愛犬の防災グッズを準備している飼い主の割合は、前年比14.2%増加!同行避難を理解していない人は7割以上という結果に…【384人アンケート/2022年3月調査】

災害時に愛犬と一緒に避難すると回答した飼い主は95.1%いたが、愛犬と避難できる場所について調べている人は前年度より3.0%増加するも全体の32.0%と少ない。

株式会社PLAN-B

株式会社PLAN-B(東京本社:東京都品川区、代表取締役:⿃居本 真徳)が運営する、犬の情報発信メディア「INUNAVI」が全国の犬の飼い主384人を対象に「愛犬と災害時」に関するアンケート調査を実施しました。

▼本記事URL
https://inunavi.plan-b.co.jp/saigai_enquete_2022/

 

 
  • 調査結果まとめ
①愛犬の災害グッズ・避難グッズを準備している飼い主は29.2%と少ないが、前年度より14.2%増加と大幅な上昇が見られた。

②準備しない理由は「何を用意していいかわからない」が多く見られ、実際に愛犬の防災グッズに関するサイトを見たことのある飼い主は35.9%にとどまる。

③愛犬と避難できる避難先を調べていた飼い主は32.0%おり、前年度より3.0%増加していたが少ない結果になった。

④愛犬と一緒に避難すると回答した飼い主は95.1%、理由は「家族だから」が圧倒的に多かった。

⑤同行避難や同伴避難の意味を理解している飼い主は28.9%にとどまり、飼い主にすら浸透していないことがわかるコメントも度々見られた。

⑥実際に避難を経験した飼い主は2.3%いたが、「避難所に行きづらい」と行かなかった人も多かった。

 
  • 調査背景
近年、日本では毎年のようにどこかで自然災害が発生している(※1)ことをご存知でしょうか?地震に至っては、2022年に入って300回以上も観測されています。(※2)災害は地震や津波、豪雨といったものに限らず、戦争や原発事故、工場火災・爆発、伝染病などさまざまな種類があり、突然襲ってくるものです。

どんな災害が起こるかはわかりませんが、避難を余儀なくされたときに慌てないためにも、愛犬との避難について考えておくことはとても重要ですね。INUNAVIでは2021年に引き続き、2022年も全国の犬の飼い主さん384人を対象に愛犬との災害時に関する意識調査を行いました。

阪神・淡路大震災から27年、東日本大震災から11年経ちますが、南海トラフ巨大地震が起こると想定されている現在、改めて愛犬との災害時について考えてみましょう。

▷2021年の調査データはこちら
 https://inunavi.plan-b.co.jp/saigai_enquete/

(※1)参考:国土交通省「近年の自然災害の発生状況」https://www.mlit.go.jp/river/bousai/bousai-gensaihonbu/1kai/pdf/sankou.pdf
(※2)参考:日本気象協会「過去の地震情報」https://earthquake.tenki.jp/bousai/earthquake/entries/
 
  • 愛犬の防災グッズを準備している飼い主さんは29.2%!前年度より14.2%増加だがまだまだ少ない結果

※2021年度調査は400人

愛犬の防災グッズ・避難グッズを「準備している」と回答した飼い主さんは29.2%と、3割を切る結果となりました。

しかし、2021年の2月に行った調査では「準備している」と回答した飼い主さんは15.0%だったことから、14.2%と大幅に上昇していることがわかります。

準備をしていない飼い主さんは70.8%とまだ多いことに変わりはありませんが、人間では防災グッズを準備している割合が5割弱程度(※3)あることから、愛犬の防災に対する意識が今後もう少し伸びることは期待できそうです。

それぞれの回答にどんな理由があるのでしょうか。実際のコメントをご紹介します。

(※3)参考:PRTIMES「株式会社アントロット『防災セットの準備率、災害避難の経験者ほど低調 東日本大震災10年・防災意識調査アンケート結果公開』」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000071965.html

■「準備しようと思うけど何をすればいいかわからない」と回答した人のコメント
「家が倒壊しなければどうにかなると思っているから。普段から結構買いだめをしているので、どうにかなると思っているから。犬は3日くらい食べなくても大丈夫と聞いたから」(女性 / 20代 / 千葉)

「なかなか準備する気になれない」(女性 / 20代 / 大阪)

「災害が少ない地域というのもあるが、何を用意してよいのかわからない」(女性 / 30代 / 長崎)


単純に何をどれだけ用意すればいいかわからないというコメントが多く見られましたが、「色々あり過ぎてどれを選んだらいいかわからない」「人間用で何とかなる」といったコメントも見られました。

