レノボ、NVIDIAを搭載した生成AIワークフロー向けのワークステーションを発表
https://news.lenovo.com/accelerating-the-opportunities-of-generative-ai-with-lenovo-ai-workstations-and-nvidia/
レノボは、NVIDIAの年次イベント「NVIDIA GTC」で、AI開発者が自動ワークフローを通して生産性を向上できるNVIDIA AI EnterpriseおよびNVIDIA AI Workbenchを搭載したレノボワークステーションを発表しました。両製品は、NVIDIA CUDA®(注1)コンピュートプラットフォームを土台とするとともに、CUDA-Xライブラリを活用し、さまざまな種類のデータタイプにおいてデータ処理を高速化させます。これには、NVIDIA RAPIDS™ cuDF(注2)ライブラリが含まれています。
大規模言語モデル(LLM)を用いたデータサイエンスと生成AIのワークフローの進化により、AIワークフロー専用に設計されたNVIDIA A800 40GB Activeや前例のない多目的性能向けNVIDIA RTX™ 6000 Ada Generationなど、強力なNVIDIA GPUが必要となっています。このGPUは、レノボのThinkStationおよび ThinkPadのシステムに搭載することができ、あらゆる種類のAIワークフローを扱う組織に対して個別のスーパーコンピューティング環境を提供します。例えば、NVIDIA RTX 5000 Ada Generation Laptop GPUを搭載したThinkPad P16 Gen 2は、要求の厳しいプロの仕事に適した最先端の技術を具現化しています。この強力なノートPCは、モバイルAI開発を強化するために設計されており、膨大な計算能力を必要とするタスクにおいて、無類の性能を生かしてLLMをファインチューニングします。
NVIDIA RTX™ 6000 Ada Generation GPU(注3)を使用することにより、pandasソフトウェアを使用する約1000万人のデータサイエンティストの仕事を、コードの変更なしに最大110 倍(注4)加速化させることができます。
RAPIDS cuDF、NVIDIA AI Workbench、およびNVIDIA AI Enterpriseは、レノボのAIワークステーションソリューション・ポートフォリオの一環として入手することができます。これにより、データサイエンス、生成AI&LLMのトレーニング、およびファインチューニングのワークフローの生産性と効率性の向上に向けて構築されたエンタープライズクラスのフルスタックAI 開発者ソフトウェア・プラットフォームをいつでもどこでも活用できます。
レノボワークステーションは、NVIDIA AI Enterpriseを使用して、推論およびRAG (検索により強化した文章生成) においてNVIDIA NIMおよびNeMo Retrieverマイクロサービスをサポートします(注5)。これにより、開発者は、自らの強力なローカルシステムで生成AIアプリケーションを使用できます。
レノボのワークステーション&クライアントAI事業部バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるロブ・ハーマン(Rob Herman)は、次のように述べています。
「レノボは、NVIDIAとのパートナーシップの拡大を嬉しく思います。また、GPU アクセラレーションを搭載したLenovo™ ThinkStation™デスクトップPCとThinkPad™モバイルワークステーションによる、コンピューティング、AI、および生成 AIがもたらす大きなチャンスを模索する業界専門家とデータサイエンティストに対して、今後も共同で提供できる可能性を嬉しく思います。」
2つのIntel Xeon CPU と4つのNVIDIA RTX 6000 Ada GPUを搭載したThinkStation PX
生成 AI 向けレノボワークステーション
外出先のデータサイエンティストに最適のThinkPad Pシリーズ・モバイルワークステーションから、AIワークフロー向けの世界最速、最強、および最先端のThinkStation PXワークステーション(注6)まで、レノボワークステーション・ポートフォリオは、市場最大のAI-Ready(注7)製品群です。今日のAIワークロード向けに汎用性の高いソリューションを提供します。また、オープンソースのオペレーティングシステムの開発に対するレノボの取り組みは、揺るぎないものであり、Linuxの開発と認定のために毎年リソースを投資しています。その積極的な姿勢は、販売前および販売後の包括的なLinuxサービスで裏付けられた業界で最も幅広いLinux認定ワークステーション(注8)の品揃えを見ると明らかです。レノボの積極的な取り組みは、技術的な知識だけでなく、信頼性のあるカスタマイズ可能なソリューションを求める多様な顧客のニーズを満たそうとする姿勢に表れています。
データサイエンティスト向けThinkStation PX
