不登校初期、「朝起きられない」我が子に体の病気を疑った親は1割強──保護者に 聞く、当初の捉え方と受診の実態
ずは「気持ちの問題」と捉える親が多数。自分や子どもを責めないための「身体的アプローチ」という新たな視点
「朝起きられない」「午前中に体調が悪い」といった症状を伴う不登校の背景には、起立性調節障害(OD)などの身体的な疾患が隠れていることがあります。一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、年間30日以上の欠席(不登校)を経験した小学生〜高校生の子どもを持つ保護者を対象に、「不登校初期の捉え方と受診」に関する調査を実施しました。その結果、子どもの欠席が増え始めた当初、多くの親が身体的な不調に気づきながらも、その原因を「気持ちの問題」や「怠け・甘え」と捉えてしまい、受診に至るまで時間がかかっている実態が浮き彫りになりました。本調査結果を通じて、不登校初期における親の葛藤に寄り添いながら、子どもの不調を「体の問題」として捉え直すヒントを提示します。
調査背景
毎年秋に文部科学省から公表される調査結果の通り、不登校の児童生徒数は増加の一途をたどっています。不登校のきっかけは多岐にわたりますが、中には「学校に行きたいのに行けない」「朝、どうしても体が動かない」といった、起立性調節障害(OD)をはじめとする身体的な不調が起因しているケースが少なくありません。しかし、見た目には分かりづらい症状であるため、周囲からは「サボっているだけ」「気合いが足りない」と誤解されやすく、保護者自身も自責の念に駆られてしまうことがあります。「不登校初期の家庭内で、子どものSOSはどのように受け止められているのか」、そして「医療や専門機関への繋がりにはどのような壁があるのか」を明らかにするため、不登校経験のある家庭に焦点を当てた本調査を実施しました。
調査サマリー
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欠席が増え始めた頃に見られた様子は「朝なかなか起きられない」25.3%、「起きても体がだるそう」17.5%が上位
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不調の理由について、「体の不調が原因」と疑った親はわずか13.1%。一方で「気持ちの問題」22.6%、「怠けや甘え」11.9%と精神論で捉える傾向が強い
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相談・受診先は「担任の先生」29.2%が最多。一方で「どこにも相談・受診していない」が12.0%存在
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医療機関を受診するまでの期間は「受診していない」が36.2%で最多。受診者のうち「1〜3か月未満」が31.9%
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受診した結果、約3割が「起立性調節障害(疑い含む)」と言われている一方で、約2割は「特に異常はない」と言われている
詳細データ
Q1:欠席が増え始めた頃、お子さまに見られた様子を教えてください

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朝なかなか起きられない:25.3%
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起きても体がだるそう:17.5%
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夜なかなか寝つけない:10.2%
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午後や夕方になると元気になる:9.9%
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頭痛:7.8%
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その他:29.3%(立ちくらみやめまい:6.9%、腹痛や吐き気:6.3%、顔色が悪い:5.4% など)
→ 欠席が増え始めた初期段階で、全体の4割以上の子どもに「朝起きられない」「体がだるい」といった明確な身体的サインが現れていたことがわかります。「午後や夕方になると元気になる」という起立性調節障害に特有の変動を示すケースも約1割見られ、身体のSOSが早くから発信されている様子がうかがえます。
Q2:欠席が増え始めた頃、その理由をどのように捉えていましたか?

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気持ちの問題だと思っていた:22.6%
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友人関係が原因だと思っていた:16.3%
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夜更かしやスマホ・ゲームが原因だと思っていた:13.5%
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体の不調が原因だと思っていた:13.1%
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怠けや甘えだと思っていた:11.9%
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その他:22.6%(先生との関係が原因だと思っていた:7.9%、勉強が原因だと思っていた:6.3%、理由はわからなかった:6.0% など)
→ 子どもに身体的なサインが出ているにもかかわらず、「体の不調が原因」と認識できていた保護者は13.1%にとどまりました。多くの保護者が「気持ちの問題」や「怠けや甘え」と本人の内面に原因を求めており、身体疾患の可能性に思い至ることが難しい、不登校初期の保護者の戸惑いと苦悩が見て取れます。
Q3:これまでに相談・受診した先を教えてください

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担任の先生:29.2%
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スクールカウンセラー:13.7%
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どこにも相談・受診していない:12.0%
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小児科:11.6%
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心療内科・精神科:9.9%
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その他:23.6%(心療内科・精神科:9.9%、養護教諭:6.7%、教育支援センター:5.3% など)
→ 不登校の初期対応として、まずは身近な「担任の先生」や「スクールカウンセラー」といった学校関係機関に相談するケースが中心となっています。医療機関への相談は後手に回りがちであり、誰にも相談できていない家庭も一定数存在することが、適切なサポートへのアクセスの難しさを物語っています。
Q4:欠席が増え始めてから、医療機関を受診するまでにどのくらいかかりましたか?

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受診していない:36.2%
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1〜3か月未満:31.9%
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1か月未満:15.6%
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6か月〜1年未満:8.5%
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3〜6か月未満:6.4%
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1年以上:1.4%
→ 医療機関を「受診していない」層が3割以上を占めています。受診に至った家庭でも、「1〜3か月未満」が最多となっており、様子見の期間が長くなる傾向にあります。初期段階で「身体の病気かもしれない」という視点がないことが、受診の遅れに繋がっていると考えられます。
Q5:受診の結果、どのように言われましたか?

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受診していない:35.5%
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起立性調節障害の疑いがあると言われた:20.6%
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特に異常はないと言われた:19.9%
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別の病気と診断された:12.8%
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起立性調節障害と診断された:11.3%
→ 受診した家庭のうち、疑いを含めて「起立性調節障害」と言われたケースが3割を超えました。一方で、「特に異常はない」と言われたケースも約2割にのぼり、一般的な検査では異常が見つかりにくく、確定診断に至るまでのハードルの高さが浮き彫りになっています。
調査結果のまとめ
今回の調査から、不登校の初期段階において、子どもが発する「起きられない」「だるい」といったサインを、保護者が「気持ちの問題」や「怠け」と捉えてしまうケースが多いことがわかりました。親自身が「自分の育て方が悪いのではないか」「甘やかしているのではないか」と悩み、本人を責めてしまうことは決して珍しくありません。しかし、その背景には起立性調節障害(OD)などの「体の病気」が隠れている可能性があります。不登校を単なる精神論で片付けるのではなく、まずは「身体の不調かもしれない」という視点を持ち、適切な医療やサポートへ早めに繋がることが、子どもと保護者双方の負担を和らげるための第一歩となります。
一般社団法人 起立性調節障害改善協会のコメント

子どもが学校に行けなくなったとき、多くの親御さんは「怠けているだけでは」「心が弱いからだ」と悩み、時には子どもを厳しく叱咤してしまうことがあります。しかし、今回の調査が示すように、不登校の背景には身体的な不調が隠れていることが少なくありません。親御さんが自分自身や子どもを責める必要はありません。まずは「これは体の病気かもしれない」という新たな視点を持ってみてください。不調を身体的な疾患として捉え直すことで、親子の摩擦が減り、前向きなサポートへと踏み出すことができます。私たちはこれからも、正しい知識の普及を通じて、ご家庭が孤立せずに適切な支援へ繋がるためのサポートを続けてまいります。
調査概要
調査主体:一般社団法人 起立性調節障害改善協会
調査期間:2026年10月21日~2026年10月29日
調査対象:年間30日以上の欠席(不登校)を経験した小学生〜高校生の子どもがいる全国の保護者
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答数:141名
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