わんちゃんの災害時の準備は自分から調べないと情報が入ってこないため、「準備しようと思うけど何をすればいいかわからない」と回答した飼い主さんは情報不足が大きな要因だと考えられます。

■「準備していない」と回答した人のコメント
「人間のためのものもまだ準備しておらず、ペットの防災グッズを準備するという考えが頭にありませんでした。今回初めて、必要性を感じました」(女性 / 50代 / 大阪)

「差し迫った危機を感じていないから」(男性 / 40代 / 愛知)

「準備したい気持ちはあるけど、お金がかかるから準備していない」(男性 / 30代 / 北海道)


「準備していない」と回答した飼い主さんは、「考えたことがなかった」「その発想がなかった」というコメントが多く見られました。

やはり、「準備しようと思うけど何をすればいいかわからない」と回答した飼い主さん同様に、情報が行き届いていないことが背景にあると考えられます。

実際、「正直、人間のことばかり優先していて、愛犬の防災・避難グッズについては考えていませんでした。このアンケートを見てハッとし、反省しております」(女性 / 40代 / 北海道)という飼い主さんも見られました。

また、「どうにかなる」「災害は起こらない」「お金がかかる」「置き場所がない」といったコメントもあり、災害が自分とは関係のないものだと考えている飼い主さんも少なくはないようです。

■「準備している」と回答した人のコメント
「いざというときに全部用意して出かけるのは時間がかかり、落ち着いて行動できなくなる可能性がある。飼い主が落ち着いていればワンちゃんも興奮しないで済むと思います」(女性 / 40代 / 北海道)

「自分が被災した際に周りの困っているペットたちを見て備えようと思ったから。実際に避難生活をしていると犬もストレスが溜まってしまうので緩和できるようにしたいと思ったから」(女性 / 20代 / 長野)

「以前マンション住まいの時に隣のビルで火災があり、すぐに出ないとと思って貴重品を手にしたがペット関連のものを持ち出す余裕がなく、その時から準備しておこうと思うようになりました」(女性 / 40代 / 愛知)

「東日本大震災の時にペットフードがすぐには買えなかったため」(女性 / 50代 / 宮城)

「災害が起きた際、逃げ遅れや、準備不足により孤立してしまうペットが多いというニュースを見て、自分のペットがそうならないよう準備をしてとこうと思ったからです」(女性 / 20代 / 神奈川)


準備している飼い主さんは「もしもに備えて」や、これまでの災害時の情報から準備する必要性を感じたようです。

実際に避難して困った経験のある飼い主さんでは、過去の教訓から準備を万全にしていることがうかがえました。

中には、「以前災害で愛犬を失った。二度と同じ思いはしたくない」(女性 / 30代 / 茨城)といった悲痛なコメントもあり、災害は恐ろしいものだと痛感します。

また、今回準備している飼い主さんの割合の方が多かったのは「愛知」「埼玉」「千葉」「長野」「福島」「福岡」で、ほかの都道府県ではあまり大きな違いはありませんでした。

災害は「どんな形」で「どこ」に「いつ」起こるかは誰にもわからないため、もしもに備えておくことは大切なことなのではないでしょうか。
 
  • 飼い主さんが準備しているもので多いのは「フード」「水」「ペットシート」。「ワクチン証明書」や「迷子札」を準備している飼い主さんも

「準備している」と回答した飼い主さん112人のうち、109人が「フード」を準備していました。

人間と違い、わんちゃんのフードがすぐに配給されることは期待できません

また、フードの配給があっても希望するフードが手に入るわけではないため、多くの飼い主さんが愛犬の食料の確保は大切だと感じているようです。
 
  • 愛犬の防災グッズに関するサイトを見たことのある飼い主さんは35.9%!4割以下にとどまる

愛犬の防災グッズ・避難グッズに関するサイトを「見たことはない」と回答した飼い主さんが64.1%と最も多い結果になりました。

近年は、ペット関連の情報サイトや市区町村のHPでは、何をどれだけ準備したらいいかを紹介していますが、自分からわんちゃんの災害時について調べない限りは目にすることはないでしょう。

今は15歳未満の子供よりもわんちゃん猫ちゃんのほうが多い時代なので、もう少しわかりやすい情報発信が必要なのかもしれません。
 
  • 愛犬と避難できる避難先の場所について調べてある飼い主さんは32.0%!前年度より3.0%増加だが半数以下の結果に

※2021年度調査は400人

愛犬と避難できる避難先の場所について調べてある?の質問で最も多い回答は「いいえ」68.0%でした。

災害時の避難先としては避難場所と避難所がありますが、愛犬と避難できるか調べてある飼い主さんは32.0%にとどまりました。前年度より3.0%の増加が見られるものの、災害が起きることを想定し避難先を調べるまでには至らないことがうかがえます。
 
