二極化の傾向が明らかに ハイブリッドワーク実態調査 2024

レノボ

レノボ・ジャパン合同会社(本社・東京都千代田区、代表取締役社長 檜山 太郎、以下 レノボ)は、ハイブリッドワークを「一人ひとりが目的や状況に応じて能動的にワークスタイルを選択できる働き方」と定義し、場所にとらわれず、自らが業務内容に合わせて高い生産性を発揮できる環境を選択可能な働き方を推進しています。

アフターコロナの働き方が固まりつつある今日、レノボは日本におけるハイブリッドワークの実態と、さらなる推進に向けた課題の把握を目的に、次の通り働き方に関する調査を行いました。

第1章 ハイブリッドワークの普及状況
ハイブリッドワークが社会にどれだけ普及しているのか実態を知るために、ハイブリッドワークに対する認知度、テレワーク制度の導入状況、テレワーク制度の利用状況、3つ観点で調査を実施しました。

(1) ハイブリッドワークに対する認知度
ハイブリッドワークという言葉の認知について質問をしたところ、「知っている」と回答した人は全体の44.5%、「知らない」と回答した人は全体の55.5%でした。認知度は20代が最も高く、年齢が上がるにつれて下がっていく傾向が見られました。



(2) テレワーク制度の導入状況
テレワーク制度の導入状況について質問したところ、「組織として導入されており、自分にも適用されている」と回答した人は28.5%、「組織として導入されており、自分には適用されていない」は13.1%、「廃止された」は4.3%、「導入されていない」は54.1%でした。このことから、約4割の企業がテレワーク制度を導入していることが明らかになりました。一方で、4.3%が廃止されたと回答していることから、テレワークの導入が微減傾向にあることもわかりました。

従業員数別に見ると、3,000人以上の企業では、67.2%(合計値)がテレワーク制度を導入しており、300人未満の企業の26%(合計値)と比較して、従業員規模によって約2.6倍の差が見られました。
地域別でテレワーク制度の導入率を比較すると、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)が54.4%(合計値)と、他の地域と比べて高い数値となりました。その他の地域は平均(41.6%)を下回っており、東京圏から離れるほど導入率が低い結果となり、東京圏が導入率を押し上げていることがわかりました。



(3) テレワーク制度の利用状況
質問で「テレワークが可能な職務である」と回答した人のうち、過去1年以内でテレワークを実際に利用した人は79.2%、利用していない人は20.8%でした。約2割の人は業務内容としてテレワークが可能であっても制度を利用できていない実態がわかりました。


(4) テレワーク制度を利用していない人の理由
テレワーク制度があるにもかかわらず、直近1年間でテレワークを利用していない人に対して、その理由を質問しました。回答として多かったものは、上位から「オフィスの方が働きやすい」67.4%、「コピー機・プリンタなどの機器が必要だから」57.2%、「情報保護の観点」51.7%、「対面でのコミュニケーションが求められるため」44.9%という結果になりました。

コピー機やプリンタといった物理的勤務環境や、情報保護などのセキュリティ上の制限、社内での対面コミュニケーションのニーズといった理由が、「オフィスを敢えて選択する」という回答に反映されたと考えられます。



第2章 ハイブリッドワークの中身
調査結果からわかったハイブリッドワークの中身について、詳しく紹介します。

(1) テレワーク・出社の選びやすさ
質問で「組織としてテレワークが導入されており、自分にも適用されている」と回答した人(第1章(2))に対して、勤務形態の選びやすさを質問しました。「できる(上司への申請や報告は不要)」と回答した人が43.0%と最も高く、「できる(上司への申請は必要ないが、報告は必要」31.3%、「できる(上司への申請かつ報告が必要)」が18.1%と続く結果となりました。

2022年の調査結果と比べると、事前申請や報告を省ける回答者数が増える結果となりました。テレワークが導入されている会社においては、事前申請や報告手続きを何らかの形で省き、柔軟性を高めている傾向がうかがえます。



「テレワークが可能な職務である」と回答した人のうち、約半数である43.5%が週5日出社(基本的に出社)を選択する結果となりました。また、週の半分以上(3日以上)出社している人は66.3%(合計値)と、過半数を占めており、テレワークが可能な職務であっても、半数以上は週の半分以上出社していることがわかりました。このことから、コロナ禍における緊急対応としての在宅勤務とは異なりハイブリッドな働き方が浸透しつつあること、一方で出勤日の設定については週3日が比較的多い傾向にはあるものの、企業や組織によって異なるルールが設定されている状況が明らかになりました。



(2) 勤務場所の選びやすさ
「テレワークが可能な職務である」と回答した人に対して、勤務する場所の選びやすさを質問しました。「できる(上司への申請や報告は不要)」を選んだ人が41.6%と最も高く、「できる(上司への申請は必要ないが、報告は必要」は28.3%、「できる(上司への申請かつ報告が必要)」は16.2%となりました。働く場所についても、テレワーク導入企業の大部分が申請・報告手続きを簡略化していることがうかがえます。



