旭化成エレクトロニクス、CES®2025にて次世代エイジテックソリューションを発表
~新たな高齢者見守り技術とスマートおむつデモを初公開~
旭化成エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区、社長:篠宮 秀行、以下「当社」)は、ミリ波レーダーを活用した「高齢者見守り技術」や、エナジーハーベスティング技術を用いて電池を利用せず排尿を検知する「スマートおむつ」など、開発中の次世代エイジテックソリューションを2025年1月7日(火)~10日(金)に米国ラスベガスで開催される「CES®2025」にて発表します。また、長年培ったセンシングの技術を応用した新製品やコンセプトも併せて展示いたします。
・名称:CES® 2025
・会期:2025年1月7日(火)~1月10日(金)※現地時間
・会場: Las Vegas Convention Center, Venetian Expo, ARIA
・当社ブース:Venetian Expo #54418
米国国勢調査局によれば、米国の65歳以上の人口は2000年の3500万人から2020年には約5500万人に増加しており、高齢化が進んでいます。また、U.S. News & World Reportよると、55歳以上の95%が「老後も住み慣れた場所で過ごしたい」と考えており、この願望はこれまで以上に高まっています*。当社は、このような想いを実現するための技術として以下の展示を行います。
*U.S. News & World Report:https://www.usnews.com/360-reviews/services/senior-tech-aging-in-place-survey
<CES®2025出展内容>
■エイジテック分野
1. ミリ波による高齢者見守りソリューション
高齢者の見守り用途を想定し、6m×6mの空間内で、最大3名までの存在検知や位置追跡を行うことができ、また姿勢の検知も可能にしています。本技術はカメラを使用しないことから、プライバシー保護に優れ、ベッドルームやバスルームなどを含め、プライベートな空間での使用に適しています。また、転倒時には10秒以内に検出が可能で、単身暮らしの高齢者の見守りに適したソリューションです。
加えて、本年のCES®2025では高精度な検知を可能とする、60GHz ミリ波レーダー用トランシーバーIC(AK5816/AK5818)とアンテナ基板一体型の開発品(Antenna-in-Module(AiM))を用いたデモンストレーションを展示いたします。次世代ミリ波レーダーのトータルソリューションをぜひご体験ください。
2. スマートおむつ向けソリューション
当社は身近にある微弱な電力を電子デバイスが動作可能なレベルまで昇圧できるDC/DCコンバーター(AP4470L)を使用し、尿中の水分を利用して発電し、バッテリーレスで排尿を通知する「スマートおむつ」のコンセプトデモを展示します。
本技術は尿中の水分を電解液とし、おむつ内に取り付けた2種類の導電性素材を+/-極とした電池として作用させます。その結果生じる300mV程度の微小な電圧を昇圧することで、水分量を読み取るシステムを駆動させ、Bluetooth® Low Energy(BLE)送信IC(AK1595A)による通信を行うことで、排尿の有無とおむつの吸水量を通知するものです。機器とおむつは簡単に接続や取り外しができ、清潔に再利用が可能です。これにより、乳幼児ケアや高齢者介護において、排尿を検知することができ、清潔さの維持、および介護者・被介護者双方の肉体的・心理的負担の軽減に貢献します。
当社のエイジテック技術が高齢者とその家族・介護者の安心・安全・快適な生活の一助となることを期待しています。
■その他の展示内容
1.ウェアラブル機器向け温度・筋電位(EMG)計測ソリューション
皮膚温度を非接触で計測する小型赤外線温度センサーと、筋電位(EMG)をリアルタイムで計測する技術を展示します。皮膚温センサーは1.60mm x 1.76mmの超小型サイズで、0.1秒以内に温度測定が可能な高速応答性と、±0.2°Cの高精度を実現することが出来ます。また、筋電位計測には、当社で開発中の生体電位用1チャネルアナログフロントエンドICを用いており、信号の増幅やデジタル変換、フィルタリングなどの機能を集積することで基板の省面積化を実現するとともに、最大32チャンネルまで同期制御が行えるためシステムの拡張性を高めます。
これらの技術は、スマートウォッチなどのウェアラブル機器に用いられることで、リハビリテーションやスポーツ等、さまざまな分野に幅広い可能性を提供します。CES®2025では、ウェアラブル型の皮膚温度計測と、アクセシビリティを向上させる入力インターフェースのデモを展示します。
2.スマートホーム向けソリューション
スマートホーム分野では、セキュリティと環境管理を強化するトータルソリューションを展示します。
サウンドセンサー(AK5707):ガラス破壊音や煙感知器のアラーム音などの目的音をわずか34µAという超低消費電流で検知可能。配線が不要で、電池での長期間動作が可能なサウンドセンサーを実現します。
3D磁気式開閉センサー(AK09973D):3D磁気センサーにより、ドアや窓の取り付け位置の自由度を向上します。家屋等への侵入者を検知するセキュリティシステム向け。
CO2センサー:当社のDC/DCコンバーターとBLE送信ICを用いることで、家庭内の空気品質をバッテリーレスでモニタリングするソリューション。
3.車載ソリューション: ミリ波レーダーによる生体センシング、光学樹脂を使った次世代HUD
ミリ波レーダー技術を活用したバイタルセンシングにより、車内での乗員の呼吸数や心拍数、心拍変動をリアルタイムで検知し、安全性を向上させる車載ソリューションを展示します。本技術により、高精度なセンシングが可能となり、ドライバーが運転に集中しているか、または体調に変化がないかといった乗員の健康状態をモニタリングし、事故防止や健康管理に貢献します。また、旭化成が新しく開発した光学透明樹脂AZPTMの用途提案として、ヘッドアップディスプレイ(HUD)のデモを展示いたします。 AZPTMの特徴である低複屈折特性がHUD映像の視認性の向上に貢献し、ドライバーの快適な運転をサポートします。
CES® 2025について
CES®は世界最大級のエレクトロニクス技術展示会であり、コンシューマー向けハードウェア、コンテンツ、テクノロジーなどのメーカー、開発者、サプライヤーが一堂に会し、世界のビジネスリーダーや先進的なイノベーターが業界の重要な課題に取り組む世界最大規模のイベントです。
*CES®は、Consumer Technology Association (CTA®)の登録商標です
*Bluetooth® は、Bluetooth SIG, Inc. の登録商標です。
旭化成エレクトロニクスの医療機器向けの供給方針については以下リンクを参照ください。
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