【受賞】2026年度土木学会 技術賞(Ⅱグループ※1)
北九州響灘洋上ウィンドファーム建設プロジェクト ― 不均質地盤を克服した大規模洋上風力発電施設
日鉄エンジニアリング株式会社(代表取締役社長:石倭行人、本社:東京都品川区、以下「当社」)は、ひびきウインドエナジー株式会社、電源開発株式会社、九電みらいエナジー株式会社、五洋建設株式会社とともに、北九州響灘洋上ウィンドファーム建設プロジェクト(以下「本プロジェクト」)における貢献が評価され、公益社団法人土木學會より技術賞を受賞しましたのでお知らせいたします。
本プロジェクトは、出力9.6MWの大型風車25基による最大出力 220MWの国内最大級の着床式洋上風力発電所です。風車の設置海域は、水深が8~30mと幅広く、地盤も軟らかい砂質土・粘性土から岩盤までが混在する不均質な海域です。そのため、風車基礎には、様々な水深や地質に対応可能な「ジャケット式」※2が採用されました。
その設計・製作にあたっては、本プロジェクトにおいて世界で初めて3種の杭施工法※3を併用するとともに、4本杭・8本杭の2タイプのジャケット式基礎を組み合わせて、岩盤を含む不均質地盤において最適な基礎構造を選定する設計手法を確立しました。複雑な条件の中であっても、設計上の工夫により25基を8種に集約し、設計・製作面の生産性向上を図っております。
さらに、岩盤における杭支持力評価については、砂岩・泥岩、花崗岩など岩盤種別によって極限周面摩擦力度が異なることを踏まえて、岩種・岩級ごとに引抜載荷試験を実施して合理的に支持力を評価する手法を確立しました。また、耐震設計では日本特有の地震条件に対応するため、風車ブレード形状を忠実に模擬した「多質点翼の解析モデル」を用い、かつ逸散減衰効果※4を考慮した高精度の解析手法を確立しました。
本件で確立した技術は、今後本格化する一般海域における国内特有の岩盤を含む不均質地盤・大水深海域における洋上風力発電開発に適用可能な基盤技術です。当社は洋上風力向け基礎の分野において、設計・製作・施工まで一貫した高い技術力を有するエンジニアリング会社として、引き続き脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
※1 Ⅱグループ
土木技術の発展に顕著な貢献をなし、社会の発展に寄与したと認められる画期的なプロジェクトに関わった団体。
※2 ジャケット式基礎
ジャケット式基礎とは、鋼管を格子状に組んだ立体トラス構造(ジャケット)を海底や地盤に打ち込んだ杭で固定する基礎形式です。杭を覆うように上からかぶせる構造(ジャケット=上着)であることから名付けられ、主に洋上風力発電や海洋石油プラットフォームで採用されます。
※3 3種の杭施工法
地盤種(中硬岩、軟岩、堆積層)に応じて3種の杭施工法(オールケーシング工法、RSプラス®工法、打撃工法)を適用しています。
※4 逸散減衰評価
構造物の振動エネルギーを周辺地盤に伝播・逸散させる効果(逸散減衰)を薄層要素法により評価しています。


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