言語モデルにおける専用データの利用に伴うセキュリティの懸念、そしてデータおよびLLMのトレーニングに伴うコストの上昇を考慮した結果、現在多くの企業は、自らホスティングおよび開発したLLMおよび小規模言語モデル(SLM)へと移行しつつあります。多くの企業は、生成AIを推進するにあたり、既存のモデルを活用し、より安全なサンドボックス環境において自らのデータを用いてそれを補う方が簡単で有益であると気づきつつあります。レノボワークステーションとNVIDIA AI Enterpriseを利用することで、AI開発者およびデータサイエンティストは、チャットボットの作成、音声文字変換、画像操作、その他の新興アプリケーションなど、一般的な使用例を参考にして、先を見越したLLMおよびSMLのアドバイスを手に入れることができます。
オープンソース技術の向上に向けたレノボの取り組みは、膨大な投資により輝きを増しています。これは、ワークステーション、サーバー、およびエッジデバイスを網羅した幅広いポートフォリオにおいて、広範なNVIDIA認定プラットフォームにわたる徹底的な認定と資格取得プロセスに取り組むレノボの断固たる姿勢を示しています。レノボは、Linuxおよびオープンソース構想のサポートを積極的に拡張することにより、技術進歩を推進し、お客様の進化するニーズに応えるべく、先を見据えたアプローチを実践しています。
生成AIの多様な要件に合わせた高性能構成の積極的なキュレーションは、レノボがイノベーションを重視していることを示しています。レノボは、ThinkStationデスクトップPCおよびThinkPad Pシリーズ・モバイルワークステーションの品揃えにおいて、NVIDIA AI EnterpriseおよびNVIDIA AI Workbenchと戦略的提携を行うことにより、AI分野で画期的な結果をもたらすことができます。このような綿密に設計された構成は、性能を向上させ、多くの生成AIアプリケーションおよび複雑なデータセットを扱うユーザーのニーズを予測して対応するレノボの姿勢を明確に示しています。NVIDIAとの協力は、最先端のAIプロジェクトにおいて最高のソリューションを提供するレノボのリーダーシップを明確に示し、業界の先駆者としての確固たる立場を強めるものです。
ターンキー・デジタルツインソリューション:デジタルツインに今すぐ着手
デジタルツインは性能が重視されていますが、既存のハードウェアは、構造的にそのようなアプリケーションに必要な性能要件を満たすことができません。レノボは、お客様がデジタルツインアプリケーションの潜在性を完全に実現することを支援すべく、NVIDIA Omniverse Enterpriseおよびデジタルツインに着手するために必要なターンキー・ソリューションを NVIDIAと協力して開発しました。
お客様は、レノボのThinkStation PXと最大4個のNVIDIA RTX 6000 Ada Generation GPUおよび NVIDIA ConnextX-6高性能ネットワークのパワーと性能、そして機能を組み合わせることにより、ワークフローのデジタル化に伴う複雑さと費用、また事業懸念を減らし、NVIDIA Omniverse Enterpriseを用いたデジタル変革の規模を簡単に拡大できます。このターンキー・デジタルツインプラットフォームは、幅広い業界におけるお客様のもとへ、素早く大きな事業成果をもたらす態勢が整っています。そのためお客様は、1台のワークステーションで小規模に着手した後、より大規模で複雑なデジタルツインプロジェクトに素早く簡単に拡大できます。デジタルツインソリューションは、デスクトップの完全なラックマウント型で着手した後に、大規模デジタルツイン向けのNVIDIAの導入モデルであるNVIDIA OVX(注9)を使用してデータセンターに至るまで拡張することができます。
エンドツーエンドの空間コンピューティングの実現
現在、一部の業界ではデジタル化が非常に急速に進んでいるため、企業は業務のデジタル化の方法を模索しています。 しかし、さまざまな業界の企業は、複数の異なるベンダーから調達する必要のあるハードウェアとソフトウェアの複雑な階層により、空間コンピューティングを用いてデジタルツインを実現するにあたって苦労しています。
空間コンピューティングは、AR、VR、MR、AI & MLなどの没入型技術を使用して、機械、人、物、および環境で構成される活動をデジタル化することにより、完全に対話型の協調環境を生み出してデジタルツインを実現することと定義できます。空間コンピューティングは、CPU、GPU、およびシステムリソースに大きな負荷がかかるため、大量のCPU コア、GPU、メモリ、およびネットワーク帯域幅が必要です。このような要件を集約させるのは難しいということは証明されていますが、レノボのエンタープライズクラスのワークステーションおよび仮想現実ポートフォリオは、高性能ソリューションに必要な能力を提供することができます。ThinkStation PX、ThinkReality VRX HMD、および ThinkReality MDM ソフトウェアは、企業における空間コンピューティングの完璧なソリューションです。
レノボとNVIDIAは、NVIDIA Omniverse Enterprise(OVE)やNVIDIA CloudXRなどの主要なソフトウェアを組み合わせることにより、空間コンピューティングのために完全に検証されたリファレンスアーキテクチャを提供できます。これは現在、業界他社には真似ができないことです。(注10)アーキテクチャは下記の構成になっています。
・ThinkStation PX ワークステーション
