動の影響を感じている一方で、日本の気候変動対策は不十分なままです。
日本はG7の中で唯一、化石燃料の中で最もCO2排出量の多い石炭火力発電の廃止を宣言していません。かわりに、水素・アンモニア火力やCCS(二酸化炭素回収・貯留)といった不確かで高コストな技術に力を入れており、これは化石燃料を延命させる措置であるとの批判があります。
その一方で、政府は海外の新規化石燃料事業に多額の融資を行っています。日本の大手銀行も、過去5年間の化石燃料への出資額で世界2位、5位、8位に入り、石油・ガス事業の新規建設・拡大への出資では世界1位と2位を占めています。
破滅的な状況を回避するには、2030年までに2010年比で60%以上のCO2削減が必要です。個人の省エネやリサイクルでは足りず、政府レベルでの意欲的な削減目標と、化石燃料企業の既得権益を打破する政策が欠かせません。しかし日本社会では、この問題の優先順位が低いままです。
■ 伝える側からも上がる声
2024年6月5日の世界環境デーに、全国の気象予報士・気象キャスター44名が【気候危機に関する気象予報士・気象キャスター共同声明】を発表しました。声明では、天気予報の時間枠に限らず「日常的な気象と気候変動を関連付けた発信」を目指すことが宣言されています。
この声明にあわせて公表された気象予報士・気象キャスター130名へのアンケートでは、90%以上が気象情報の中で気候変動に危機感を持ち、80%以上が気候変動についてもっと伝えるべきだと回答しました。一方で、伝えるうえでの課題として「放送時間が限られる」「専門的で難しい」「視聴者/読者や社内の関心がない」などが挙げられています。
伝えたいと考える現場の担い手はすでにいます。必要なのは、それを後押しする視聴者の声です。
■ 署名の要請内容
・毎日のニュースや情報番組の中で、猛暑などの異常気象を気候変動と関連づけて報道すること
・気候変動に関する情報発信において、可能な限り原因である化石燃料燃焼について言及すること
・気候変動を新型コロナウイルスの流行やエネルギー危機と並ぶ深刻かつ緊急の危機として位置付け、化石燃料脱却の状況や気候変動の緩和・適応政策についての政府の動向を優先的に報道すること
内閣府の2023年「気候変動に関する世論調査」では、9割以上の人がテレビやラジオから気候変動に関する情報を得ています。メディアは人びとの認識を動かす力を持ち、そのメディアを動かせるのは視聴者である私たちです。
■ 署名概要
・名称:猛暑は人災 テレビで気候変動を報道して!
・期間:2026年7月29日〜8月末日
・URL:https://www.amnesty.or.jp/get-involved/action/cc_202607.html
・賛同数:8月13日時点で1,508筆
■ 主催団体
公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-5-9 九段誠和ビル5階
info@amnesty.or.jp
※気候変動と人権の関係、および本キャンペーンについて、担当者が取材に対応いたします。署名提出時の取材も受け付けています。
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