Z世代の旅行・おでかけに関する意識調査
昨年と比較しおでかけへのモチベーションが上がったZ世代は約5割!おでかけについて情報収集するメディア1位はInstagram。コミュニケーションから逆算した体験消費をするZ世代の「映え3.0」とは
【Z世代の旅行・おでかけに関する意識調査トピックス】
【1】 約3割のZ世代が「食べ歩き」にお金をかける!近場で旅するスタイルが定着。
カフェ巡りをはじめとする食べ歩きが、以前よりもお金をかけて楽しまれています。今後行きたい旅行先として「近場の国内」が1位となり、コロナ禍において、近場で非日常を楽しむ旅行スタイルが普及したことで、旅行が日常生活の延長にあるものに変化したことがうかがえます。
【2】半数以上のZ世代が動画でも情報収集!最新版・若年層のおでかけ情報収集法。
おでかけに関して情報収集するメディアについて、「知るきっかけになる」「検討するときに利用する」メディアに分けて聞いたところ、共に1位は「Instagram」となりました。
【3】大事なのは「世界観」。より自分好みに進化した「映え3.0」とは?
Z世代の「映え」はそれぞれが表現したい「世界観」が演出できるかが重要であり、「画一的な映え」ではなく「映えの細分化」が進んでいることがわかりました。
【4】仲が良い「マイメン」で遊ぶことが増えたZ世代は約6割。
SNS投稿は完成した写真や動画そのものではなく、撮影する過程を重視。
写真を撮影し、SNSに投稿する行為は、より親しい友達である「マイメン」の間で撮影を楽しみ、写真を残し思い出として見返すことに価値を感じている傾向があります。
【5】SHIBUYA109 lab.所長が分析!SNSでのコミュニケーションから逆算した体験消費をするZ世代。
「映え」の変化を見逃すな。
彼らが重視しているポイントを正しく捉え、彼らのコミュニケーションのサポートが叶えられる「映え」を提供することが非常に重要です。
【1】約3割のZ世代が「食べ歩き」にお金をかける!近場で旅するスタイルが定着。
まずは、Z世代が「お金をかけていること」※図1について調査しました。
全体で回答として最も多かったのは「食べ歩き(32.8%)」という結果となりました。2019年の調査では、最も多かった項目が「旅行(21.8%)」であったのに対し、「食べ歩き」は11.7%であったため、カフェ巡りをはじめとする食べ歩きが、以前よりもお金をかけて楽しまれていることがわかりました。
図1 Q.あなたがお金をかけていることを教えてください。(複数回答)
2019年:n=600(男性:300/女性:300) 2022年:n=400(男性:200/女性:200)
また、男女別の比較結果※図2を見ても、2019年には「旅行」がランクインしていた部分が2022年には「食べ歩き」に男女ともに置き換わっていることもわかります。
さらに、選んだ項目数の平均値※図1も2019年の調査では一人あたり2.7個となっていたのに対し、今回の調査では、一人あたり4.6個と大幅に増えており、お金をかける対象の数や消費意欲が増加していることがわかります。
図2 Q.あなたがお金をかけていることを教えてください。(複数回答)
2019年:n=600(男性:300/女性:300) 2022年:n=400(男性:200/女性:200)
旅行やおでかけに対するモチベーション※図3は「あがった」という回答が56.3%と半数を超えており、外出自粛の規制緩和に伴い、おでかけへのモチベーションの高まりが感じられます。
図3 昨年と比較した旅行やおでかけに対する意識の変化として、あなたにあてはまるものを教えてください。(単一回答)
n=400(男性:200/女性:200)
ただし、「今後行きたい旅行先」※図4を聞いてみると、「近場の国内(76.0%)」が、「遠方の国内(57.5%)」や、その他海外を上回っています。これは「遠方の国内(69.5%)」が最も回答数が多かった2019年の調査から逆転しています。
図4 Q. あなたが今後行きたい旅行先を教えてください。(複数回答)
n=400(男性:200/女性:200)
グループインタビューでは「あなたにとって旅行とは?」という問いに対し、「非日常」という回答がある一方で、「宿泊すること」という回答や、「東京のホテルに泊まることも旅行だと思っている(神奈川県在住)」「今後旅行で行きたい場所は浅草(神奈川県在住)」という発言があったことから、「ホカンス(韓国発祥の『ホテル』で『バカンス』を楽しむ過ごし方)」や「ステイケーション(近場のホテルでの滞在を楽しむこと)」など、コロナ禍において、近場で非日常を楽しむ旅行スタイルが普及したことで、旅行が日常生活の延長にあるものに変化したことがうかがえます。
【2】半数以上のZ世代が動画でも情報収集!最新版・若年層のおでかけ情報収集法。
次に、旅行やおでかけ関連の情報収集※図5について聞きました。旅行に関する情報について「知るきっかけになる」「検討するときに利用する」メディアに分けて聞いてみると、知るきっかけになるメディアは、TOP3が「Instagram(72.5%)」「動画配信サービス(53.8%)」「Twitter(46.5%)」とSNSが認知の起点になっているのに対し、検討するためのメディアは「Instagram(52.5%)」「Google等の検索エンジン(37.3%)」「動画配信サービス(28.5%)」が使われていることがわかりました。
図5 Q.あなたが親しい友達と旅行やおでかけに行く際に参考にしている情報を教えてください。
知るきっかけ、検討するための情報をそれぞれ教えてください。 (複数回答)
n=400(男性:200/女性:200)
グループインタビューでは、情報収集をするタイミングとして「普段から流れてくる情報をストックしておく」「情報が必要になったときに、ハッシュタグなどを用いて検索したり、Googleで画像検索したりする」という声が聞かれました。さらに、「旅行当日もInstagramの検索結果に出てきた投稿を見て、その場所での写真の撮り方の参考にする」といった発言がありました。Z世代のおでかけに関する検索行動は「お気に入りのスポットを探す」「ホテルを探す」だけではなく、「どんな写真が撮影できるかを確認する」「撮影の際の構図を確認する」といったように、旅行やおでかけ先での体験について、よりクオリティの高いSNSでの写真・動画投稿を実現する目的でも行われているようです。
【3】大事なのは「世界観」。より自分好みに進化した「映え3.0」とは?
