アフリカの農村で泊まり込み取材しよう!『Global Media Camp in ベナン』参加者募集
“本当”のアフリカは農村にある! ジャーナリストになる夏
その国を少しでも深く知ろうと思ったら、やっぱり田舎に行かないとね。世界が均一化していくなかで都市はどの国も似たり寄ったり――。
こんなふうに感じたことはありませんか?
この夏に西アフリカのベナンで開講する、途上国を取材し、記事を書き、発信するプログラム『Global Media Camp in ベナン』では農村で泊まり込み取材をします。
拠点となるのは、ベナン最大の都市コトヌーから2時間のところにあるトタ村(クッフォ県ドボ市)です。人口はおよそ4000人。
村人の多くは農作物(トウモロコシ、豆類、キャッサバ、トマト、オクラ、タマネギ)を作ったり、食べ物・飲み物・日用品(タオル、歯ブラシなど)を頭の上に載せながら売ったり、服を仕立てたり、髪をセットしたりして生計を立てています。
何をどんなふうに売って、いくらぐらいの稼ぎがあるのか(そもそも自分の収入を把握しているのか)。報告書を読むだけでなく、生の暮らしぶりについて現地取材で深めたいですよね。
トタ村では、水道も、電気も(公共の電気が通っている場所もあります)、ガスもない暮らしが一般的です。
水は、公共の井戸が近くにあれば、そこでくんで家に運びます。遠ければ何キロも歩かないといけません。重労働。このため洗い物や洗たくに使う目的で雨水をカメに貯める家も多いです。
電気を得るために、小さなソーラーパネルを家のトタン屋根(雨漏りもひんぱん)に置くことも。公共の電気が来ていなくても、携帯電話の充電はソーラーで。電気へのアクセスがない人は、電気のある人へお金を払って充電を頼みます。
ちなみに村で普及している携帯電話は最新のスマホからガラケーまでさまざま。目に見える生活格差が始まっているといえるかもしれません。資本主義の波。
毎日の食事は、ガスではなく炭を熱源に作ります。スローライフと羨ましい半面、炊事だけでなく、日々こなさないといけない家事の量は膨大。携帯電話はあっても、ガスコンロ、炊飯器、洗濯機、掃除機、電子レンジなどはない生活‥‥。日本をはじめ先進国では「生活家電が女性を家事労働から解放させた」といわれるなか、これは何を意味するのでしょう。
トタ村ではまた、ベナンが発祥地といわれるブードゥー教も、村人のあいだに根付いています。毎週日曜日に開かれる儀式にも参加できます。とてつもなく貴重ですよね! もちろん取材も可能!
アフリカの農村の暮らしぶりをこうして文字で並べたところでいまひとつピンときませんよね。かといって現地へ行っただけでも、視覚が拾う情報は微々たるもの。そこで提案です。
トタ村に1週間ほど泊まり込んで、村の生活を体験するだけでなく、村人たちをとことん取材してみませんか? 短期間の滞在で少しでも現地を深く知ろうと思ったら、取材は有効です。
ローカル言語であるアジャ語やフォン語、またはフランス語ができなくても大丈夫。参加者ひとりひとりに英語を話すベナン人の通訳をつけます(個々で取材できるように)。
高層ビルやショッピングモールなどの建設ラッシュ、車やバイクによる交通渋滞、スマホの普及に象徴されるように、経済発展がすさまじいサブサハラ(サハラ砂漠以南の)アフリカの都市部。ですが世界銀行によると、人口のおよそ58%がいまも農村に住んでいます。生活スタイルも価値観も均一化していく都市とは違った“本当のアフリカ”がそこにはあります。
■『Global Media Camp in ベナン』の概要
◎場所:ベナン・クッフォ県ドボ市トタ村
◎期間:2024年9月20日(金)~9月29日(日)
◎料金:一般24万9800円、学生22万9800円
*渡航費(5月23日時点で往復21万円台から)、ビザ代(50ユーロ)、黄熱病の注射代(1万円程度)、保険代(3700円台から)、観光・村の生活体験(オプションとなるもの)は含まれません
*含まれるもの:講習費、宿泊費、コトヌーと村の移動費、宿泊先と取材先の移動費、通訳の費用、その他取材費用、食事代(朝、昼、夕。飲み物やデザートなどは除く)
*ganasサポーターズクラブのパートナーは3万円、サポーターは2万円の特別割引があります
