高耐熱樹脂添加剤「トレハロース誘導体」を開発 300℃級の樹脂成形に対応、バイオ由来原料で環境負荷低減へ
第一工業製薬(本社:京都市南区、代表取締役社長:山路直貴)は、成形温度が300℃前後に達するエンジニアリングプラスチック向けの樹脂添加剤として、トレハロース由来の新素材を開発しました。高温条件下でも安定して機能する耐熱性を実現したものです。バイオ由来原料を用いることで樹脂の高機能化と環境負荷低減を両立しています。現在は、自動車の内装材や電子機器の筐体・コネクタなど、高温成形が求められる領域向けにサンプル提供を促進しています。
自動車、電子機器、工業部材など幅広い分野で使用される樹脂製品には、その機能を高めるためにさまざまな添加剤が使用されています。当社はこれまで、糖誘導体を用いた樹脂添加剤の開発において、主にショ糖をベースとした誘導体の検討を重ね、光沢性付与、親水化、帯電防止といった機能を提供してきました。一方で、成形温度が高い樹脂では、ショ糖系材料の一部で耐熱性が十分でなく、成形時の分解や着色が課題となる場合がありました。これを受けて、より高い耐熱性と化学的安定性を有する糖類としてトレハロースに着目し、樹脂添加剤としての応用検討を進め、このたび新たにトレハロース誘導体を開発しました。
<トレハロース誘導体の特長>
-高い耐熱性により高温成形樹脂に適用可能-
トレハロースは自然界に存在する安定性の高い非還元性二糖であり、耐熱性・化学的安定性に優れています。本誘導体は、従来のショ糖系材料と比べ、高温成形条件下でも分解や着色を抑制でき、成形温度が高いエンジニアリングプラスチックなどに適用可能です。
-樹脂改質による加工性・機能性向上-
樹脂の改質剤として、樹脂に流動性を付与することで加工性向上や、光学特性の付与による樹脂の高機能化に効果を発揮します。
-サステナブルな原料-
化石資源由来材料の代替として活用でき、環境配慮型材料への切り替えニーズにも対応します。

[本技術の背景]
当社は長年にわたり、ショ糖由来誘導体(例:ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖ベンゾエート、ショ糖酢酸エステル等)の開発に従事してまいりました。これまでに蓄積した合成技術および応用評価技術を基盤として、このたびトレハロース誘導体という新規材料の開発に成功いたしました。本材料は、「高機能かつ環境調和型素材」への市場ニーズに対応するものであり、用途となる樹脂特性に応じて、従来のショ糖誘導体と組み合わせて最適なマテリアルソリューションを提案いたします。
[用語解説]
トレハロース:グルコースが1,1-グリコシド結合してできた非還元性二糖。近年では化粧品、飼料、工業用途にも用途拡大が進んでいる。
耐熱性:物質が高温環境下(熱い場所)に置かれても、変形・軟化・分解・劣化することなく、その物理的・化学的な性質や形状・機能を維持できる能力。

[研究担当者のコメント]
当社では古くからショ糖の変性技術を有しており、今回の発表は数多くある糖骨格の中から「耐熱性」に着目して選定したトレハロースを母骨格とする変性技術です。トレハロースの持つ耐熱性を損なうことなく、結果としてエンジニアリングプラスチックの成形にも耐えうる耐熱性を持つ誘導体の開発に成功し、発表に至りました。お客さまのサステナブルなニーズに、糖変性技術を通じてソリューションをご提供すべく、引き続き開発を進めてまいります。
【本リリースについてのお問い合わせ先】
第一工業製薬株式会社 管理本部 戦略統括部 広報IR部
TEL.075-276-3027 E-mail: d-kouhou@dks-web.co.jp
〒601-8002 京都市南区東九条上殿田町48番地2
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