市村地球環境産業賞の功績賞 IHIと日本製鉄で共同受賞
商用発電における木質バイオマス専焼技術の実用化によるカーボンニュートラルに貢献
今回の受賞は,2015年度に日本製鉄北日本製鉄所 釜石地区(以下「北日本製鉄所 釜石地区」)の火力発電所(発電出力 149,000kW)で実施された木質バイオマス混焼実証において,既存の発電設備に小規模な改造を加えることで,それまで数%にとどまっていた木質バイオマスを熱量比25%まで引き上げることが可能なことを実証したこと,および,その成果を受けて木質バイオマス100%専焼の商用運転を実現し,発電分野のカーボンニュートラルに貢献したことが評価されたことによるものです。なお,北日本製鉄所 釜石地区での混焼実証は,2016年に新エネ大賞経済大臣賞を日本製鉄と共同受賞しています。
IHIは,相生自社事業所内での基礎試験や発電所での実証実験を通じて約4年間で従来燃料用の粉砕機(以下,ミル)をバイオマス専用とする粉砕方式と,粉砕したバイオマス粒子を円滑に排出する機構を開発しました。本技術は,短期間・低コストでバイオマス専用ミルへ改造可能とするもので,バイオマス燃料の供給状況に応じて,従来燃料用ミルに戻すことも可能です。2015年に商業発電所における有効性を国内で初めて実証したのち,日本国内の複数の発電所で採用され,2023年より100%バイオマス専焼の商用運転が開始されました。
IHIは,木質バイオマスなどのクリーンな燃料への転換技術をもって,発電所におけるカーボンニュートラル化,森林資源の有効活用に貢献します。2050 年までにサプライチェーン全体でのカーボンニュートラル実現に向けて,お客さまのニーズに適した様々なソリューションを提供していきます。
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