リサーチブック『沸騰都市』刊行、連動展示「沸騰都市展|Y/Our Climate Exhibition」をFabCafe Tokyoで3月25日(水)より開催
都市の気候を、自分の身体から考える。リサーチブックを刊行・ダウンロード配布し、対話をひらく展示を実施

株式会社ロフトワーク(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:諏訪光洋)は、2025年夏に実施したビジネスプログラム「Y/Our Climate(ユア クライメイト)」の成果をまとめたリサーチブック『沸騰都市』を2026年3月9日に刊行しました。あわせて、2026年3月25日(水)よりFabCafe Tokyoにて連動展示「沸騰都市展|Y/Our Climate Exhibition」を開催します。
「Y/Our Climate」は、FabCafe Osaka(ファブカフェ オオサカ)と共同で、都市の気候と私たちの暮らしの関係をリサーチし再設計する全7回のレクチャープログラムで、2025年8月から10月にかけて開催しました。参加者と共に、気候の微細な現れに向き合いながら、未来の都市のあり方を探索しました。本書はそのプログラムの成果をまとめたリサーチブックです。
なぜ今、「都市の気候」と向き合うのか?
「地球温暖化の時代は終わった。地球沸騰化の時代が到来した」2023年、世界の平均気温が史上最高を記録した際に発せられたこの言葉は、大きな話題となりました。そして2025年、日本各地で観測史上最高の猛暑日が更新され、豪雨による都市部の浸水被害も相次ぎました。都市は、確実に変わりつつあります。
しかし、私たちが日常で感じているのは「世界平均気温」ではありません。アスファルトの照り返し、建物の間にこもる熱、木陰に入った瞬間の涼しさ。都市の気候は、場所ごとに異なり、時間ごとに揺らぎます。この局所的な気候のあり方を「微気候(マイクロクライメート)」と呼びます。従来の気候変動適応策は、広域的な政策やインフラ整備を中心に進められてきました。それらは重要な取り組みですが、都市の複雑で局所的な環境や、市民一人ひとりの体感までは十分に捉えきれていない側面もあります。
整備されたクーリングシェルターが十分に活用されないケースがあるのは、施策と日常のあいだに、まだ距離があることを示しています。いま求められているのは、政策と現場、データと身体、テクノロジーと空間体験をつなぐ視点です。
本リサーチブック『沸騰都市』は、2025年の猛暑の記録や市民からの観察データ、プログラムでの議論を通じて、都市の気候を「身体スケール」から捉え直し、産業・社会レベルへと接続することを目指しました。「沸騰する都市」という共通課題に対し、一つの分野や組織だけで答えを出すことはできません。だからこそ本書は、問題提起にとどまらず、多様な知見を持ち寄り、具体的なアクションを構想するためのプラットフォームとして制作されました。


本書は冊子版に加え、冒頭約20ページをダウンロード版として公開します。より多くの方に共有することで、「都市の気候」というテーマを一部の専門家だけの議論にとどめず、広く社会の中で語られる問いにしていきたいと考えています。本書は完成形ではなく、対話のためのツールです。読むことから、話すことへ。話すことから、つくることへ。その循環が生まれることを願っています。
なお、冊子版の全文は展示会場にて試し読みいただけます。企業・自治体などで具体的な検討を進めたい方には、展示ツアーへの参加をご案内しています。個人の方も、展示会場で実際に手に取ってご覧いただけます。
『沸騰都市』書籍概要
Introduction|都市は沸騰する
Chapter01|微気候ってなんだろう? ーレクチャー 01-03
Chapter02|日陰を追いかける ーワークショップ
Chapter03|自然を読む ーレクチャー 04-05
Chapter04|遊びと妄想 ーレクチャー 06-07、クロストーク
Chapter05|解きたい問題 ーイシューマップ
Chapter06|これからの展望 ーウィッシュとアクション・シナリオ
Conclusion| 終わりに
発行|株式会社ロフトワーク
発行日|2026年3月13日
編集|株式会社ロフトワーク
デザイン|ampersands
イラスト|越井 隆
印刷・製本|inuuniq
発行部数|200冊(非売品)
3月25日(水)からFabCafe Tokyoで連動展示を開催
本書と連動した展示「沸騰都市展|Y/Our Climate Exhibition」では、リサーチで得られた知見をもとに、気候適応を組み込んだ具体的な空間デザインやテクノロジーのプロトタイプを紹介します。都市の未来をともに考える場として、ぜひご来場ください。

沸騰都市展|Y/Our Climate Exhibition
会期:2026年3月25日(水)〜4月19日(日)
会場:FabCafe Tokyo
熱中症やゲリラ豪雨。都市に点在する「微気候」から、私たち・都市・気候の新しい関係性をさぐる。
1|プログラムのプロセスを追体験するエリア
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リサーチブックの試し読み
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日陰ハントのフィールドノートサンプル
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プログラムから導いたイシューマップ
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フィールドワーク+トークセッションのムービー
参加者がどのように議論し、どんな問いに向き合い、どのような構想にたどり着いたのか。そのプロセスを辿ることができます。
2|都市と気候を体験するエリア
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温湿度計やサーモカメラなどの計測器(都市エコロジー観測所)
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大阪・関西万博の豪雨制御プロジェクト(京都大学防災研究所 豪雨制御プロジェクト)
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積層ハイロフトガーメント(ゴールドウイン)
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気象センサーデバイス(土井樹)
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熱快適性ガイドライン(カナダ・トロント市)
「都市はどうすれば涼しくなるのか?」という問いを、技術・素材・身体・空間の観点から体験的に考える展示です。政策の話ではなく、「自分の都市をどう感じているか?」から始める展示になっています。
3月24日(火)にFabCafe Tokyoで刊行・展示記念トークイベント開催
リサーチブック『沸騰都市』刊行および連動展示「沸騰都市展|Y/Our Climate Exhibition」の開催に先立って、3月24日(火)18時より、刊行・展示記念トークイベントをFabCafe Tokyoで開催します。前半は本リサーチブック及び展示のディレクターがその制作プロセスと、発見したインサイトなどについて解説します。後半は、特別ゲストに建築家/AITEMY代表の津川恵理さんを招き、ヒューマンスケールで考える、これからの気候適応と快適な都市生活のための建築・まちづくり・体験のデザインを考えます。トークセッション後は、展示鑑賞・交流会の時間もご用意しています。ぜひご参加ください。