*7月20日(土)までのお申し込みは「早割」として1万円割引
*ご友人同士で申し込むと「友だち割」として、それぞれに5000円キャッシュバック
*特典として、2024年秋に開講予定の「グローバルライター講座」(5万5000円相当)または「77日記者研修」(6万9000円相当)を特別に2万円で受講できます
◎〆切:2024年8月20日(火)
*7月20日(土)までのお申し込みは「早割」として1万円割引
◎主催:特定非営利活動法人開発メディア(ganasの運営団体)
■『Global Media Camp in ベナン』の基本的なスケジュール(予定)と取材先候補
9/20(金)コトヌーに集合
9/21(日)コトヌーからトタ村へ移動、取材、記事の執筆&フィードバック
9/22(月)記事の執筆&フィードバック、村の生活体験
9/23(火) 取材
9/24(水) 記事の執筆&フィードバック、村の生活体験
9/25(木)取材
9/26(金)記事の執筆&フィードバック、村の生活体験
9/27 (土)取材、記事の執筆&フィードバック、フェアウェルパーティー
9/28 (日)トタ村からコトヌーへ移動、記事の執筆&フィードバック
9/29(日) ふりかえり、現地解散(昼ごろを予定)
下のような取材先・テーマを候補として考えています(ご希望があればお気軽にお問い合わせください)。
↓↓↓
ブードゥーの女性のシェフ(最高指導者)、大盛況の豚肉屋、なんでもオーダーできる大工、多くの見習いをもつ仕立屋、頭に巻く伝統的なターバンを作る女性、ソダビ(ベナンを代表する、ヤシが原料のお酒)の蒸留所、ベニエ(ピーナツから作った揚げ菓子)とピーナツ油を作る女性たちなど。
■『Global Media Camp』に参加すると得する3つの理由
1)途上国を取材できる!
‥‥『Global Media Camp』は、途上国を本格的に取材でき、記事を書き、それを発信する唯一無二のプログラムです。スタディツアーのように、担当者からレクチャーをひたすら受けるのではありません。参加者自らが取材対象に自由に質問します。
2)スキルアップできる!
‥‥ネタ(良い話も悪い話も)や視点(切り口)を見つける力、情報を引き出すために質問する力、物事を掘り下げる力、要点をまとめる力、伝わる文章を書く力など“一生モノのコミュニケーションスキル”の向上を目指します。頑張った実績として、現地取材をベースにした「署名記事」が残ります。記事には1万以上の「いいね!」が付いたことも。
3)途上国を「複眼の視点」で見られる!
‥‥「途上国=貧困 or 幸せ」などと決めつけていいのでしょうか? 物事に対する見方はさまざま。『Global Media Camp』では複眼の視点で物事をとらえる方法を学びます。世の中には自分が知らないこと、自分自身で無意識に決めつけてしまっていることがたくさんあります。取材も含め、現地の人と話す時間をたっぷりとっていますので、疑問を直接ぶつけてみてください。脱ステレオタイプを目指しましょう!
■『Global Media Camp』で得られる5つのスキル
1)発見力
‥‥記事を書くには「ネタ&切り口」が不可欠です。毎日の取材ではまず、具体的なネタ探しと格闘します。ネタは、問題や長所を指す場合も少なくありません。ネタ探しの日々は「見つける力」(発見力)を向上させます。
2)質問力
‥‥ネタ&切り口を見つけたらおしまい、ではありません。関係する情報をいかに集めるか(インプット)が重要。質問の仕方によって、得られる情報の質・量、ひいては記事の内容・レベルは大きく変わります。取材現場では毎日、記事を書くために必要なたくさんの質問をします。質問力(情報を聞き出す力)を集中的に鍛えます。
3)考察力
‥‥質問による情報収集(インプット)・ブレインストーミング・記事執筆(アウトプット)・講師からのフィードバックを繰り返すことで、物事を掘り下げる体験をします。「これまで見えなかったこと」が見えるようになることも。ここでカギとなるのは、“関係が一見なさそうなもの同士”をつなげて考える発想です(たとえば「宗教」+「SNS」=どうなるでしょう?)。意外なこと・つながりを見つけた瞬間はまさに快感!
