旭化成エレクトロニクス、自社史上最小・最薄の高精度位置検出用ホールセンサーの量産出荷を開始
旭化成エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区、社長:篠宮 秀行、以下「当社」) は、当社史上最小・最薄※(0.8 x 0.4 x 0.23mm)となる次世代インジウムヒ素(InAs)化合物ホールセンサー「HQ0A11」の量産出荷を2024年11月より開始しました。高精度ホールセンサーシリーズの既存製品である「HQ0811」から85%の体積削減を実現しています。スマートフォン等のカメラモジュールや小型ロボットなどの高性能化に貢献します。
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※「最小・最薄」とは、当社製品群の中での比較を指し、2024年10月時点において HQ0A11 がこれまでInAs系高精度ホールセンサー(HQシリーズ)で最小・最薄であったHQ0811(1.6 x 0.8 x 0.38mm)よりも小型・薄型です。また、HQ0A11は位置検出精度に直結するS/N性能(信号対雑音比)においてもこれまで同シリーズで最高性能であった同製品(HQ0811)よりも約16%上回っています。
HGシリーズ |
HQシリーズ |
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化合物 |
ガリウムヒ素(GaAs) |
インジウムヒ素(InAs) |
特長 |
安定した温度特性、高磁場環境下でも良好な線形性 |
HGシリーズよりも電子移動度が高く、高感度 |
ホールセンサーとは、磁場(磁束密度)を検出する磁気センサーです。当社は、1974年に自動車用エアバッグのセンサー開発からホールセンサーの事業化をスタートし、時代のニーズに応えながら開発や自社製造ノウハウを進化させ、これまで累計500億個以上のホールセンサーを出荷してきました。
近年ではスマートフォンのカメラの手ブレ補正やオートフォーカス機能などに多くの位置検出用ホールセンサーが採用されていますが、カメラの高機能化・高精細化に伴い、搭載点数の増加や搭載スペースの縮小化が進んでおり、限られたスペースに高密度での部品実装を可能にする超小型品へのニーズが高まっています。また、業務用・家庭用の小型ロボットなどでの用途展開も広がっています。
新製品HQ0A11は化合物半導体素材であるインジウムヒ素の特性を生かし、当社の位置検出用ホールセンサーにおいて史上最高のS/N性能を実現しました。これまでのカメラモジュール向け主力製品であったガリウムヒ素系ホールセンサー「HG0C11」と比較し、3.5倍以上となる位置検出精度を実現します。これによりスマートフォンカメラの特に望遠レンズで発生しやすい「レンズ揺れ」も大幅に低減することが可能となります。
当社は独自の化合物半導体技術によりスマートフォンのみならず、ロボット向け小型モーターなど今後のエレクトロニクス製品のさらなる小型化・高機能化に貢献していきます。
製品の特長
1. 当社史上最小・最薄パッケージの高精度ホールセンサー
当社の化合物半導体成膜技術、自社パッケージ技術を結集し、小型・薄型(0.8 x 0.4 x 0.23mm)サイズを実現。スマートフォンカメラ・レンズモジュール等、実装面積に制約のあるアプリケーションでの設計自由度が向上します。
2. さらなるレンズ位置高精度制御を実現する高S/N性能
ノイズ低減技術により、カメラモジュール向け主流製品であるHG0C11に対し3.5倍以上となるS/Nを実現。レンズ位置制御の高分解能化に貢献し、カメラ機能の高機能化を実現します。また、高感度特性を活かし、紙厚検知といったアプリケーションにも適しています。
3. 安定動作
本ホールセンサーには磁性材料が含まれていないため、吸着や磁場の強度の変化による故障や動作異常のリスクが低く、モーター周辺などの環境でも安定した動作を保ちます。
当社のホールセンサー事業について
当社はホールセンサーの事業開始以来、DCブラシレスモーターや電子コンパス、電流センシング等、人びとの日常生活を支えてまいりました。化合物半導体の温度特性に関する知見や、磁気シミュレーション等のノウハウも蓄積しており、例えば、ホールセンサーを複数使うことにより、温度特性をキャンセルし長距離の高精度位置検出を実現する提案など、お客さまの設計を様々な面からサポートしています。
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