スペースデータ、宇宙空間の脅威を統合的に監視・分析・予測する宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain」を開始
衛星・デブリ・ロケット・小惑星・宇宙天気・飛翔体を統合監視し、宇宙安全保障と宇宙レジリエンス向上を支援

株式会社スペースデータ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤航陽、以下「スペースデータ」)は、2026年6月22日、宇宙空間の脅威を統合的に監視・分析・予測する宇宙AIプラットフォーム「SpaceBrain(スペースブレイン)」をリリースしました。
SpaceBrainは、人工衛星、スペースデブリ、ロケット、小惑星、宇宙天気、飛翔体などに関する多様な観測データを統合し、AI等による軌道予測、異常検知、衝突リスク評価、脅威分析等を実施します。これにより、従来は個別に管理・分析されていた宇宙状況情報を横断的に把握し、宇宙状況把握(SSA)および宇宙領域把握(SDA)、宇宙交通管理(STM:Space Traffic Management)等に必要な意思決定支援を実施します。スペースデータは、SpaceBrainを通じてスペースセーフティ(宇宙安全)およびスペースセキュリティ(宇宙安全保障)を支援し、宇宙レジリエンスの向上を目指します。
基盤となるレイヤーは無償公開し、デモ環境を https://spacebrain.org にて公開しています。
■ 背景:宇宙空間における脅威とリスクの拡大
近年、人工衛星の急増による軌道の混雑やスペースデブリ(宇宙ごみ)の増加に加え、衛星への妨害といった事象も生じ、宇宙空間における脅威とリスクが拡大しています。日本政府も「宇宙基本計画」および「宇宙安全保障構想」において「宇宙空間の安全かつ安定的な利用の確保」を掲げ、SDA体制の充実やスペースデブリ対策、STMの推進を重点課題に位置づけています。
一方で、こうした宇宙の状況を把握する仕組みは、用途や組織ごとに別々のツールへと分断されているのが実情です。全体を俯瞰する共通の「宇宙の見取り図」が存在しないため、状況の把握から判断までに時間がかかり、変化の速い宇宙環境に十分に対応できないという課題がありました。
■ SpaceBrainの特徴
1. 衛星・デブリ・小惑星・宇宙天気・飛翔体等を、一つの「共通(作戦)状況図」に統合
空間(地球低軌道から静止軌道、地球と月のあいだのシスルナ圏まで)、用途(SSA・SDA・STM・惑星防衛・宇宙天気・飛翔体把握など)、対象(人工衛星・ロケット・スペースデブリ・小惑星・飛翔体など)という複数の切り口のデータを、一つの基盤に統合します。
2. SSA・SDA・STM等情報の提供により宇宙安全及び宇宙安全保障を支援
観測データの統合・可視化にとどまらず、異常の検知や接近イベント(コンジャンクション)の予測、人による意思決定の支援までを、同じ基盤の上でシームレスに提供します。これまで分断されていた「観測 → 判断 → 行動」を、一つのループへとつなぎます。
3. AIによる、高速・軽量なデータ統合によるユーザーインターフェースの向上
スペースデータが強みとするAIアルゴリズムで広域のデータを高速に処理する技術を応用し、衛星・デブリ・小惑星・宇宙天気・飛翔体など異種のデータを高速かつ軽量に統合。膨大で複雑な宇宙データを、ユーザーがすぐに判断できる形へ変換します。
■ デモ:spacebrain.org
SpaceBrainのデモ環境を公開しています。軌道上の人工衛星やスペースデブリ、接近イベント(コンジャンクション)、宇宙環境の状態を一つの画面で把握する「共通(作戦)状況図」のイメージをご確認いただけます。

■ オープンな基盤と、段階的な機能提供
SpaceBrainの構想では、機能を段階的に提供していきます。第一段階となる「宇宙データの統合・可視化」は、オープンな基盤レイヤーとして公開し(一部のソースコードを公開)、個人・教育・非営利での利用は無償とすることで、研究機関や民間が参加するエコシステムの形成を進めます。続いて「分析・予測」、さらに「運用・自律化」へと機能を拡張し、将来的には、人による確認を前提(human-in-the-loop)とした自律的な宇宙安全・宇宙安全保障の運用までを視野に入れています。
SpaceBrainのDEMO機能をオープンソースコードとして下記URLからダウンロード可能です。
https://github.com/spacebrain-oss/core
■ 有識者コメント
兵頭 龍樹 博士
最高科学責任者/パリ大学・東京科学大学・立教大学 惑星科学・AI科学者。NASA、ESA、JAXAの世界三大宇宙機関の惑星探査ミッション( Cassini / BepiColombo / MMX / OPENS / はやぶさ2/ JAXA次世代サンプルリターン計画等)に参画。
「地球を取り巻く人工衛星の打ち上げが加速度的に増加する時代において、無数の人工衛星や宇宙デブリの存在を正確に把握し、継続的に管理・監視することは、衝突事故の防止のみならず、宇宙安全保障上の観点からもますます重要になっています。