4)要約力
‥‥要点をまとめる力もつきます。言いたいことが不明瞭な長い話は、とりわけ社会に出ると聞いてもらえません。内容を薄めずに/抽象化せずに、いかに簡潔に表現できるか。これは記事(特に見出し、リード)の書き方に通ずるものがあります。要約力はいま注目のスキルのひとつ。これを毎日特訓します。
5)文章力
‥‥カッコいい/美しい文章よりも、いかに伝わるか/読まれるかが大事ですよね? そのテクニックを学びます。文章力はコミュニケーションスキルの基本。レポートやエントリーシート(ES)の作成にも当然役立ちます。とりわけ最近は、電話よりも、メールを書く機会が激増しているだけに、文章で伝える重要性は高まっています。
■『Global Media Camp』参加者の声(抜粋)
「“小手先の文章力”以上に必要なのは、深くて細かい情報をとってくる『インタビュー力』。インタビューする際に、『たぶんこうだろう』と決めつけないで、なんでも質問したほうが面白くて正確な記事になる。別の国のプログラムにまた参加したい」(山本在さん、学生)
「個人では行きにくい国に行けて、しかも通訳付きで取材できるのはその国のことを知れておもしろい。『ベナンのことはベナン人が良く知っている。ベナン人に聞け』という言葉が身にしみた」(小林由茉さん、学生)
「外国人とここまで蜜にコミュニケーションをとったことはなかった。良い記事を書くためには、少しでも多くその国のことを知ることが必須だから、必死に取材した」(成田丈士さん、学生)
「西アフリカ・ベナンの水上集落は、家にお邪魔したり、コミュニティのリーダーに取材できたりと刺激的だった。取材中にどれだけ質問しても、記事にすると、その1割ぐらいしか使えない。伝えようと思ったら、細かく質問しないとダメだと痛感した」(大野咲希子さん、学生)
「『アフリカの人=生活に困って援助を求める人』というイメージをもっていた。だがそれは間違いだと気づいた。自分で事業を立ち上げ、夢を追う人たちとたくさん出会った。取材では、旅行とは比べられないほど濃い話ができる。ベナンを知ることは楽しかった」(田中芙美子さん、学生)
「取材を通して学べたのは、相手の話の点と点を結びつけ、ストーリーとして発信する力。魅力的な他の参加者に出会えたのも財産」(福原康平さん、学生)
「書くことに興味がある人に勧めたい。旅行では行けない場所・会えない人を取材できるので。ganas編集長にも直々指導してもらえる」(山口実咲さん、社会人)
「西アフリカと旧宗主国フランスの関係の根深さ、植民地時代から引きずっているものがまだあることに驚いた」(近藤史哉さん、学生)
■ベナン(トタ村)のここが興味深い!
☑フランスが支配する前のダホメ王国は奴隷貿易で栄えた国。黒人自身が黒人を奴隷狩りしていた。
☑ダホメ王国を滅ぼすために闘った兵士の多くは黒人だった。特にヨルバ人の敵意がダホメ王国を凋落させ、フランスの植民地化につながった。
☑アフリカからフランスが略奪した美術品をベナン(かつてのダホメ王国)に返還したようすを写したドキュメンタリー「ダホメ」が、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で最高賞「金熊賞」に輝いた。
☑ベナンは多民族国家。およそ25%を占めるフォン人を筆頭に、ヨルバ人、バルバ人、アジャ人、プール人、ソンバ人など46の民族がいる。
☑コトヌー郊外にはアフリカ最大の水上集落ガンビエがある。「アフリカのベネチア」の異名をとる。奴隷として売られることから逃れるために作ったといわれる。
☑ハイチ(カリブ海の国)革命を支えたのは、フォン人の奴隷の末裔たち。「ハイチ建国の父」のトゥーサン・ルーヴェルチュールはフォン人の血を引く。ちなみにハイチはラテンアメリカ最初の独立国(1804年)で、ベナンの独立(1960年)より156年も早い。
☑ベナンはブードゥー教発祥の国。ハイチへ奴隷として連れていかれたフォン人らは農園から逃げ出し、山間部などに共同体を作った。そこで発展させたのがブードゥー教。ブードゥー(英語)をベナンでは「ヴォドゥン」と呼ぶが、これはフォン人の言語で「精霊」の意味。
☑ブードゥー教を、カトリック教会は植民地時代に「奴隷の邪教」として弾圧。20世紀初めにハイチを占領した米国も、ハリウッド映画などでゾンビを気色悪い存在として取り上げ、ブードゥーのイメージダウンを図った。
☑ヴォドゥン(ブードゥー教)は1992年からベナンの国教だが、ベナンは多宗教の国でもある。駐日ベナン大使館によると、ブードゥー教 58%、キリスト教 25%、イスラム教 17%。キリスト教の中にもベナン発祥の「セレス」という一派がある。
☑アフリカの歌姫アンジェリーク・キジョーを生んだ国。創造的な音楽が魅力的。アフリカの女子教育を支援していることでも有名な歌手。東京オリンピックの開会式でも歌った。
☑ベナンは1960年に独立した若い国(ちなみに国民の半分が15歳以下の子ども、と人口構成的にも若い)。当時の国名はダホメで、ベナンになったのは1975年。社会主義(マルクス・レーニン主義)を1989年12月に放棄した国としても知られる。
☑ベナンのパトリス・タロン大統領は「コットンキング(綿花王)」と形容される大富豪。一言付け加えると、ベナンの輸出品トップは綿花! ベナンの綿花が中国に運ばれ、そこで“ベナンの伝統的な生地(パーニュ)”が作られ、それがベナンに輸入されているとの話も。ちなみにタロン大統領はかつて、丸紅に勤めていた。
☑ベナンには固有の通貨がない。西アフリカ共通の通貨であるセーファー(CFA)フランを使う。ユーロとの固定相場制なので為替リスクが低い半面、フランス支配がいまも続いていると反対する活動家もいる。
☑日本で有名なベナン人といえば、ビートたけしの元付き人・タレントで、TV番組「ここがヘンだよ、日本人」で人気を博したゾマホン氏。前駐日ベナン大使。ベナンに日本語学校を建ててきた。
■『Global Media Camp』はこんな方におススメ(社会人&学生)
◎途上国を掘り下げたい人
・途上国の人と深い話をしたい!