・ThinkReality VRX HMD
・ThinkReality MDM ソフトウェア
・NVIDIA Cloud XR
・NVIDIA Omniverse Enterprise
このエンドツーエンドのソリューション、つまりレノボの空間コンピューティング機器を使用することにより、デジタルツイン技術の可能性を実現できます。このスタンドアロン型ワークステーション機器は、オフィスにラックマウント式で設置することができ、また、Autodesk VREDやNVIDIA Omniverse Enterpriseなどのプロ用のソフトウェアを使用することで、マルチユーザーの協調的VR体験を1台のThinkStation PXワークステーションから4台の異なるThinkReality VRXヘッドセットに、同時に簡単にピクセルストリーミングできます。航空宇宙、自動車、建築、技術、建設、製造、製品設計など、多くの異なる業界をわたって協働設計レビューができるプラットフォームを簡単に管理し、ホスティングできます。また、1 台の集中型のオンプレミスリソースを没入型体験用に使用することにより、遅延を抑え、エンドユーザーに対して、より高品質の再生可能な体験を提供します。さらにVR体験は、NVIDIA CloudXRを使用してThinkReality VRXヘッドセットにストリーミングされるため、ユーザーがワークステーションに物理的に接続する必要はありません。
この機器は、4 台のThinkReality VRXヘッドセットをサポートします。各ヘッドセットは、プロジェクトデータセットの大きさや複雑さに関わらず、専用の NVIDIA RTX6000 Ada GPUへ完全にアクセスして、最高性能のプロ用の VR 体験を提供します。
より小規模で高速の将来に向けたレノボワークステーションの取り組みに関する詳細は、https://techtoday.lenovo.com/us/en/workstations をご覧ください。
(注1)NVIDIA CUDAについて(英語)https://developer.nvidia.com/about-cuda
(注2)NVIDIA RAPIDS™ cuDFについて(英語)https://developer.nvidia.com/rapids
(注3)NVIDIA RTX™ 6000 Ada Generation GPUについて(英語)https://www.nvidia.com/en-us/design-visualization/rtx-6000/
(注4)CPUのみのワークフローとの比較
(注5)NVIDIA NIMおよびNeMo Retrieverマイクロサービスについて(英語)https://nvidianews.nvidia.com/news/generative-ai-microservices-for-developers
(注6)出典:CPUとGPUの同時ワークロードに組み合わせに関する 2024年3月の社内分析。
(注7)出典:CPUとGPUの同時ワークロードに組み合わせに関する2024年3月の社内分析。
(注8)出典:プロ用のLinux認定ワークステーションの台数に基づく上位 5 社のグローバルベンダーに関する2024 年3月の社内分析。
(注9)NVIDIA OVXについて(英語)https://lenovopress.lenovo.com/lp1595-lenovo-everyscale-ovx-solution-for-nvidia-omniverse
(注10)2024年3月の社内分析によると、レノボは4台のNVIDIA RTX6000 Ada GPUとNVIDIA ConnextX-6 Ethernetを同時に同じワークステーションでサポートできる唯一のグローバルOEM企業です。
Lenovoは、Lenovoの商標です。
その他の製品名および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
<レノボ・ジャパン ホームページ>
トップページ https://www.lenovo.com/jp/ja/
プレスリリース https://www.lenovo.com/jp/ja/news/
<レノボについて>
レノボは、売上高620億米ドルの世界的なテクノロジー企業であり、Fortune Global 500の217位にランクされています。世界中で7万7000人の従業員を抱え、180市場で毎日数百万人の顧客にサービスを提供しています。レノボは、すべての人にスマートなテクノロジーを提供するというビジョン「Smarter Technology for All」を掲げ、世界最大のPCメーカーとしての成功を基に、サーバー、ストレージ、モバイル、ソリューション、サービスといった「New IT」技術(クライアント、エッジ、クラウド、ネットワーク、インテリジェンス)の発展を促進する新たな成長分野へも進出しています。世界を変革するテクノロジーを提供することで世界中のあらゆる場所のすべての人にとってより包括的で信頼できるスマートな未来を築きます。
レノボは香港証券取引所にレノボ・グループ・リミテッド(HKSE:992/ADR:LNVGY)として上場しています。
詳しくは https://www.lenovo.com/jp/ja/ でご覧いただけます。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像