ストレスチェック業界平均値レポート2025【運輸業, 郵便業】:高ストレス者割合はワースト5脱出。「上司・同僚の支援」が今後の職場環境改善のカギに?

2024年中に「ソシキスイッチ ストレスチェック(旧:AltPaperストレスチェック)」をご利用いただき、データ提供に同意をいただいた2,337事業者・約65万人の回答結果から算出

情報基盤開発

株式会社情報基盤開発は、2024年中に「ソシキスイッチ ストレスチェック(旧:AltPaperストレスチェック)」をご利用いただいたお客様からデータをご提供いただき※1、「高ストレス者」※2の割合・「総合健康リスク」※3・「各種ストレス尺度」について業種別に平均値を算出した「ストレスチェック業界平均値レポート2025」を公開いたしました。

当記事では、弊社「ストレスチェック業界平均値」データ独自の全14業界のうち、「運輸業, 郵便業の集団分析結果 について考察・解説いたします。

※全14業界の区分および同レポートの総論につきましては、弊社既報 「ストレスチェック業界平均値レポート2025:総合健康リスクはおおむね良好、職場環境は働き方改革等の影響あり?一方、高ストレス者割合は全14業界中10業界で14%を上回る結果に」 をご参照ください。


※調査方法については当記事の末尾に記載
※「運輸業, 郵便業」における「2024年問題」にも言及した、より詳しい解説コラムは「ストレスチェックマガジン」に掲載しています。

 当記事は、「ストレスチェックマガジン」掲載記事の抜粋版です。

ストレスチェックマガジン:
【運輸・郵便業】「2024年問題」の影響は?高ストレス者割合はワースト5脱出。「上司・同僚の支援」が今後の職場環境改善のカギに?:ストレスチェック業界平均値レポート2025

「運輸業, 郵便業」のストレスチェック実施結果の特徴は?

ストレスチェック業界平均値レポート2025:受検率・高ストレス者割合・総合健康リスク業界別一覧「運輸業,郵便業」

※赤い囲み部分 …

 総合健康リスク:110以上を赤色、100以上を黄色に色分け
 高ストレス者(A判定)割合:15%以上を赤色、10%以上を黄色に色分け

A判定割合 … 高ストレス者割合
社のデータでは、厚生労働省公表のストレスチェック結果の分布で最も高い評価「A」判定を示した受検者の割合を用いています

ストレスチェック業界平均値レポート2025:総合健康リスク・高ストレス者割合「運輸業,郵便業」

「総合健康リスク」は、職場に対して感じているストレスを「仕事の量-コントロール」と「職場の支援(上司や同僚からの支援)」の2軸に分け、職場の環境が従業員の健康にどの程度影響を与えるかを総合的に評価したものです。
「運輸業, 郵便業」 の総合健康リスクは、102.2(前年比-2.1)となり、前回よりやや改善しました。

「高ストレス者」は、回答項目の中でも心身のストレス反応に関する項目を中心に評価しており、実際にストレス反応が現れている場合に高くなり、一定の基準を超えると高ストレス者と判定されます。各事業場の中で高ストレス者がどの程度いるかを示したものが、高ストレス者割合です。
「運輸業, 郵便業」 の高ストレス者割合は、15.1%(前年比-0.3)で、前回と同程度の数値で推移しています。


一方で、前回は全14業界中(「T.分類不能の産業」を除く)ワースト5にランクインしていた「H. 運輸業, 郵便業」ですが、他業界の高ストレス者割合の増加、特に「O. 教育, 学習支援業」の高ストレス者割合が+2.3ポイント増加したことなどにより、ワースト5からは抜ける結果となりました
 

ストレスチェック業界平均値レポート2025:業界別「高ストレス者割合」ワースト5の比較

ただ、依然として高ストレス者割合は15%を上回っており、注意が必要な数値に変わりはありません。また、大きな改善がみられたわけではないため、引き続き各事業場の現状を集団分析の結果などと併せて確認し、何にストレスを感じている従業員が多いのか原因を探っていただくことをお勧めいたします。

ストレスチェックマガジン:
【運輸・郵便業】「2024年問題」の影響は?高ストレス者割合はワースト5脱出。「上司・同僚の支援」が今後の職場環境改善のカギに?:ストレスチェック業界平均値レポート2025

「運輸業, 郵便業」のストレス要因を各尺度から分析
―仕事量の負担は少なく良好。経験・スキルの活用と同僚間のサポート拡充が課題か?