また、宇宙観測技術の工学的・理学的進歩により、人類が宇宙を観測する「視力」は飛躍的に向上しつつあります。それは、太陽活動の監視と宇宙天気予報、さらには地球衝突リスクを持つ小惑星の監視、すなわちプラネタリーディフェンスにも直結します。
今後、人類の活動圏が月・火星へと拡張していく中で、地球周辺空間にとどまらず、より広範な宇宙環境を把握し、AIと第一原理に基づく物理モデルを組み合わせて未来を予測することは、人類の宇宙大航海時代における重要な指針となるでしょう。
スペースデータは、宇宙の民主化を掲げ、SpaceBrainを通じて分散する宇宙関連情報を統合し、監視・分析・予測から意思決定支援までをつなぐ基盤を提供します。SpaceBrainは、宇宙安全保障と宇宙レジリエンスの向上を支えるだけでなく、人類が宇宙を安全かつ持続的に利用していくための意思決定基盤になると期待しています。」
岩本 和也
元防衛省 航空自衛官(初期JADGE整備PM・命名者、兵器システム関連部隊等の指揮官、指揮教官)、内閣サイバーセキュリティセンター(GSOC長)等に従事
「現代の安全保障環境においては、自国の確実な防衛のために、宇宙を含む地球周辺の空間情報を迅速かつ正確に把握し、防空・ミサイル防衛をはじめとする各種兵器システムへ、信頼できる情報をリアルタイムに届けることがますます重要になっています。
一方で、防衛に携わる指揮官や意思決定者が短時間で処理しなければならない情報量は、すでに人間の認知能力だけで対応できる範囲を超えつつあります。だからこそ、膨大な情報を瞬時に統合・分析し、OODA、すなわち観察・情勢判断・意思決定・行動の流れを的確に支援することが、危機の拡大を防ぎ、より冷静で適切な判断を可能にする鍵となります。
スペースデータのSpaceBrainは、シスルナ領域を含む地球周辺の宇宙空間を把握・分析する宇宙AIプラットフォームとして、衛星、デブリ、ロケット、小惑星、宇宙天気、飛翔体など、宇宙に関わる多様な情報をAIによって統合し、必要な形で提供するものです。
私は、このプラットフォームが、現場から政策レベルに至るさまざまな意思決定者に対し、分断された情報ではなく、統合された状況認識と将来予測を提供することで、より早く、より確かな判断を支える基盤になることを期待しています。
それは単に防衛力を高めるためだけのものではありません。誤認や判断の遅れを減らし、危機を未然に抑止し、必要最小限で適切な対応を可能にすることは、結果として無用な衝突を避け、人々の安全と世界の平和を守ることにつながると考えています。」
■ 今後の展望
スペースデータは、SpaceBrainを通じて「宇宙レジリエンス」——軌道の混雑やスペースデブリ、宇宙天気といった脅威のなかでも、宇宙が安全に動き続ける状態——の実現を目指します。立ち上げにあたっては、国際的に共通の課題である地球近傍天体の監視(プラネタリーディフェンス/地球防護)など、社会的意義の大きい領域から取り組みを広げ、対象を月・火星、さらに太陽系へと段階的に拡張していきます。
立ち上げにあたっては、2029年に地球へ最接近する小惑星アポフィスへの対応など、国際的に共通の課題であるプラネタリーディフェンス(地球防護)をはじめ、社会的意義の大きい領域から取り組みを広げ、対象を月・火星、さらに太陽系へと段階的に拡張していきます。スペースデータは、宇宙の安全な利用を支える社会基盤としてSpaceBrainを発展させ、宇宙とデジタル技術の力で人類の意思決定を支えてまいります。
■ 株式会社スペースデータについて
株式会社スペースデータは、「宇宙を誰もが活用できる社会へ」という思いのもと、宇宙とデジタル技術の融合によって新たな産業や社会基盤を創造するテクノロジースタートアップです。
地球・宇宙環境を精密に再現するデジタルツイン技術を活用して、宇宙から都市開発、防災、安全保障まで、次の未来を支えるデジタルプラットフォームの構築を目指しています。さらに、宇宙ロボット・宇宙ステーションの運用基盤開発を通じて、宇宙社会の実現に向けて取り組んでいます。
スペースデータの公式サイトでは、「NEWS」にて最新の取り組みや発表をご紹介しています。
詳細は https://spacedata.jp/news をご覧ください。
社名:株式会社スペースデータ
代表:佐藤航陽
所在地:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
資本金:15億1300万円
事業内容:宇宙開発に関わる投資と研究
HP:https://spacedata.jp
NEWS:https://spacedata.jp/news
X:https://x.com/spacedatainc
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/spacedatajp/
採用情報:https://www.wantedly.com/companies/spacedata/projects
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