百貨店業界初 国産SAF製造に向け大丸松坂屋百貨店と廃食用油の供給および利用に向けた協力に関する基本合意書を締結
店舗から出る廃食用油を国産SAFへ
大丸松坂屋百貨店は、まず大丸心斎橋店(大阪市)と大丸芦屋店(兵庫県芦屋市)に入居する飲食店などから出る廃食用油の提供を開始します。この2店舗から出る廃食用油は、全店舗(全国15店舗)の総排出量の約15%を占めます。今後、提供店舗の拡大を目指し、本取り組みを推進していきます。
排出される廃食用油をレボインターナショナルが収集し、SAFFAIRE SKY ENERGYが計画するSAF製造装置向けに引き渡します。
SAFFAIRE SKY ENERGYは、2024 年度下期~2025 年度初頭の生産開始を目指し、大阪府堺市のコスモ石油堺製油所で建設中の日本初となる国産SAFの大規模生産プラントにおいて、レボインターナショナルから引き取った廃食用油を原料にSAFを製造します。日揮HDは、廃食用油を原料とするSAF製造事業に関するサプライチェーン全体の構築を行います。
各社の取り組み
■大丸松坂屋百貨店
大丸松坂屋百貨店はグループマテリアリティの一つに「サーキュラー・エコノミーの推進」を掲げ、これまでも廃食用油を資源として有効活用する活動を行ってまいりました。本合意の元、トレーサビリティを明確にしながらCO2排出量削減を目指し、さらなる気候変動対策への貢献をいたします。
また、国産SAFの認知向上、普及の契機となるイベントなどを通して、お客様にCO2排出量削減に貢献する資源循環の重要性を継続的に伝えてまいります。その一環として、大丸松坂屋百貨店は、国内資源循環による脱炭素社会の実現に向け設立されたプロジェクト「Fry to Fly Project」にも今般加入しました。廃食用油の供給に加え、百貨店を利用した本取り組みの周知・発信を行うことにより、国内資源循環による脱炭素社会の輪を広げてまいります。
■日揮HD、レボインターナショナル
コスモ石油株式会社と共同で、国内での廃食用油の収集からSAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向けて事業化検討を進め、2022年11月1日付で新会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立しました。国内で発生する廃食用油のみを原料とし、年間約3万キロリットルのSAFの供給を目指しています。
なお、本事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より採択※を受けた助成事業です。
※NEDOホームページ:https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100312.html
日揮HD、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGY、大丸松坂屋百貨店の4社は本取り組みを通じて、国産SAFが供給できる体制を整えてまいります。
■SAFとは
SAF(Sustainable Aviation Fuel)は、廃食用油などを原料とする航空燃料として、従来の航空燃料と比較しCO2排出量を大幅に削減することが可能なエネルギーです。航空機は自動車などと違い、電気や水素などの燃料では代替しにくいことからSAFの利用によるCO2排出削減が世界で求められています。
日本では、国土交通省が2030年時点で国内航空会社による燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げてお
り、さらに2050年には、カーボンニュートラルにすることを目指しています。その実現に向けて、政府の「持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会」では、エネルギーセキュリティの確保やライフサイクルでのCO2削減効果の向上の観点から、国産原料の活⽤が重要である一方、国内で排出される廃⾷用油は全体の約 3割(約10万トン強)が海外に輸出されていると指摘されており、国内での活用拡大が期待されています。
■Fry to Fly Projectとは
Fry to Fly Projectは、国内資源循環による脱炭素社会実現に向けて、本年4月に活動を開始したプロジェクトです。2023年8月末時点で、49の企業・自治体・団体が賛同しており、個人や自治体、企業がSAFの原料となる、家庭や飲食店など身近なところで発生する廃食用油の提供や取り組みの周知・発信を通じて、日本国内における資源循環の促進に直接参加することのできる場です。Fry to Fly Projectでは、家庭や店舗等から排出される廃食用油の収集を促進し、さらに自治体との連携により廃食用油のSAFへの活用に関する教育活動を実施するなど、日本国内において脱炭素化に向けた資源循環の促進に積極的に参加できる機会の創出を目指しています。
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