【参加者募集!】「家」でのケアに関するあなたの物語を語っていただけませんか?@アートセンターBUG
株式会社リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:出木場 久征)が運営するBUGと一般社団法人ハイドロブラストでは、「家」でのケアにフォーカスした、インスタレーション作品「サテライト・コール・シアター」を来年夏の発表に向けて制作します。
このたび、同作品の焦点となる「家」でのケアに関するご経験を元にした物語を語っていただける方を募集します。
参加者には、会期中に会場=コールセンターに電話をかけ、自身のケアに関する物語を語っていただきます。その物語に耳を傾けるのは、コールセンターの職員=会場に訪れた観客です。
はたして、東京の真ん中で見えないことになっている「家」に閉じ込められた物語たちは、観客たちにどのように響き、届けられるでしょうか。
プロ・アマ問わず、何かを表現してみたい、自身のケアの物語と出会い直し、共に考えてみたい「ホーム・ケアリスト」の方々からのご応募をお待ちしています。「サテライト・コール・シアター」メンバーとして、この作品を一緒につくってくださるみなさんとの出会いを楽しみにしています。
※ホーム・ケアリストとは
私たちは、「家」でのケアに従事している方々を意味する「ホーム・ケアリスト」という新たな言葉を提案します。この名称は、家庭内でのケアを担う人々の専門性と重要性を再評価し、社会の中で尊重されるべき仕事であることを示すために選びました。「ケアリスト(carelist)」という語尾を加えることで、専門家としてのニュアンスを強調しています。
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企画者メッセージ
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東京という街は「スマート」だ。
スマートという言葉の語源は、「痛み」らしい。痛みには他の感覚を排除させる力がある。痛みについて、思いを巡らしていると、数ヶ月前、東京駅周辺にあるオフィスビルの廊下でたまたま目にした光景が痛烈に蘇った。
打ち合わせの時間に遅れそうな私は、エレベーターを降り、足早に指定された場所に向かっている。ふと、非常階段から、押し殺された男性の声が聞こえ、足を止めた。「母さん、大丈夫?落ち着いて。薬飲んだ?会議が終わったら、すぐに帰るから。とにかく、落ち着いて。」震えるその声とセリフは、その場所には非常に不釣り合いで、私は思わず、聞かなかったことにした。私は俳優で、俳優の仕事は、他者を想像することなのに。
社会は、見えないことになっている、たくさんの「痛み」であふれている。私は、それらの「痛み」を想像することを、いつのまにか放棄してしまっていたのかもしれない。それらの「痛み」は、見えないのではなく、私が無意識に「見えないことにしていた」かもしれないのに。
それらの物語に、「コールセンター」という名の物語を受け止める「観客席」を作りたいと思った。そして、それは「劇場」となる。演劇の起点ともいわれるディオニシオス祭。ディオニシオスは、アテナイ人が抑制しようとした、生まれながらの野性的な人間性をあらわす神様だ。当時、演劇の機会というのは、人々が抑圧されたものを発散する機会であり、日常生活の中では、普通には話されることのない考えを浮き彫りにすることが許される場だった。政治や社会に直接意見を言えない立場であっても、台詞(フィクション)になることで、あーだこーだ言えてしまう。
東京の真ん中に期間限定で現れる『サテライト・コール・シアター』では、観覧者が自らコールセンターの職員となり、それぞれの自宅でケアに従事するものたちからの電話を受け、それらの「物語」を社会に渡していく役割を担う。彼らの叫びや痛みを「シアター/劇場」という場で受け止めることで、東京は「スマートシティ」から「ケアリングシティ」に生まれ変わることができるのだろうか。
竹中香子
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「ホーム・ケアリスト」募集概要
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【プロジェクトの目的】
