ファッション業界における世界241ブランドの循環型経営を調査―日本企業は世界平均を0.6ポイント上回る【A.T. カーニー】

規制対応を競争優位へ転換する、サーキュラリティ経営のあり方を提言

KEARNEY

A.T. カーニー株式会社(東京都港区、日本代表:針ヶ谷 武文)は、サーキュラー・ファッション・インデックス(CFX)レポート「The Kearney CFX 2026 report: ファッション業界のサーキュラリティは、規制対応から競争優位性を生む次の段階へ」を公開しました。

本レポートは、ファッションブランドが製品ライフサイクル全体にわたり、サーキュラリティをどのように実践しているかを10点満点で評価するものです。2026年版では、世界21カ国、5つの製品カテゴリーにわたる241ブランドを対象に評価を実施しました。全体の平均スコアは、2025年の3.4から3.7へ上昇し、日本の対象16ブランドの平均は世界平均を0.6ポイント上回りました。

世界平均は3.7へ上昇、日本16ブランドの平均値は4.3。日本企業からユニクロが初のトップ10にラインクイン

CFXの世界平均は、インデックス開始時の2020年の約2.0から、2025年に3.4、2026年に3.7へ上昇しました。地域別では欧州が3.9、北米が3.7、アジア太平洋が3.4です。今回対象とした日本の16ブランドの平均は4.3となり、全体平均を0.6ポイント上回りました。(対象とした日本企業は、アダストリア、アシックス、CFCL、ゴールドウィン、GU、マッシュホールディングス、ミズノ、良品計画、オンワード、しまむら、スノーピーク、TSIホールディングス、ユニクロ、ユナイテッドアローズ、ワコール、ワールド)。

一方、取り組みの広がりと実行の深さには差があります。一次市場の評価軸では、73~84%のブランドが一定程度の活動を示したものの、広範な実行に達したのは3~7%でした。上位20%に入るための閾値は2025年の5.8から2026年の6.0へ上昇し、上位10ブランドのうち9社は、前年も上位グループに含まれていました。ユニクロは今回、新たにトップ10入りしました。

規制対応を4つのライフサイクル価値へつなげる

本稿は、規制がサーキュラー対応力を市場アクセスの条件へ変えつつある一方、製品データ、素材に関するコミットメント、使用後の仕組みは、それだけでリターンを生むわけではないと指摘しています。経営上の機会は、規制対応で得た能力を、①販売前の余剰在庫・値引きの削減、②調達における素材アクセス、③初回販売後の製品価値と消費者価値の維持、④使用後の回収・再利用、という4つの領域に結び付けることにあります。

 

規制対応を競争優位性へ転換する

サーキュラリティを経営上の優位性につなげるには、営業、調達、財務、オペレーションの意思決定に組み込み、信頼できる製品データを市場、部門横断で活用するとともに、パートナー間の役割と説明責任を明確にする必要があります。その上で、製品を初回販売時の利益だけでなく、余剰在庫、素材供給リスク、残存価値、回収価値など、ライフサイクル全体の経済性から評価し、判断することが重要です。規制対応は、いまや市場参入の前提条件です。企業に求められるのは、対応のために整備した能力を経営基盤として活用し、収益性と環境パフォーマンスの双方を高め、競争優位性へ転換することです。

 

論考について

論考名:『The Kearney CFX 2026 report: ファッション業界のサーキュラリティは、規制対応から競争優位性を生む次の段階へ』

URL:https://www.jp.kearney.com/issue-papers-perspectives/circular-fashion-index/2026


本レポートは、英題「From circular intent to operating advantage: The Kearney Circular Fashion Index 2026」を、同社東京オフィスのシニアパートナーであり、消費財・小売プラクティスのAPAC共同リーダーを務める福田 稔の監修のもと加筆・日本語化したものです。

 

監修者

福田稔 シニアパートナー/消費財・小売プラクティス APAC共同リーダー
慶應義塾大学商学部卒業、IESEビジネススクールMBA修了、ノースウェスタン大学ケロッグビジネススクールMBA exchange program修了。電通総研(旧電通国際情報サービス)、欧州系戦略コンサルティングファームを経て、A.T. カーニー入社。消費財・小売プラクティスのAPAC共同リーダーを務める。主にアパレル・繊維、ラグジュアリー、化粧品、小売、飲料、ネットサービスなどのライフスタイル領域を中心に、戦略策定、ブランドマネジメント、GX、DXなどのコンサルティングに従事。上記領域においてプライベートエクイティやスタートアップへの支援経験も豊富。

A.T. カーニーについて

A.T. カーニー(グローバル・ブランド名:Kearney)は、100年にわたり世界有数の経営コンサルティングファームとして、Fortune Global 500企業の4分の3以上をはじめ、世界各国の政府機関に信頼されるパートナーであり続けてきました。世界40カ国以上に拠点を展開し、私たちの最大の強みは「人」にあります。インパクト・ファーストを掲げ、独創的な発想と実行力をもって、顧客企業が直面する最も困難な課題に挑み、変革の実現をともに推進します。日本には1972年に進出し、主要産業のリーディングカンパニーに、戦略策定から変革の実行まで一貫した支援を提供しています。

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会社概要

A.T. カーニー株式会社

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URL
https://www.jp.kearney.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー23階
電話番号
03-6890-5001
代表者名
針ヶ谷 武文
上場
未上場
資本金
-
設立
1926年09月