・多様な途上国を多角的に見る方法を学びたい!
・途上国で将来、仕事したい!
・過去(歴史)と現在、未来のつながりを取材であぶり出したい!
・フィールドワークをやってみたい!
・途上国の若者と仲良くなりたい(友情は、その国をウォッチし続ける「基盤」となります)!
・JICA海外協力隊に興味がある!
◎メディア・広報・コミュニケーションに関心のある人
・メディアに疑問を感じるから、自分で取材・記事執筆に挑戦してみたい!
・自分の足で取材した途上国のことを多くの人に発信したい!
・ジャーナリストの動きを体験してみたい!
・「ネタや切り口を見つける力」「質問する力」「深掘りする力」「要点をまとめる力」「伝わる文章力」を高めたい!
・英語(コロンビアだけは日本語も可能)を使って、取材にチャレンジしてみたい!
・ESなどでアピールできる実績を積みたい!
『Global Media Camp』は2014年の春以来、フィリピン(セブ、ネグロス)、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、コロンビア、ベナン(コトヌー、トタ村)、インド(プネー、コルカタ)、タイ、ルワンダの9カ国12カ所で合計38回開いてきた実績をもちます。参加者は合計196人。年齢は18~59歳と幅広いです。
大学生の場合、参加者が多いのは慶応大学、東京外国語大学、上智大学、早稲田大学、神戸市外国語大学、明治大学、立教大学、青山学院大学、東京大学、筑波大学、法政大学、横浜国立大学、大阪大学、北海道大学、立命館大学、中央大学、津田塾大学、東京女子大学、ICU、日本大学、同志社大学、奈良女子大学、茨城キリスト教大学、名古屋大学など。
社会人ではJICA職員、NGO職員、会社員、大学教授、公務員、医師、看護師、会社経営者、青年海外協力隊の経験者・候補者・志望者、地域おこし協力隊、フリーランサーなどにご参加いただいています。
■講師
長光大慈(ganas編集長)
途上国・国際協力に特化したNPOメディア「ganas」編集長/特定非営利活動法人開発メディア代表理事。上智大学法学部を卒業後、アジア最大の日本語媒体であるNNA(現在は共同通信グループ)のタイ支局とフィリピン支局を立ち上げる。電気新聞記者、フリーライター、デベックス・ジャパン・メディア部門責任者などを経て現職。合計10年以上の海外在住経験(米国、タイ、フィリピン、インドネシア、ベネズエラ)、およそ50カ国の渡航経験をもつ。青年海外協力隊のOBでもある。ハンモックのコレクター。
■現地コーディネーター
エケ陽子(NGO「SaluTota」副代表、ベナン・トタ村在住)
オーストラリアの大学の看護学部卒。日本での看護師歴はトータルで15年。鹿児島県の喜界島や徳之島、沖縄本島などで働く。その後はJICAの青年海外協力隊員(職種:看護師)としてベナン南西部のクッフォ県トタ村で活動。日本への帰国後に、任地で出会ったベナン人の男性と結婚。2児を授かる。2023年3月にトタ村へ移住。NGO「SaluTota」(サリュトタ)を立ち上げ、村の女性たちと一緒に、子どもを学校へ通わせるための収入源をつくることを目指す。
■主催団体
特定非営利活動法人 開発メディア
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・所在地:埼玉県入間市小谷田1666-4-412
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