このプロジェクトは、「家」でのケアに従事する人々が抱える問題を可視化し、社会における「見えない痛み」に焦点を当てることを目的としています。観客がコールセンターの職員として「物語」を受け取る立場になることで、ケアに関する新たな視点を得るとともに、これまで無視されがちだった「ホーム・ケアリスト」たちの声に耳を傾け、家庭でのケアを再評価し、社会全体の理解とサポートの輪を広げることを目指します。
また、「サテライト・コール・シアター」で生まれた物語たちは、来年以降、俳優たちによって演じられ、パフォーマンス作品につながっていくことを目標としています。
【参加対象】
・家庭での「ケア(介護や子育てなど)」に従事している方。
・劇作や執筆の経験がなくても参加可能。
・国籍・年齢・居住地・性別不問。但し、プロジェクト内での対話およびワークショップ等は全て日本語で行います。
【こんな人に参加してほしい】
- 自宅で子育てをしている
- 自宅で介護をしている
- 大切なペットのケアをしている
- わたしにとっては植物の世話こそがケアだ
- 家族のケアを担っている
- ケアにまつわる物語をつづりたい
- 我が子の目線から、自身のケアを想像してみたい
- 自身のケアの話を誰かに聞いてほしい
- 家での自分を客観的にみてみたい
- 他人の家でケアをしている などなど
【活動内容】
・創作に向けてのプレワークショップ(2回予定/2025年2月)への参加。
・ナラティブパートナーとの個別セッションを通じ、15分ほどのケアに関するモノローグを創作・執筆。(計6回予定/45分〜1時間程度/2025年3〜6月)
・2025年7月4日〜21日の間、1日2回15分ほど電話にてモノローグを話していただきます。(ペンネーム・匿名での参加も可能/電話料金がかかる場合は主催者負担 ※通信料は参加者負担となります)
【ナラティブパートナー】
ナラティブパートナーは、ホーム・ケアリストたちのモノローグ執筆過程に、メンター(相談相手)として寄り添うことが一番の仕事です。自らの経験値からアドバイスをするのではなく、あくまでも「傾聴」と「対話」を通して、ホーム・ケアリストたちの自発的な創作をサポートする役割です。また、編集者/ドラマトゥルク的な役割も兼ね備えています。「サテライト・コール・シアター」の期間中、ホーム・ケアリストたちが当事者として自身を「演じ直す」ことを踏まえ伴走します。(個別セッション6回のうち、前半3回は対話、後半3回はモノローグ執筆というイメージです。)
南野詩恵(みなみのしえ)
1986年 京都府在住。劇作家・演出家・衣裳作家。大学在学中より演劇衣裳を製作する。これまでに市原佐都子/Q、トリコ・Aプロデュース、康本雅子作品、瀧口翔×マルセロ・エヴェリン作品など様々なジャンルの舞台衣裳を製作。2016年、舞台芸術団体「お寿司」を立ち上げる。京都府を拠点とし、劇作・演出・衣裳を南野詩恵が担当し戯曲、衣裳、対話、多方向からのアプローチを重ね、多層に散る事象を再編集する演出手法を用いる。作品を必要としている人々と共に創作し、必要とすれば誰もが立てる場として舞台を位置付け、生地と文字を駆使して如何なる人と如何なる場でも創作、鑑賞が可能な作品の創造を目指す。 https://osushie.com/
佐々木将史(ささきまさし)
編集者。保育・幼児教育の出版社に10年勤め、2017年に滋賀へ移住。福祉をベースに、教育、デザイン、人事などの領域でフリーランスとして編集業に携わる。また、ローカルの法人の広報や、経営者の発信の支援なども行う。マガジンハウス「こここ」編集者。インタビューギフト「このひより」共同代表。保育士。4児(双子×双子)の父。
田村かのこ(たむらかのこ)
アートトランスレーター。アート専門の翻訳・通訳者の活動団体「Art Translators Collective」代表。人と文化と言葉の間に立つ媒介者として翻訳の可能性を探りながら、それぞれの場と内容に応じたクリエイティブな対話のあり方を提案している。札幌国際芸術祭2020ではコミュニケーションデザインディレクターとして、展覧会と観客をつなぐ様々な施策を実践。非常勤講師を務める東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻では、アーティストのための英語とコミュニケーションの授業を担当している。
内橋華英(うちはしかえ)