ストレスチェック業界平均値レポート2025:総合健康リスク・高ストレス者割合「運輸業,郵便業」

上記は、「運輸業, 郵便業」のストレスチェックの各尺度の数値(偏差値)を表しています。
まず、【心理的な仕事の負担(量)】は全14業界(「T.分類不能の産業」を除く)の中で、男性ではもっとも良好な数値を示しています。女性に関しても上位2番目と、仕事量の多さからくる負担はさほど高くないと感じている方が多いようです。
 
一方で、【技能の活用度】については、女性の数値が全14業界中ワースト1という結果でした。男性も「生活関連サービス,娯楽業」に次いでワースト2と、男女ともに、自分のスキルや経験を十分に活用できていないと感じている方の割合が高いことがうかがえます。
配送・運転業務に限らず、身体を使う業務やルーチンワークが中心の仕事の場合は、業務の性質上【自覚的な身体的負担度】や【技能の活用】がある程度不良な数値として出てしまうのはやむを得ない部分がありますが、その点を前提に対策を考える必要がありそうです
 
さらに、【上司からの支援度】【同僚からの支援度】には特に注意が必要です。
同じ業界内でも従事している業務や働き方、夜勤の有無や業務体制、配属などによっても違いがあると考えられるため一概には言えませんが、【上司からの支援度】の数値は、弊社の業界平均値では全体的に女性のほうが比較的良好な数値となる傾向があります。ただ、男性については「運輸業, 郵便業」がワースト1と他の業界の数値よりも不良で、平均を下回っています。また、【同僚からの支援度】に関しては、男女ともに希薄さがあると読み取れます。こちらは女性の数値が全14業界中ワースト1となっただけでなく、男性の数値も「製造業」に次いで不良な結果(ワースト2)となっています。
一緒に働く人たちとの関係性や同僚間のサポートの有無は業務の負担感・疲労感にも影響を与えますので、まずは自社の集団分析結果で【上司からの支援度】【同僚からの支援度】の数値をご確認いただき、各事業場の実情に合わせて改善策を検討してみることをお勧めいたします。

【運輸業, 郵便業】のより詳しい記事は、下記をご参照ください

上記の内容を含め、同業界の「2024年問題」にも言及した解説コラムを、弊社運営の「ストレスチェックマガジン」に掲載しています。

既報の ストレスチェック業界平均値レポート2025総論 のほか、今回の「運輸業, 郵便業」など一部の業界をピックアップした業界別記事を「ストレスチェックマガジン」上で今後もご案内する予定です。

下記より、「ストレスチェックマガジン」掲載中の今回の詳細記事をご参照ください。

ストレスチェックマガジン:
【運輸・郵便業】「2024年問題」の影響は?高ストレス者割合はワースト5脱出。「上司・同僚の支援」が今後の職場環境改善のカギに?:ストレスチェック業界平均値レポート2025


「ストレスチェック業界平均値レポート2025」調査・結果の概要

「ストレスチェック業界平均値レポート」の本データは、2024年に弊社サービス「ソシキスイッチ ストレスチェック(旧:AltPaperストレスチェック)」を使用してストレスチェックを実施され、2024年12月末日までに弊社で集計を完了した2,337事業者(男性365,530名、女性279,859名)を含む約65万人を対象としています。業界平均値は、弊社ストレスチェックサービスをご利用いただいた各事業者様に「集団分析結果のご提供」の承諾を個別にお伺いし、ご同意いただいたデータのみを用いて分析を行いました。

※2024年単年の「ソシキスイッチ ストレスチェック」導入事業者数は約4,800法人、150万人

集団分析の結果は、個人を特定することなく各職場の課題を把握することができ、職場環境改善に役立てていただけるものですが、例えば未受検者の方が多くいらっしゃる場合や、休職中など回答できない方が多いと、受検率が低くなってしまうことがあります。受検率が十分でないと、各数値に正しい結果が反映されていない可能性も懸念されますので、より信頼できるデータを集めて、職場環境を正確に把握するためにも受検率の向上に努めていただければと思います。

ストレスチェックの受検を従業員に強要することはできませんが、ストレスチェック実施の意味・職場環境改善への活用について従業員に正しく理解してもらうことが受検率の向上につながります。
 
本業界平均値と併せて、改めて貴社の集団分析データと向き合っていただき、 各事業場や従業員に合わせた改善策をご検討いただけたらと思います。
本考察の視点が、御社の職場環境改善のヒントになれば幸いです。
 
弊社・株式会社情報基盤開発は、「ストレスに悩まない職場をつくる」というミッションの実現に向けて、今後もストレスチェックをはじめ、職場のメンタルヘルスケア、健康経営、業務効率化の実現につながる各種法人向けサービスをご提供してまいります。

●調査概要

【調査対象】

弊社サービス「ソシキスイッチ ストレスチェック(旧称AltPaperストレスチェック)」を2024年中にご実施いただいた事業者

【調査期間】
2024年1月1日(月)~12月31日(火)

