経理はなぜ、 忙しいままなのか。
システム間に残る「確認と判断」を、AIによる一次判定へ。月7,000~8,000件の経費申請から得た実践知を紹介
SHIFTのAI実践知レター
第1回 経理・経費精算業務 編
経理はなぜ、 忙しいままなのか。
システムの間に残る、「人の判断」を、SHIFTはどう変えたか
SHIFTは2025年1月に「AIネイティブのSIカンパニー」を宣言し、自社のさまざまな業務でAI活用を進めてきました。 SHIFTは、それまで限られた熟練者の経験や勘に依存してきたソフトウェアテストを、専門的な判断が必要な工程と標準化できる工程に分け、再現可能なプロセスへ変えることで成長してきた会社です。長年にわたり蓄積してきた不具合データや現場の知見は、独自の標準化ノウハウとして磨かれ、現在のAI活用にもつながっています。
業務を分解し、データを蓄積し、仕組みとして横展開する。その経験をもつSHIFTでも、AIを使える環境さえ整えれば現場の仕事が変わる、というほど簡単ではありませんでした。
AIを試す場や活用事例を共有するポータルをつくり、研修や勉強会、市民開発も進めました。トップダウンだけでなく、社員が面白がり、自ら広げたくなる仕掛けも重ねました。 それでも、使える環境があることと、日々の仕事が変わることは別でした。SHIFTが次に向き合った課題は、以下でした。
「AIを使ってもらうことではなく、意識しなくてもAIが業務のなかで働く状態をどうつくるか。」
SHIFTは、自社を実践の場とし、そこで得た成功や失敗、実運用で直面した課題を、お客様の業務変革に生かせる知見として蓄積しています。
AIを使える環境があっても、日々の仕事が変わるとは限らない。その課題が、分かりやすい形で表れていた業務の一つが、経費精算です。
このレターでお伝えしたいこと
すでにデジタル化されていた経費精算業務に、なぜ人の確認と判断が残っていたのか、SHIFTがどこをAIへ任せ、どこを人に残したのかを紹介します。成果だけでなく、AIをどこまで信頼するのか、現場で安心して任せられる運用をどうつくるのかという、実装後に生まれた課題もお伝えします。

便利なシステムは、すでにあった。 それでも経理の仕事は減らなかった
SHIFTでは、経費申請はすでにシステム化されていました。それでも月間7,000件から8,000件ほどの経費申請を処理するなかで、月末月初になると、経理担当者の手元には多くの確認作業が残っていました。 例えば、申請された交通費が事前の稟議と合っているか。休日の移動なら、実際に出勤していたか。領収書の金額や日付、申請内容に不備などはないか。経理担当者は複数のシステムを開き、一件ずつ確かめていました。
経理以外の社員から見れば、経費精算はすでにシステム化された業務です。しかし、その裏側では、システムとシステムの間に残された確認と判断を、経理担当者が人の手でつないでいました。

SHIFTが経理業務でAI化しようとしたのは、申請の入り口ではありません。経理担当者が見ていた情報と、「何をもって問題なしと判断しているか」という判断基準を整理し、AIが複数の情報を突合して一次判定を行う仕組みを構築しました。一部の部門を対象に試験運用を行い、対象となる申請の7割から8割程度をAIが一次判定できることを確認。現在は、経理担当者は相違や例外の可能性がある申請を優先して確認する形へ移行を進めています。
また、経理担当者と申請者間の確認や説明の往復は、双方にとって目に見えない負担となっていました。そこで、申請に不備が見つかった場合には、どの情報が判断基準と合っていないのかをAIが整理し、申請者へ伝える文面の作成にもAIを活用しています。
効果が見えたあとに、次の問いが生まれた
AIが一次判定をしても、その結果を経理担当者がすべて確認するのでは、業務負荷は十分には減りません。
「AIが一次判定した申請を、どこまで人は“見なくてよい”のか。」
これが、次にSHIFTが向き合うことになった問いでした。AIが判定できる仕組みをつくることと、その判定を実業務で利用できる状態にすることは別の課題でした。本番運用に向けては、AIの判定精度を継続的に確認する方法、一定数のサンプリング、記録、想定外の申請が発生した際の判断基準の見直しなどの整理が必要です。仕組みをつくる以上に、AIの判定を業務へ取り入れ、また安心してAIに任せられる運用をつくることのほうが難しかったともいえます。
大きな投資は難しい。しかし、業務変革は待ってくれない
多くの企業において、経理をはじめとするバックオフィス業務は、事業成長に直結する投資と比べて、システム刷新に大規模な投資の優先順位を上げにくいのが現状です。関係部門との調整にも相応の時間がかかります。そうした事情は、業種を問わず共通しています。一つひとつの処理だけを見れば、新しい仕組みを開発するより、人が確認したほうが現実的だった。その判断には、これまで一定の合理性がありました。
しかし、人手不足のなか、扱うシステムや社内ルール、確認すべき情報は増えています。技術の進化や業務の複雑化に伴い、バックオフィスが担う仕事は軽くなるどころか、重くなることもあります。人を増やし、システムの間に残る業務を埋めつづけることも難しくなっています。
大規模なシステム刷新には踏み切れない。しかし、人が確認することを前提とした業務を、このまま続けることも難しい。そんなジレンマを抱える企業は少なくありません。
SHIFTが選んだのは、すべてを一度に変える方法ではありません。既存の仕組みを生かしながら、人が担っている確認や判断を見つけ、変えられる工程から小さく切り出す方法でした。経費精算システムそのものを大きく変更するのではなく、一部の部門で試験運用を行い、経理担当者が判定結果を確認しながら、判断基準や運用方法を調整しています。
すべてを一度に変えるのではなく、既存の仕組みを生かしながら、変えられる工程から始める。SHIFTの経費精算業務も、現在その過程にあります。
SHIFTの経費精算業務の実践を、コラム記事として紹介しています
実践知レター連動コラム_経理・経費精算(前・後編)

|
SHIFT社内において毎月7,000~8,000件規模の経費精算業務を見直すなかで見えてきた「システムを導入しても仕事が減らない理由」をご紹介します。 |

|
SHIFTが選んだ、既存システムをつくり直さず「人の作業として残った仕事を切り出し、AIによる一次判定へ変える」その仕組みと効果、実運用で新たに見えてきた課題を紹介します。 |
【自社の経理・バックオフィス業務について相談する】
既存システムを導入しても手作業が減らない、どの業務からAI化すべきか分からないといった課題について、現在の業務を確認するところからご相談いただけます。
SHIFT AI駆動型 業務代行支援|AI BPaaS サービスサイト
お問い合わせ・ご相談はこちら
関連資料DLはこちら
株式会社SHIFTについて
SHIFTは、お客様の事業成果まで伴走する「サービスインテグレーター」です。品質を起点にAI等の最新技術を活用し、ビジネスの立ち上げからシステムの開発・運用まで一貫した支援を提供しています。AIで人の能力を拡張し、現場の知見や創造力を活かしてお客様の挑戦を支え、企業の変革を加速させることで、持続可能な社会の実現と社会課題の解決に貢献してまいります。
・名称:株式会社SHIFT
・代表:代表取締役社長 丹下 大
・住所:東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー
・設立:2005年9月
・事業内容:コンサルティング/IT・DX戦略立案・要件定義
システム・アプリケーション開発
ソフトウェアの品質保証・テスト
保守・運用・継続的な改善
AI活用・DX/AX推進支援
・コーポレートサイト:https://www.shiftinc.jp/
・サービスサイト:https://service.shiftinc.jp/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