Z世代が旅行やおでかけなどの「体験」において重視しているのは「世界観」です。
旅行やおでかけの相手を選ぶ際、「行く場所の世界観や雰囲気と合う人であることを重視する」※図6と回答したのは75.1%となりました。
図6 Q.旅行やおでかけをする相手を選ぶ際、あなたにあてはまるものを教えてください。(単一回答)
n=400(男性:200/女性:200)
また出かける相手だけでなく、ファッションで気にしている点※図7に関しても「行く場所にファッションのテイストを合わせる(31.3%)」が最多となっています。
図7 親しい友達と旅行やおでかけをする際のファッションに関して、以下の中からこだわったことがあるものを教えてください。(複数回答)
n=400(男性:200/女性:200)
グループインタビューでも「普段はクール系の服を着ることが多いが、量産系の服装の子と遊ぶ時は、自分が持っている服の中で一番可愛らしいものを選んで相手に寄せる」「Instagramで写真を見ていて背景と服装の雰囲気が合っていると『映えている』写真だと思うので参考にする」など、遊ぶ相手や行く場所それぞれで雰囲気の統一感を気にする発言がありました。
旅行やおでかけ時の写真撮影におけるこだわり※図8を聞いてみると、「とりあえずたくさんの枚数を撮る(36.5%)」という回答のほか、「空間の世界観が伝わるように引きで撮る(25.0%)」「自分の雰囲気を盛る(23.3%)」がTOP3となり、撮影するにあたって世界観や雰囲気が重視されていることがわかります。
図8 Q.親しい友達との旅行やおでかけで写真を撮影する際、あなたがこだわりたいことを教えてください。
(複数回答)n=400(男性:200/女性:200)
さらに、写真撮影時に大事にすること※図9について聞いてみると、「顔<雰囲気」「物・人だけ<背景・空間なども含める」「自撮り<他撮り」という価値観が見えてきます。
図9 Q.あなたが写真や動画撮影において、よりこだわっているものを教えてください。(単一回答)
n=400(男性:200/女性:200)
また、グループインタビューでも「前まで淡色系のテイストにハマっていたが、今は韓国系が好き。投稿する写真の系統を揃えることを重視しているので、系統を揃えるためにInstagramで投稿していた淡色系の写真は全てアーカイブ(非表示)にした」との発言もあり、SNS上での世界観の演出を重視していることがわかります。
これらの結果を整理すると、Z世代の「映え」はそれぞれが表現したい「世界観」が演出できることが重要であり、「映えの細分化・多様化」が進んでいることがわかります。これについて、SHIBUYA109 lab.では、Instagramが普及した当初に流行った加工で強調され“超”非日常的な写真を撮ることが「映え」の代名詞となり、 画一的であった「映え1.0」、その後「映え」に奥行きが生まれ始め、ナチュラルさも意識され始めた「映え2.0」に続く「映え3.0」と定義しました。
【4】仲が良い「マイメン」で遊ぶことが増えたZ世代は約6割。
SNS投稿は完成した写真や動画そのものではなく、撮影する過程を重視。
去年の旅行に関する調査で、コロナ禍により、挨拶をする程度の関係の友人「よっ友」が消滅しているという結果が明らかになりました。外出自粛の規制緩和が進む今も、「本当に仲が良い人とだけ遊ぶことが増えた」※図10と回答した人が58.8%と、交友関係の拡大に関して慎重な姿勢が見られます。
図10 Q.昨年と比較した旅行やおでかけに対する意識の変化として、あなたにあてはまるものを教えてください。(単一回答)
n=400(男性:200/女性:200)
今後一緒におでかけに行きたい相手※図11も「家族(41.5%)」や「恋人・パートナー(36.0%)、「仲が良い友達(4人以上の大人数)(32.3%)」を抜いて「仲が良い友達(1~3人程度の少人数)」が79.3%と圧倒的多数です。
図11 Q.今後旅行やおでかけに一緒に行きたい相手を教えてください。(複数回答)
n=400(男性:200/女性:200)
また、親しい人とのおでかけの行き先を決める際、大事にしていること※図12を聞いてみると、「友達との思い出を残せそう(53.5%)」「友達との仲が深まりそう(40.0%)」など、友達と一緒に体験をすることで、交友関係が更に深まることを重要視しているようです。
図12 Q.親しい人との旅行やおでかけの行先を決める際、あなたのこだわりやこだわりたいことを教えてください。(複数回答)
n=400(男性:200/女性:200)
写真を撮影する目的※図13としては、「後日思い出を残すために(73.5%)」「撮影する過程が楽しいから(39.5%)」などが挙がりました。
図13 Q.親しい友達と旅行やおでかけをする際、あなたが友達と写真や動画を撮影する理由を教えてください。(複数回答)n=400(男性:200/女性:200)
「いいね数」等の不特定多数からの評価に価値を感じるよりも、より親しい友達である「マイメン」の間で撮影を楽しみ、写真を残し思い出として見返すことに価値を感じている傾向があります。