文筆家(在野/野良/在宅)。在野としてはライターとして日本の雑誌やWEB媒体に執筆、UA やVerana Brückner、Salyu 、とうめいロボ などへ作詞提供。野良としてはFrancesca Devalier の演劇作品に音楽制作で参加以降、数々のパフォーマンス作品を自作自演。そして在宅では小説『万能薬、としての孤独。』『ホモセンチメンタリス』を執筆、上梓(2022)。また『Picture Book Project #1, #2』では内橋和久と共にライブインスタレーションをプロデュース。2005年ウィーン移住、2012年からベルリン在住。創作はいつも家族のケアと二重奏。2024年よりインディペンデント・ライブスペースausland(Berlin)の運営/キュレーションに参加。
萩原雄太(はぎわらゆうた)
演出家、かもめマシーン主宰。1983年生まれ。愛知県文化振興事業団「第13回AAF戯曲賞」、「利賀演劇人コンクール2016」を受賞。公共と個人の身体との関係を描いた創作を行う。主な作品に、原発事故後、福島の路上で行った『福島でゴドーを待ちながら』、日本国憲法をテキストに使った『俺が代』、サミュエル・ベケットの『しあわせな日々』、ひとりの観客に対し、俳優が電話回線を通じて1対1で上演を行う『電話演劇シリーズ』など。
2018年、ベルリンで開催されたTheatertreffen International Forumに参加。19-20年、22-23年、24-25年セゾンフェロー1に採択。23年、Asian Cultural Council New York Fellowshipに採択され、ニューヨークに滞在。24年、中国の演出家・王梦凡、キュレーター・张渊、 劇作家の山本卓卓とともに日中当代表演交流会を開始。 ジョージタウン大学・Laboratory For Global Performance & Politics 2024-2026のGlobal Fellowに採択される。
https://www.kamomemachine.com/
【謝礼】
60,000円
※報酬はBUG、並びに、BUGを運営する(株)リクルートホールディングスからではなく、委託を受けた竹中香子氏の所属する一般社団法人ハイドロブラストよりお支払いいたします。
※謝礼は「サテライト・コール・シアター」終了時にお支払いいたします。
【実施期間/スケジュール】
2024年12月26日(木)応募〆切
2025年2月 全体ワークショップ2回
2025年3月〜6月 個別セッション6回(月に2回のペースで隔週を予定しています)
2025年7月4日〜21日 「サテライト・コール・シアター」出演(ご自身が創作したモノローグを読んでいただきます)
【主な実施会場】
すべてオンラインで開催します
【募集人数】
10名程度
【応募方法】
BUGのウェブサイト(bug.art)からご応募ください。
応募を希望される方は、サイト内のGoogle Formにてご提出ください。
①メールアドレス【必須】
②名前(漢字)【必須】
③名前(かな)【必須】
④10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代~
⑤ご職業・活動内容(任意)
⑥ご所属(任意)
⑦お住まいの都道府県
⑧電話番号
⑨簡単な自己紹介(ケアの経験についてなど)【必須】
⑩参加しようと思ったきっかけ(200字以上400文字以内)【必須】
【応募締切】
2024年12月26日(木)18:00
※募集人数を超える応募があった場合、応募いただいた内容を元に選考を行います。
※必要に応じて、オンラインで面談をさせていただく場合がございます。
※2025年1月10日(金)までに参加の可否をメールにてご連絡いたします。
【クレジット】
主催:BUG
共催・制作:一般社団法人ハイドロブラスト
企画:竹中香子
制作協力:一般社団法人ベンチ
※本企画はBUGが開催するアートワーカー(企画者向け)オンラインプログラム「CRAWL」の選出企画として開催されます。
表現の現場でのハラスメント対策に関して
表現の現場でのハラスメントが深刻化しています。ハラスメント防止ガイドラインを作成したり、事前にハラスメントに関する講習を受けるなど、事前の対策が進んでいます。しかし、個人的には、ハラスメントはひとりひとりの「心構え」で防げるものではなく、可視化されにくい創作環境の「構造」によって引き起こされてしまうものではないか、と感じています。この見えない敵と戦うためには、安心で安全な労働環境を担保する必要があります。このプログラムでは、人件費にかけるお金を節約しないということをモットーに準備を進めてきました。関わる人すべての創造性が搾取されない労働条件を設定し、ひとりひとりの心構えに頼らない、新しい「安心・安全」な創作環境を目指します。(企画者:竹中香子)
【プライバシーポリシー】