上記の期間中に、ストレスチェック実施(紙版・Web版、または併用)、並びに弊社での集計・分析結果の納品完了分

【調査方法】
この度算出いたしました業界平均値データは、弊社サービス「ソシキスイッチ ストレスチェック(旧称AltPaperストレスチェック)」を2024年中にご実施いただいた事業者を対象に、集団分析結果のご提供の承諾を個別に伺い、同意いただいた事業者のデータのみを用いて分析を行ないました。

比較の基準としている「全国(厚労省データ)」は、
厚生労働省科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業「職業性ストレス簡易調査票及び労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリストの職種に応じた活用法に関する研究」、平成19年度総括・分担報告書 表4 職業性ストレス簡易調査票下位尺度の職種別平均値及び標準集団との比較、が出典です。

集計につきましては、事業者様のデータについて男性参加者データ・女性参加者データに分け、高ストレス者の出現割合、健康リスク、各尺度の平均値を業種ごとに算出しました。なお、本記事につきましては「男性」データを用いて、比較・分析を行っております。


※1 データの取り扱いについて:
・各事業者様にご提供いただいたデータにつきましては、業種・規模・地域をお伺いして分類することとし、個々の事業者様・受検者様を識別できないようにして取り扱っております。
・各受検者様の回答につきましては、性別・職種と57項目・80項目の回答データのみ使用することとし、個人を識別できないようにして取り扱っております。
・業種の分類は、総務省の日本標準産業分類(大分類、一部中分類) に従います。著しく事業者数が少なかった業種については比較的近い業種に集約しております。

※2 「高ストレス者」とは:
厚生労働省(令和元年7月)が公表したマニュアルに基づいており、以下(1)及び(2)に該当する者を指します。(1)及び(2)に該当する者の割合については、概ね全体の10%程度を基準とします。
 (1)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が12点以下
 (2)「心身のストレス反応(29項目6尺度)」の合計が17点以下で「仕事のストレス要因(17項目9尺度)」
  及び「周囲のサポート(9項目3尺度)」の合計が26点以下
 
※3「健康リスク」とは:
基準値として設定された全国平均値100からどの程度乖離しているかで算出されます。また、健康リスクの数値を表す「仕事のストレス判定図」とは、 男女別に求められた「量-コントロール判定図」と「職場の支援判定図」から構成されます。この二つの調和平均が「総合健康リスク」となります。
「量-コントロール判定図」はストレスチェックから得られた「心理的な仕事の負担(量)」「仕事の裁量度」の2尺度の数値から、職場の支援判定図 は「上司からの支援度」「同僚からの支援度」の2尺度から求められます。

ストレスチェックマガジン:
【運輸・郵便業】「2024年問題」の影響は?高ストレス者割合はワースト5脱出。「上司・同僚の支援」が今後の職場環境改善のカギに?:ストレスチェック業界平均値レポート2025

情報基盤開発 会社概要
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2004年に東京大学内ベンチャーとして創業。

独自研究・開発した帳票自動読み取り技術とデータベース技術をもとに、2006年12月からアンケート自動入力・集計ソリューション「AltPaper」のサービス提供を開始。2015年4月にソシキスイッチ ストレスチェック(旧称「AltPaperストレスチェック」)提供開始によるストレスチェック事業参入から、今年10年目を迎えました。


仕事上のストレスが生産性やワークライフバランスに影響を与えない職場づくりを重点的にサポートするべく、2021年より「ストレスに悩まない職場をつくる」を企業スローガンに、ストレスチェック実施サービスをはじめ、従業員のメンタルヘルス相談・ハラスメント外部相談窓口業務を支援する ソシキスイッチEAP みんなの相談室、伴走サービス付き組織サーベイツール ソシキスイッチなど、職場のメンタルヘルスケア・健康経営施策・職場環境改善につながる法人向けサービスの展開に注力しています。

企業名 :株式会社情報基盤開発
代表  :代表取締役 鎌田長明
設立  :2004年8月
所在地 :本社 東京都文京区湯島4丁目1-11 南山堂ビル3階
HP  :https://www.altpaper.net
事業内容:
 ・ストレスチェックサービス「ソシキスイッチ ストレスチェック」の開発・運用とOEM提供
 ・パワハラ防止対策、従業員のメンタルヘルスケアの 相談窓口代行支援サービス「ソシキスイッチ EAPみんなの相談室」提供

 ・伴走サービス付き 組織サーベイツール「ソシキスイッチ」開発・運用
 ・手書きアンケートの自動入力と入力業務代行サービス「AltPaperアンケート入力」開発・運用

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会社概要

株式会社情報基盤開発

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URL
https://www.altpaper.net/
業種
サービス業
本社所在地
東京都文京区湯島4-1-11 南山堂ビル3階
電話番号
0120-922-552
代表者名
鎌田 長明
上場
未上場
資本金
2000万円
設立
2004年08月