オマーンにおける造水事業受注について
アラビア半島の東端に位置し、日本にとってエネルギー安全保障上の大動脈にあたるホルムズ海峡を擁するオマーンでは、人口増加と経済発展を背景に、現在の1日約70万立方メートルの水需要は、今後も年率2~3パーセントで増加し続けると予測されます。特にマスカット市を中心とする首都圏地区は、需要が一層増大しており、それに応えるべくオマーン政府は複数のIWPを計画しています。本案件は、オマーンにおける大型IWP としては第一号案件であり、約80万人分相当の生活用水を供給する予定です。
具体的な事業内容は、1日約19万立方メートルの能力を持つ造水プラントを建設し、20年間にわたり同プラントの保守運転を含む事業運営を行うBOO (Build, Own & Operate)事業であり、2014年9月の商業運転開始を予定しています。総事業費は最大約300億円を見込んでおり、資金調達については本邦金融機関によるプロジェクトファイナンスを計画しています。住友商事はマラコフ社とともに主要株主として事業会社にそれぞれ45パーセントずつ出資し、主体的に事業運営に関わります。保守運営についてもO&M (Operation & Maintenance)会社を設立し、同様に主体的に関与します。
共同事業者であるマラコフ社はマレーシア、中東および北アフリカ地区にて、幅広く電力・造水事業を展開するマレーシア最大の事業者で、当社の出資するバーレーンの民活型発電・造水事業 (IWPP(注2))事業のパートナーです。カダグア社は、スペイン有数のゼネコンであるフェロビアルアグロマン(空港、道路、建設土木事業を展開)の中核企業であり、造水および下水処理施設の設計、施工、維持管理を得意とするエンジニアリング会社です。プラントの建設にはカダグア社と、住友商事が出資するインドの大手総合水エンジニアリング会社、ワバック社を起用します。
住友商事は、世界各地で生活環境の改善に貢献する水インフラの整備を地域特性に合致する最適なスキームを通じて実現することを基本戦略として、積極的に取り組んできました。水資源の限られる中東湾岸諸国においては、人口増加や経済発展に伴い益々水需要の増大が見込まれており、安定的な水供給を通して地域社会の発展に一層貢献します。また、住友商事の持つ総合力を最大限に発揮し、世界規模の水問題解決に貢献するメジャープレイヤーを目指します。
(注1) IWP : (Independent Water Producer)民活型造水事業
(注2) IWPP : (Independent Water Power Producer)民活型発電・造水事業
■Malakoff Corporation Berhadの概要
- 社 名 : Malakoff Corporation Berhad
- 所 在 地 : (本社)Kuala Lumpur, Malaysia
- 事業内容: 発電、造水事業の開発、運営
- 資 本 金 : 約40億リンギット(約1000億円)
- 総資産額: 約220億リンギット(約5500億円)
- 株主構成: MMC Corporation子会社(51パーセント株式保有)
- 設立時期: 1975年
■Cadagua, S.Aの概要
- 社 名 : Cadagua, S.A
- 所 在 地 : (本社)Madrid, Spain
- 事業内容: 造水プラント、上下水関連プラントの設計、施工、建設、運営管理
- 資 本 金 : 65百万ユーロ
- 総資産額: 256百万ユーロ
- 株主構成: Ferrovial Agroman S.A. 100パーセント子会社
- 従業員数: 約440名
- 設立時期: 1971年
■写真 : プラント予定地、プラント完成予想図
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