皆様の個人情報は、各種のお知らせ等の配信に利用いたします。詳細は当社のプライバシーポリシーをご覧ください。本サービスにおいてそれぞれ必要となる項目を記入、または入力いただかない場合は、本サービスを受けられない場合があります。当社は、原則として、ご本人の承諾なく上記目的以外に個人情報を利用または第三者に提供しません。ただし、アーティスト等のプログラム関係者には、アンケートへのご回答を個人が特定されない形で共有いたします。また当社は個人情報取扱い業務の一部または全部を外部委託することがあります。原則として本人に限り、「個人情報の利用目的」の通知、登録した個人情報の開示、訂正、追加または削除、利用停止、ならびに第三者への提供の停止を求めることができるものとします。具体的な方法については下記の個人情報管理の問い合わせ先にご連絡ください。
◆個人情報管理責任者:株式会社リクルートホールディングス リクルートアートセンター 責任者
◆個人情報に関するお問合せ先:https://bug.art/contact/
※土日祝は一部休みのため、ご返信が遅くなる場合がございます。あらかじめご了承ください。 当社のプライバシーポリシー及び上記に同意の上、必要となる項目を記入、または入力ください。
竹中香子/Kyoko TAKENAKA
一般社団法人ハイドロブラストプロデューサー・俳優・演劇教育
2011 年に渡仏。日本人としてはじめてフランスの国立高等演劇学校の俳優セクションに合格し、2016年、フランス俳優国家資格を取得。パリを拠点に、フランス国公立劇場を中心に多数の舞台に出演。2017年より、日本での活動も再開。俳優活動のほか、創作現場におけるハラスメント問題に関するレクチャーやワークショップを行う。2021年、フランス演劇教育者国家資格を取得。主な出演作に、市原佐都子作・演出『妖精の問題』『Madama Butterfly』。太田信吾との共同企画、映画『現代版 城崎にて』では、プロデュース、脚本、主演を担当し、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2022 にて優秀芸術賞を受賞。2024年初戯曲を執筆し、YAU CENTERにて『ケアと演技』を上演。太田信吾との共同演出作品『最後の芸者たち』は、Festival d’Automne Paris 2024のプログラムとしてパリで上演される。初の長編映画プロデュース、太田信吾監督作品『沼影市民プール』が、全国公開を控える。「演技を、自己表現のためでなく、他者を想像するためのツールとして扱うこと」をモットーに、アートプロジェクトの企画を行う。
一般社団法人ハイドロブラスト
2019年に、映画監督の太田信吾が映像と演劇を手掛ける団体として設立。2022年より、竹中香子がプロデューサーとして加入。企画ごとに役割を規定し、複眼的な作品創作を目指す。ハイドロブラストとは、高水圧をノズルから鋳物の表面に噴射し、掃除をする方法である。社会の中に規定された、あらゆる境界や断絶、固定観念を、芸術という手段を用い噴射することで霧散・除去・洗浄し、社会の多様性を担保することにつなげていきたいという思いで命名された。
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展覧会概要
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<タイトル> サテライト・コール・シアター
<会期> 2025年7月4日(金)– 7月21日(月)
11:00〜19:00 火曜休館 入場無料
<主催> BUG
BUG
〒100-6601 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー1F
Gran Tokyo SOUTH TOWER 1F, 1-9-2, Marunouchi, Chiyoda-ku, Tokyo
交通アクセス
JR東京駅八重洲南口から徒歩3分
東京メトロ京橋駅8番出口から徒歩5分
東京メトロ銀座一丁目駅1番出口から徒歩7分
※BUGには専用駐車場はありません。ご来館には公共交通機関をご利用ください。
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【本件に関するお問い合わせ先】
https://recruit-holdings.co.jp/support/form/
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