【慶應義塾】異次元ナノ半導体界面に潜む量子光源の発見

-室温量子技術への応用に期待-

慶應義塾

理化学研究所(理研)開拓研究本部加藤ナノ量子フォトニクス研究室の方楠基礎科学特別研究員(研究当時、現客員研究員)、加藤雄一郎主任研究員(光量子工学研究センター量子オプトエレクトロニクス研究チームチームリーダー)、筑波大学数理物質系ナノ構造物性研究室の岡田晋教授、東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻の長汐晃輔教授、慶應義塾大学理工学部物理学科の藤井瞬助教らの共同研究グループは、1次元と2次元という異なる次元性を持つナノ半導体の界面において室温で動作する量子光源が存在することを発見しました。

本研究成果は、量子通信や量子計算などの量子技術への応用に貢献すると期待されます。

今回、共同研究グループは、1次元半導体であるカーボンナノチューブと2次元半導体であるセレン化タングステンを用い、これらのナノ物質の構造を原子レベルで明らかにした上で異次元ヘテロ構造を作製しました。バンドエンジニアリングの概念に基づいて電子と正孔が分かれやすいヘテロ構造を特定し、その発光特性を調べたところ、室温で明るい量子発光を示す界面励起子が存在しました。異次元ヘテロ構造の界面励起子が量子光源として振る舞うことは想定外であり、室温で動作する通信波長帯の単一光子源として量子技術への応用に新たな道を開く可能性があります。


本研究は、科学雑誌『Nature Communications』オンライン版(4月11日付、日本時間4月11日)に掲載されました。


▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/4/12/240412-1.pdf

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設立
1858年10月