KlimaDAO JAPAN・JPYC・三菱UFJ信託銀行・Progmat・オプテージの協業による、国産ステーブルコインのデジタルカーボンクレジット決済活用に向けた共同検討開始について
三菱UFJ信託銀行株式会社(取締役社長:長島 巌、以下 三菱UFJ信託銀行)、Progmat, Inc.(代表取締役: 齊藤 達哉、以下Progmat社)、JPYC株式会社(代表取締役:岡部 典孝、以下 JPYC社)、KlimaDAO JAPAN株式会社(代表取締役:濱田 翔平、以下 KlimaDAO JAPAN)、株式会社オプテージ(代表取締役社長:名部 正彦、以下 オプテージ)は、「Progmat Coin(プログマコイン)」基盤を活用して発行されるステーブルコイン(以下SC)「JPYC(信託型)*1」を、デジタルカーボンクレジット(以下Dカーボン)決済に活用するための共同検討(以下本共同検討)を開始いたしました。
KlimaDAO JAPANが開設予定のブロックチェーンを活用したDカーボンマーケットプレイス「KlimaDAO JAPAN MARKET」と「Progmat Coin」基盤が連携し、オプテージが企業向けインフラを提供することで、本邦初となる高い透明性・信頼性・効率性を担保したカーボンクレジットの企業間売買が実現可能となります。さらに、KlimaDAOが既にグローバルで展開しているマーケットプレイス「Carbonmark」と連携し、決済に各種国産SCを用いることで、クロスボーダーで世界規模の流動性創出を目指します。
1.目的と背景
全世界のカーボンクレジット市場規模は約39兆円超、そのうち企業や個人が自主的に購入するカーボンクレジットであるボランタリークレジット(以下VC)の市場は約450億円と現時点では規模が小さいものの、2030年には最大27兆円に達する可能性があり、成長ポテンシャルの高い市場となっています。日本だけでも、カーボンクレジット市場規模は2030年には3,000億円に達するとの予測もあります。
日本では、2023年10月より東京証券取引所がJ-クレジットの売買市場を開設したものの、現時点で売買金額は限定的で、VCのマーケットプレイスは存在はしているものの、まだ開始したばかりで、流動性もそれほど高くありません。そのような中でKlimaDAO JAPANは、既にグローバルで展開されているDカーボンのマーケットプレイス「Carbonmark」の基盤を利用し、J-クレジットおよび日本発のVCに対応したDカーボンのマーケットプレイス「KlimaDAO JAPAN MARKET」を新たに開設し、段階的にグローバルベースの流動性を提供する計画です。
Dカーボンは、KlimaDAO JAPANが企業・自治体から買い取ったJ-クレジット等に対する引渡請求権を、グローバルにアクセス可能なパーミッションレスブロックチェーン上のトークンとして発行するものです。当該ブロックチェーンにアクセスしDカーボンを管理するために必要な企業向けインフラをオプテージが提供し、銀行送金等での資金決済とすることで、まずは企業が取引参加しやすい環境で市場開設する想定です。
【マーケットプレイス・フェーズ1】
本共同検討では、「Progmat Coin」基盤の開発を主導するProgmat社、信託型SCスキームにおける受託者である三菱UFJ信託銀行、「JPYC(信託型)」の発行依頼者兼仲介者であるJPYC社、前述のKlimaDAO JAPANおよびオプテージの5社が連携し、「マーケットプレイス・フェーズ2」として、国産SCを活用したDカーボン取引市場の実現に取り組みます。
【本共同検討における各社の役割】
参加企業 |
役割 |
Progmat, Inc. |
「Progmat Coin」基盤の開発 |
三菱UFJ信託銀行株式会社 |
信託型SCスキームにおける信託受託者(SC発行者) |
JPYC株式会社 |
「JPYC(信託型)」の信託委託者(SC発行依頼者)及び仲介者 |
KlimaDAO JAPAN株式会社 |
SCを活用したDカーボンマーケットプレイスの開発 |
株式会社オプテージ |
本ユースケースに最適化した企業向けインフラの開発 |
2.具体的な連携内容
本共同検討で目指す「マーケットプレイス・フェーズ2」では、国産SCである「JPYC(信託型)」での資金決済に対応し、オプテージが提供する企業向けインフラでDカーボンに加えてSCも取扱可能とすることで、時間の制約なくいつでも参加でき、かつ透明性・信頼性の高いパーミッションレスブロックチェーン上で完結した当事者間取引が可能になります。
【マーケットプレイス・フェーズ2】
さらに、クロスボーダーでDカーボンやSCを移転できるパーミッションレスブロックチェーンの特徴を活かし、KlimaDAOのグローバルマーケットプレイス「Carbonmark」と「KlimaDAO JAPAN MARKET」が連携することで、日本発のDカーボンの海外販売等も想定しています。また、カーボンクレジットに加え、非化石証書を含むその他の環境価値についても取引可能な体制の構築に取り組んでいきます。
【マーケットプレイス・フェーズ3】
3.今後の予定
「マーケットプレイス・フェーズ1」は、2024年4月より実証を開始しています。
「マーケットプレイス・フェーズ2」は、JPYC社が仲介者としてSCを取り扱うために必要な電子決済手段等取引業の登録を完了し、「JPYC(信託型)」の信託委託者としてのJPYC社および信託受託者である三菱UFJ信託銀行での提供準備ができ次第、2024年内の提供を目標としています。
「マーケットプレイス・フェーズ2」以降、「マーケットプレイス・フェーズ3」としての海外販売等や、マーケットプレイスを自社で展開したい国内金融機関や事業会社向けの支援を視野に入れています。
以 上
*1)「JPYC(信託型)」及び各種ステーブルコイン発行プロジェクトの全体像に関する解説は以下をご参照
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