第205回 景気動向調査 定例調査(7~9月期)
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進む物価高 燻るトランプ関税:売上DI△2.2ポイント 収益DI△2.1ポイント
総合では、売上DIは-7.4(前回比△2.2ポイント)、収益DIは-13.2(前回比△2.1ポイント)となり、それぞれ前回比で下落しました。売上DIは、製造業が-13.7(前回比△1.6ポイント)、小売業が-16.4(前回比△8.2ポイント)、サービス業が-11.4(前回比△19.4ポイント)、運輸業が19.4(前回比△12.8ポイント)、不動産業が-6.4(前回比△6.4ポイント)となり、8業種中5業種が前回から下落しました。仕入単価の上昇は止まるところを知らず、一応の決着を見たトランプ関税による今後の影響も燻っており、消費者に近い業種では継続的な価格転嫁が難しく、収益性の悪化が懸念されます。
2025年10-12月期は、売上DIが5.1ポイント、収益DIが3.7ポイント上昇し、販売価格DIは2.6ポイント、販売数量DIは4.5ポイント上昇すると予想し、年末商戦への期待が伺えます。

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設備投資回復も業種間バラツキ:「予定あり」16.1%(前回比+3.0ポイント)
設備投資は、総合では「実施中」が13.6%(前回比△0.9ポイント)、「予定あり」が16.1%(前回比+3.0ポイント)で合計29.7%となり、製造業や小売業、建設業で設備投資意欲は高くなりました。
特に、「予定あり」が前回比増加したのは、製造業(前回比+4.8ポイント)、小売業(前回比+13.3ポイント)、建設業(前回比+7.9ポイント)、卸売業(前回比+0.7ポイント)の4業種となり、業種間でバラツキが見られました。

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経営上問題点「人手不足」上昇:「人手不足」41.0%(前回比+2.3ポイント)
経営上の問題点は、総合では「仕入単価上昇」が69.0%(前回比±0.0)、「売上停滞減少」が48.6%(前回比△2.8ポイント)、「一般経費増大」が46.6%(前回比+0.6ポイント)、「人手不足」が41.0%(前回比+2.3ポイント)となり、人手不足問題が前回から上昇しました。特に飲食業や建設業、運輸業では大きく上昇しており、人手の確保に懸命な状況が伺えます。

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来春「採用(増員する)」上昇:「増員する」+2.5ポイント
来春の採用について、「採用する」は32.6%(昨年比+2.5ポイント)となり、人手不足を背景に採用を予定する企業が増加していまし。しかし、止まらない物価高、過去の賃上げ、難しい継続的な価格転嫁の現状を考えると、採用に必要な人件費の確保は難しく、どこまで対応可能か不透明です。

詳細はこちらからご覧ください。
https://www.osaka-shinkin.co.jp/pdf/report/202509_teirei.pdf
調査時点:2025年8月下旬~9月上旬
対象期間:2025年7~8月期(実績)・9月(予想値) 2025年10~12月期(見通し)
対象企業:当金庫お取引先1,599社(大阪府内、尼崎市)
回答企業数:703社(回答率43.9%)(調査票郵送・Webで回答)
調査方法:調査票郵送および聞き取り調査
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