グループインタビューでも、「TikTokは踊る動画を撮っている中で、失敗する時も含めて楽しい」「一緒に変顔しておもしろ系TikTokを撮っている間に、友達の新しい一面が知れて仲良くなれる」という声が挙がるなど、写真撮影に関しても、完成した写真や動画そのものではなく撮影する過程に価値を感じていることが分かります。
【5】SHIBUYA109 lab.所長が分析!SNSでのコミュニケーションから逆算した体験消費をするZ世代。
「映え」の変化を見逃すな。
コロナ禍による外出制限の緩和が進んでいる状況に合わせてZ世代の旅行・おでかけへのモチベーションの高まりがみられます。一方、この約3年間における生活環境の変化で旅行に近しい体験を近場で創出できる環境も生まれ、求めることも変化しているようです。また、彼らの旅行やおでかけに欠かせないのが「映え」です。現地で撮影した写真や動画をSNSに投稿することでコミュニケーションを創出するきっかけとなることから、強いこだわりを持つZ世代も多くみられます。
しかし、その定義は時代やSNSのトレンドに合わせて変化しています。彼らが「映え」において重視しているポイントを正しく捉え、彼らのコミュニケーションのサポートが叶えられる「映え」を提供することが非常に重要です。
SHIBUYA109 lab.のHPより、本WEB調査の無料グラフレポートを配布しております。
ぜひ、以下よりご連絡ください。
https://shibuya109lab.jp/product/?utm_source=prtimes.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=release20220612
※公開データの引用・転載の際は、『SHIBUYA109 lab.調べ』と明記いただきますようお願い申し上げます。
SHIBUYA109 lab./https://shibuya109lab.jp
※本リリースに記載の会社名、製品名、サービス名等は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
※TWITTER、TWEET(ツイート)、 RETWEET(リツイート)、Twitter のロゴは Twitter, Inc.またはその関連会社の登録商標です。
■アンケート調査概要
①WEB調査
調査期間:2022年5月
調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用
居住地:一都三県
性別:男女
年齢:15~24歳
対象:高校生・大学生・短大・専門学校生
回答者数:400名(男性200名/女性200名)
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
②SHIBUYA109 lab.による定性調査
・グループインタビュー
対象者条件: 高校生・大学生 男子3名、女子4名 2G 合計7名
※その他過去定性調査をもとに考察
■SHIBUYA109 lab.概要
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する新しい世代に特化した若者調査機関。SHIBUYA109のターゲットである「around20(15~24歳)」を中心に彼らの実態を調査し、SHIBUYA109独自の視点から分析している。
設立:2018年5月17日
所長:長田麻衣(株式会社SHIBUYA109エンタテイメント所属)
ホームページ:https://shibuya109lab.jp
■SHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣(おさだ・まい)
総合マーケティング会社にて、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPRサポートを経て、2017年に株式会社SHIBUYA109エンタテイメントに入社。
SHIBUYA109マーケティング担当としてマーケティング部の立ち上げを行い、2018年5月に若者研究機関「SHIBUYA109 lab.」を設立。現在は毎月200人の「around20」と接する毎日を過ごしている。
■株式会社SHIBUYA109エンタテイメント概要
SHIBUYA109渋谷店(東京都・渋谷区)を中心とした4つの施設を展開。「Making You SHINE!-新しい世代の“今”を輝かせ、夢や願いを叶える-」の企業理念を掲げ、これからを担う新しい世代の今を輝かせ、夢や願いを叶えるため、商業施設運営に留まらないエンタテイメント事業展開を行う。
設立:2017年4月3日
代表取締役:石川 あゆみ
ホームページ:https://www.shibuya109.co.jp/
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