第3章 改善すべきポイント
第1章(2)で、テレワークが「廃止された」と回答した人が4.3%、「導入されていない」と回答した人が54.1%でした。6割近くの人はテレワークが制度として導入されていない企業や組織で勤務しています。また、第1章(3)では、テレワークの制度があっても利用していない人の割合は、約2割に達していることもわかりました。
第2章(1)では、テレワーク制度を導入している企業は、より柔軟性をもたせる傾向が見られました。つまり、テレワークを導入した企業はその価値を認め、さらに推進させている傾向にあると考えられます。テレワーク制度をより普及させるために、改善が求められるポイントを紹介します。

(1) 円滑なコミュニケーションと物理的な環境整備
「組織としてテレワークが導入されており、自分にも適用されている」と回答した人(第1章(2))に対して、テレワークしにくいと感じた時の理由を質問しました。最も多かった回答は「社内関係者とコミュニケーションがとりづらい」の22.0%で、続いて「仕事とプライベートとのメリハリがつかない」17.9%、「ついつい仕事以外のことをしてしまう」14.0%、「社外関係者とコミュニケーションがとりづらい」13.8%、「出社しないとやる気がないと思われる」12.5%、「職場がテレワーク環境に設備投資できていない」11.4%、「職場以外だと部屋・机・椅子などの物理的環境が整っていない」11.1%となりました。
「メリハリ」や「やる気」などの回答者自身に起因する部分を除き、会社に起因する要因の中では、コミュニケーションの課題が最も大きく、次に物理的設備の整備状況が大きいことがわかりました。



(2) テレワークに必要な設備投資
直近1年間でテレワークをしたことがある人に対して、「テレワーク環境下で使用したことがある機器・設備」と「自分で購入した経験の有無」を質問しました。
使用したことがある機器・設備で最も多かったのは、テレワークでの活用が必須となる「ノートPC」で82.4%でした。また、自分で購入した経験がある機器・設備についても、「ノートPC」が36.7%と最も高い数値となりました。一方で、周辺環境の整備については道半ばである現状が明らかになりました。



(3) 勤務環境の変化
直近1年間でテレワークをしたことがある人に対して、テレワークを行ったことがある場所を質問しました。「自宅(リビング等の共有スペース)」を選んだ人が52.3%、「自宅(テレワーク専用のスペース)」は51.3%、「自社で所有するサテライトオフィスや支店」は15.1%、「コワーキングスペース」は14.7%、「駅やビル内にある電話ボックス型テレワークスペース」は9.1%となり、自宅でテレワークをする人が多い一方で、自宅以外のサードプレイスの活用が一定レベルで進んでいることがわかりました。



働く場所による仕事の成果が良くなる場所についても質問したところ、「④自宅+自宅以外」が47.4%と、最も高い結果となりました。また、「①自宅(専用スペース)」と「②自宅(共有スペース)」を併用している場合(③や④)は、「良くなる」や「どちらかというと良くなる」の回答が比較的大きくなることがわかりました。このように、自宅以外の場所を選択することで、より成果が良くなると考えている傾向にあり、その時の状況や気分に応じて働く場所を変えることが、成果につながりやすいと感じていることがうかがえます。



まとめ
ハイブリッドワークに対する認知率は高く、働く環境選択の自由度が高ければ仕事の成果が出やすいと感じている人が多いことが明らかになりました。一方で、活用の度合いは企業規模や地域によって大きな差が見られ、「変わらない会社」と「変わりゆく会社」の働き方の二極化が進んでいると考えられます。
2024年、企業としてどのような勤務ポリシーを選択するのか、従業員体験を経営課題としてどこまで位置づけるのか、それらが問われる時代になっています。

<調査概要>
タイトル:ワークスタイルに関する調査
対象エリア:全国
調査対象:20歳~69歳の会社員・公務員・各種団体職員2,000人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年2月26日~2月27日
調査主体:レノボ・ジャパン合同会社
調査実施機関:株式会社ネオマーケティング
 

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<レノボについて>
レノボは、売上高620億米ドルの世界的なテクノロジー企業であり、Fortune Global 500の217位にランクされています。世界中で7万7000人の従業員を抱え、180市場で毎日数百万人の顧客にサービスを提供しています。レノボは、すべての人にスマートなテクノロジーを提供するというビジョン「Smarter Technology for All」を掲げ、世界最大のPCメーカーとしての成功を基に、サーバー、ストレージ、モバイル、ソリューション、サービスといった「New IT」技術(クライアント、エッジ、クラウド、ネットワーク、インテリジェンス)の発展を促進する新たな成長分野へも進出しています。世界を変革するテクノロジーを提供することで世界中のあらゆる場所のすべての人にとってより包括的で信頼できるスマートな未来を築きます。レノボは香港証券取引所にレノボ・グループ・リミテッド(HKSE:992/ADR:LNVGY)として上場しています。
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会社概要

レノボ・ジャパン合同会社

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業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区外神田 秋葉原UDX 北ウイング10階
電話番号
0120-030-984
代表者名
檜山太郎
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2005年05月