IFS調査、公益事業の新たな重点課題は「送電網のレジリエンス」と「エネルギー料金の負担抑制」

2026年9月24日、ロンドン(英国)― 産業用AIソフトウェアのリーディングプロバイダーであるIFSは本日、世界のエネルギー・公益事業者を対象とした調査の結果を発表しました。これまでサステナビリティや脱炭素化が中心だった投資の優先順位に大きな揺り戻しが起きていることが明らかになりました。老朽化したインフラ、料金負担の抑制に対する圧力、供給信頼性の課題を背景に、公益事業の経営層は、中核業務の強化とエネルギー転換の推進を両立する、よりバランスの取れた投資戦略への転換を迫られています。
調査からは、公益事業者が送電網の強靭化、新たなエネルギー源と蓄電、資産ライフサイクル管理の高度化に力を入れていることも分かりました。いずれの取り組みも産業用AIを基盤としており、パフォーマンスの最適化やレジリエンスの向上、お客様や規制当局に対するより良い成果の実現を目指しています。
本調査は、Censuswideが世界の公益事業の経営幹部および上級管理職850人を対象に実施したものです。データセンターや電化の進展による前例のない電力需要の増加に加え、異常気象の影響もあり、公益事業が多方面から大きな圧力にさらされている実態が浮き彫りになりました。
IFS エネルギー・公益事業担当バイスプレジデント キャロル・ジョンストンは次のように述べています。
「エネルギー業界では、急速な揺り戻しが起きています。サステナビリティは引き続き公益事業にとって重要な目標ですが、運用環境や地政学的な情勢の変化を受け、よりバランスの取れた投資方針が求められるようになっています。数十年にわたる投資不足に加え、硬直的な料金認可制度や老朽化した送電網により、供給信頼性、レジリエンス、料金負担の抑制に同時に取り組まなければならない状況が生まれています。」
主な調査結果
送電網の信頼性強化が最優先課題に
公益事業の経営層が最も重要な業務課題に挙げたのは、既存送電網の信頼性強化です。異常気象やサイバー脅威に備え、送電網のレジリエンスを高めることが求められています。これを受けて既存インフラの見直しも進んでおり、26%が既存の送電網インフラへの投資を優先するため、保有資産のポートフォリオを積極的に再評価しています。
AIはエネルギー転換に欠かせない存在に
産業用AIは、分断されたシステムをつなぎ、停電につながる前に設備の故障を予測し、複雑な業務フローを自動化するための基盤として存在感を増しています。公益事業の経営層の57%が、AIは運用コストの削減に極めて重要だと考えており、ほぼ半数(47%)が、資産パフォーマンスの最適化や電化に伴う需要増への対応にAIが極めて重要だと回答しています。
資産ライフサイクル管理が、公益事業の近代化とサイロ解消のカギに
一方で、新技術の導入はデータ基盤の課題によって妨げられています。49%が、業務データのサイロ化によってリアルタイムの意思決定が難しくなっていると回答しました。多額の投資を行っているにもかかわらず、多くの公益事業者の資産ライフサイクル管理は依然として「発展途上」の段階にあり、システムのサイロ化や予測機能の不足が課題となっています。資産ライフサイクル管理の能力を「高度」と評価したのはわずか33%にとどまり、51%は資産管理システムを導入しているものの、サイロ化した状態で運用しており、予測機能も限られていると回答しています。こうした結果から、レジリエンス、供給信頼性、投資計画の中核として、資産管理の近代化が強く求められていることがうかがえます。
ジョンストンはさらに次のように述べています。
「公益事業者は、新たなインフラへの投資だけで現在の課題を乗り越えることはできません。需要の増加と料金負担の抑制に対応するには、既存資産からより多くの価値を引き出しながら、新たな供給能力、送電網の近代化、レジリエンスの強化に的確に投資する、バランスの取れた戦略が必要です。産業用AIは、資産パフォーマンスを最適化し、投資リターンを最大化し、複雑さを増す運用環境の中でも安定したサービスを維持するために必要な意思決定インテリジェンスを提供します。」
未来の送電網に備える:新たな蓄電、エネルギー源、セキュリティ
既存インフラの維持と供給能力の拡大の間で設備投資のバランスを取ることが難しくなるなか、従来の送電網管理の手法は限界に近づいています。調査では、需要の変動への対応や長期停電の防止に向けて、蓄電池システム(BESS)や分散型エネルギー資源管理システム(DERMS)など、送電網の柔軟性を高める取り組みが広がっていることも分かりました。今後、クリーンなベースロード電源を継続的に確保するうえで長期的に最も大きな影響を与える技術としては、次世代地熱発電(22%)と小型モジュール炉(SMR)(18%)が挙げられました。また、46%が、再生可能エネルギーや分散型エネルギーの統合を加速するうえでAIが極めて重要だと回答しています。
今回の調査結果は、エネルギー・公益事業のデジタルトランスフォーメーション戦略において、汎用的なソフトウェアの導入よりも、送電網の稼働率、カスタマーエクスペリエンス、規制遵守といった測定可能な業務成果を優先すべきであることを示しています。統合された資産ライフサイクル管理と、用途特化型の産業用AIを組み合わせることで、公益事業者はエネルギーの安定供給を確保し、重要インフラを守りながら、将来のクリーンな発電技術に向けた柔軟な基盤を築くことができます。
IFSの委託によりCensuswideが実施した本調査のレポート全文は、9月末に公開予定です。
また、IFSは2026年10月12日から16日まで、米国フロリダ州オーランドで年次カンファレンス「IFS Unleashed 2026」を開催します。エネルギー・公益事業者が、現在そして将来の送電網の課題に対応するために産業用AIをどのように活用しているかをご紹介します。参加登録は、unleashed.ifs.com(英語)をご覧ください。
IFSについて
IFSは、産業用AIおよびエンタープライズソフトウェアの分野で世界をリードするプロバイダーであり、製造、資産管理、サービス運用を通じて、地球を支え、守るハードコアなビジネスを支援しています。IFSのテクノロジーは、製品を製造し、複雑な資産を保守し、サービス重視の業務を管理する企業が、産業用AIの変革力を活用し、生産性、効率性、持続可能性を向上させることを可能にします。
IFS Cloudは、AIを活用した完全にコンポーザブルなプラットフォームであり、お客様の特定の要件やビジネスの進化に柔軟に対応できるよう設計されています。ERP、EAM(企業資産管理)、SCM(サプライチェーン管理)、FSM(フィールドサービス管理)などのニーズを包括的にカバーします。IFSのテクノロジーは、AI、機械学習、リアルタイムデータ、アナリティクスを活用して、お客様が十分な情報に基づいて戦略的な意思決定を行い、「サービスの瞬間 (Moment of Service™) 」を実現できるように支援します。
IFSは1983年に、最初のお客様の敷地の外にテントを張った5人の大学の友人によって設立されました。彼らは、年中無休で対応し、お客様のニーズを第一に考えていました。それ以来、IFSは80カ国で7,000人以上の従業員を抱えるグローバルリーダーに成長しました。機敏性、顧客中心主義、信頼という基本的な価値に基づいて、IFSは価値を提供し、戦略的変革を支援することで世界的に認められています。当社は、この分野で最も推奨されるサプライヤーです。その理由については、ifs.com/jaをご覧ください。
※本プレスリリースは、2026年9月24日に英国で発表されたニュースリリースの抄訳版です。
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