  • 避難する時は愛犬と一緒という飼い主さんは95.1%、理由は「家族」だから

「避難する時は愛犬も一緒に避難する?」の質問で最も多い回答は「はい」95.1%でした。

近年、わんちゃんは「ペット」ではなく「家族」として認識されつつあり、災害時においても一緒に避難するのが当然と考えている飼い主さんが多いことがわかる結果となりました。

■【はい】と回答した飼い主さんの実際のコメント※()は居住地域とわんちゃんの種類
「家族なので家に居られないなら一緒に避難するのは当たり前だと思っています」(女性 / 50代 / 東京 / 大型犬)

「東日本で犬を失ってしまったから」(女性 / 30代 / 東京 / 超小型犬)

「一緒に避難しないという考えがありませんでした。家族なので、みんなで避難するのが当然のことという考えです」(女性 / 30代 / 東京 / 中型犬)

「絶対に離れ離れにはしたくないから。避難所が無理なら車などペットといれる場所にいる」(女性 / 30代 / 長崎 / 小型犬)

「家に危険が迫った時に避難するのですから、置いていくことはできません」(女性 / 40代 / 福岡 / 中型犬)

「色々と議論に上がっていますが、やっぱり見捨てることはできないと思います。一緒に連れていけないなら車中泊します」(女性 / 30代 / 岩手 / 小型犬)


みなさんが「家族だから」「大切な存在だから」とコメントしており、中には実際に震災にあって愛犬を失ったことがある人もいました。

愛犬の災害グッズを「準備している」と回答した茨城の飼い主さんでも「愛犬を失った」とコメントしていたことを考えると、災害はわんちゃんの命を奪う可能性があることがよくわかります。

「できれば一緒に避難する」という飼い主さんも10名見られましたが、飼い主として1つの命を預かった以上、責任ある行動が求めれれるのではないでしょうか。

■「いいえ」と回答した飼い主さんの実際のコメント​
「柴犬で外にいつもいるので連れて行かないです。周りに迷惑がかかるといけないからです」(女性 / 30代 / 三重 / 中型犬)

「おそらく避難する時は自分の事で精一杯で犬にまで意識がいかないだろう」(女性 / 50代 / 愛知 / 超小型犬)

「避難先にアレルギーを持っている人がいるかもしれないから」(女性 / 20代 / 山梨 / 超小型犬)

「住んでいるところが田舎なので、ペット同伴での避難に対する備えや、理解が十分でないと思います。避難する場所が近所なので毎日帰って世話します」(男性 / 40代 / 香川 / 小型犬)


「いいえ」と回答した飼い主さんでは、避難所での迷惑や、理解が得られないといったことが見られましたが、「避難所がペットOKかわからない」「TVで言っていた」など、曖昧な情報から一緒に避難しないという選択のようです。

また、「自由に逃げるから」(男性 / 30代 / 栃木 / 小型犬)といったコメントも見られ、人間に飼われていたわんちゃんが外で生き延びることがどれだけ難しいか、実際に災害時に多くのわんちゃんが餓死したことなどを知らない飼い主さんもいることが浮き彫りになりました。

■「いいえ」と回答した理由にはこんなことも…
「避難しないからです。近くの避難場所はペット不可です」(女性 / 30代 / 静岡 / 超小型犬)

「ペット同伴不可の避難所がほとんどなので、家の状態が良ければ家にとどまる。ペットの精神的負担を考えれば他の人が大勢いる場所へ連れて行くことはできない。吠えるので周りの人にも迷惑になる。どうしても家から避難しなければいけないのであれば車で過ごす」(女性 / 40代 / 宮城 / 小型犬)

「大きくて避難所に行くには申し訳ないから」(女性 / 30代 / 千葉 / 超大型犬)


「そもそも避難しない」という考えから、「いいえ」と回答した飼い主さんも見られました。

「避難所に入れない」「避難所で迷惑をかける」という思いから、自宅や車でわんちゃんと一緒に過ごすことを想定しているようです。
 
  • 愛犬との同行避難や同伴避難について意味を理解している飼い主さんは28.9%と少ない現状

愛犬との同行避難や同伴避難という言葉を「知っているし意味を理解している」と回答した飼い主さんは28.9%でした。

「知らない」41.1%と「言葉は聞いたことあるが意味はわからない」29.9%を合わせると、71.0%の飼い主さんは同行避難や同伴避難をわかっていないことになります。
 