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開催日 |
2026年3月24日18:00-20:00(受付開始 17:40) |
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会場 |
FabCafe Tokyo(東京都渋谷区道玄坂1丁目22−7 道玄坂ピア 1F) |
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参加費 |
入場時ドリンク一杯購入をお願いします。 |
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定員 |
30名 |
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タイムライン |
18:00-18:30 ディレクター解説(リサーチブック・展示 制作プロセスとインサイト解説) 株式会社ロフトワーク シニアディレクター 国広 信哉 株式会社ロフトワーク クリエイティブディレクター 村上 航 株式会社ゴールドウイン Goldwin Field Research Lab. 上沢 勇人 音楽家、複雑系研究者、Alternative Machine Inc. シニアリサーチャー 土井樹 18:30-19:00 ゲストトーク 建築家/ALTEMY代表 津川恵理 株式会社ロフトワーク Culture Executive 岩沢 エリ 19:00-20:00 自由歓談・展示鑑賞 |
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ご注意 |
・プログラムは、予告なく変更される場合があります。 ・参加者の皆さんの写真や議論の内容は、後日Loftwork.comに掲載する場合があります。 |
参加希望の方は、申込フォームより事前にお申し込みください。
メッセージ
── ロフトワークと国広信哉の視点から
本企画は、ロフトワークのシニアディレクター・国広信哉が、自身の探究を起点に立ち上げたものです。これまで国広は、太陽光のみで稼働する「オフグリッド・ウェブサイト」の実装や、エネルギーの視点からクリエイティブを再考する実践を通じて、見えない気候やエネルギーの存在に身体的に触れる方法を模索してきました。
その問題意識を、個人の実践にとどめず、企業や自治体、研究者とともに検討する場として社会化したのが、2025年夏に実施したビジネスプログラム「Y/Our Climate」です。都市を歩き、観察し、議論し、構想するプロセスを通じて、「都市の気候」を事業や空間、社会システムの視点から再考しました。今回刊行するリサーチブックと展示は、その実践の記録であると同時に、これから議論を広げていくための入り口でもあります。

2025年の夏は「痛い」ほどの暑さでした。室内での「温活」や北向きの部屋の需要増など、生活者の価値観はすでに転換し始めています。今必要なのは、形骸化した避難所のようなトップダウンの施策だけではなく、個人の実体験や知恵を、ビジネスや政策に編み直すボトムアップの動きです。本書が、2026年の新しい都市の暮らしを皆さんと共に仕掛けていく、実践の入り口となることを願っています。(国広信哉)
体制

ロフトワーク
ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。

FabCafe
FabCafeは、世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティです。 人が集うカフェに、3Dプリンターやレーザーカッター等のデジタルものづくりマシンを設置。 “デジタル”と“リアル”の壁を自由に横断し、未来のイノベーションを生み出します。

ゴールドウイン
ゴールドウインは、モノづくり、コトづくり、環境づくりの3つを軸に、スポーツやアウトドアの領域を中心に人々の新たな挑戦を支え、その可能性をひらいていくライフスタイルクリエイティブカンパニーです。素材や技術、テクノロジー、環境の研究を日々行いながら、多様な背景、専門性をもったブランドの知恵やアイディアをゴールドウイン全体で共有し、モノづくりとコミュニケーションを進化させ続けています。スポーツから日々の暮らしまで、人間のパフォーマンスを最大化することはもちろん、環境負荷を可能な限り減らし、人間を生かし、人間が遊ぶフィールドである自然をより豊かなものにしていきます。誰かがではなく、私たちが率先し、よりよい未来をつくっていきます。

都市エコロジー観測所
都市での私たちの生活は、さまざまなモノや資源の流れによって支えられています。電気、上下水道、ガス、といったライフライン、スーパーマーケットに食料を供給する物流システム、インターネット。ネットワーク状のインフラストラクチャーが、私たちの都市での生活を成り立たせています。そして都市は、複雑な生態系でもあります。公園や庭、街路樹、河川、周辺の農地や山地、そこに降り注ぐ太陽光や雨、風が、建物や舗装された道路などの建造物環境と相互作用しています。都市エコロジー観測所は、この複雑な関係性が私たちの生活をどのように形作っているかをDIY的に探求し、観測、記録する市民参加型の施設です。
リサーチブック デザイン
ampersands
アンパサンズは、デザインからディレクションまでを手掛けるデザインスタジオです。
何をつくるのか、そして何をするのかを考え、プロジェクトが「心地よい」かたちにたどり着くよう、対話を重視しながらデザインに取り組んでいます。 また、自主レーベル”applause”からアートブックの出版や関連したグッズの制作、展示の企画なども行っています。
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