  • 近くに愛犬と避難できる避難所がない飼い主さんは14.8%も!移動ルートも考える必要があることが浮き彫りに


愛犬と避難できる避難所が近くにある?の質問で「はい」と回答した飼い主さんは21.6%でした。

「いいえ」と回答した飼い主さんが14.8%見られることから、国が同行避難を原則としていても、受け入れてくれる避難所は少ない現状が浮き彫りになったのではないでしょうか。
 
  • 実際に愛犬と避難したことのある飼い主さんは2.3%、避難して大変だったことは「避難所に行きづらい」

実際に愛犬と避難したことある?の質問で「はい」と回答した飼い主さんは2.3%でした。

そこで、愛犬と避難するにあたって、または避難先で困ったことを教えてもらいました。なかなか聞くことのできない、貴重な体験談をご紹介します。

■実際のコメント
「人間用とペット用の荷物を持ちながら犬を抱っこして徒歩で移動するのは非常に大変でした」(女性 / 40代 / 愛知)

「ぺット可の避難所であってもやはり犬同伴を嫌がる人はいて肩身が狭く、犬同士吠えたりするので結局は車の中にずっといた。便の処理に困った」(女性 / 30代 / 熊本)

「近くのドッグランに避難しましたが、いつの段階から避難するべきなのか迷いました。人間の避難用意と犬の避難用意をしなければならないため時間もかかりました」(男性 / 30代 / 大分)

「避難所には行かなかった。車内泊にした」(女性 / 30代 / 熊本)

「やはり避難所には行きづらいので、車の中で過ごした」(男性 / 50代 / 埼玉)


辛い経験から回答できないという飼い主さんもおられましたが、避難をした飼い主さんの多くが「避難所に行きづらい」と考え、車の中で過ごしていたようです。

また、避難の経験のない飼い主さんからは「そもそも避難場に愛玩動物を連れて行く事自体が愛玩動物家のエゴであると共に迷惑なので、避難しなくて済む環境を整えるべきです」(女性 / 50代 / 愛知)といったコメントもあり、改めて同行避難の必要性が飼い主さんに浸透していないことがうかがえます。

確かに、避難所にはさまざまな人が集まり難しい問題ですが、ペットがいる家庭専用の避難所を設置した自治体も僅かながらあるため、避難しなくて済む環境というよりも避難できる環境が望まれるのではないでしょうか。
 
  • 本記事では以下の内容も紹介しています。
▷避難時は愛犬との同行避難が原則・同行避難と同伴避難の違い
…環境省では、ペットとの同行避難を原則とする呼びかけを行っています。自分の行く避難所が同行避難だけなのか、同伴避難が可能なのかは確認しておきましょう。

▷災害が起こったときに飼い主が不安に思うこと
…「迷惑をかけないか」「愛犬の心理的負担」など、不安に思うことは飼い主さんそれぞれ異なりますが、避難所の受け入れや他の人への迷惑、愛犬のストレスなどを心配する声が多く見られました。

▷愛犬と避難するときに必要なものをチェック
…絶対に用意しておいたほうがいいもの、できれば用意しておきたいものなど、避難バッグを作るときのポイントを紹介しています。

関連記事:犬の防災セットおすすめランキング10選|災害時に必要なグッズ一覧
https://inunavi.plan-b.co.jp/bousai-sets/
 
  • まとめ
・愛犬の災害グッズ・避難グッズを考えたこともなかった飼い主さんが多かった
・愛犬と一緒に避難したいと思っていても、避難所について調べるまでには至っていない
・同行避難が飼い主さんに浸透していない現状が浮き彫りになった


動物愛護管理法では、飼い主はペットの健康及び安全を保持する義務があり、災害時にはペットの安全確保やストレス軽減することが基本とされています。また、飼い主さん自身の安全を守るためにも愛犬との同行避難が原則です。

災害は突然襲ってくるものでパニックになりがちですが、その時になって冷静に対応できるよう日頃から準備し、愛犬と一緒に避難できる避難所の場所や動物病院の対応などを事前に調べておきましょう
 
  • この記事について
※この記事で使用される百分率(%)は各項目の数値が割り切れない場合、その総数が99.9%〜100.1%の間で変動致します。

▼調査概要
アンケート内容:愛犬との災害時に関するアンケート
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の10代~60代の犬の飼い主さん384人(男性98人 / 女性286人)
実施期間:2022年3月4日~3月7日
※回答者の属性については本記事にて記載

 ▼本記事URL
https://inunavi.plan-b.co.jp/saigai_enquete_2022/

▼運営会社
株式会社PLAN-B(https://www.plan-b.co.jp/
代表取締役:⿃居本 真徳
従業員数 :149名
事業内容:デジタルマーケティング事業、メディア事業


 

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代表者名
鳥居本 真徳
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2003年10月