橋梁などインフラ構造物の点検・診断をサポートする2つのツールを開発
~点検・診断品質の向上,業務効率化,コスト削減~
現在,高度経済成長期に急ピッチで整備されたインフラ構造物の老朽化が深刻な課題となっています。とくに橋梁など道路構造物では,5年に1回の定期点検が法令化され,2024年度から3巡目の点検に入るものの,点検・診断現場は,技術者不足が予想されていることから,新技術を活用した業務の効率化および成果の品質向上が求められています。
IHIグループは,これまで鋼製およびコンクリート製橋梁の新設・保全事業で培ってきた橋梁技術に,ICTやAI技術を組み合わせることで,これらの社会課題を解決し,インフラ構造物の維持管理業務のDX化を促進する技術開発に取り組んでいます。
1.「スマホ点検士®」 橋梁定期点検の効率化を支援するスマートフォンシステム (デバイスをリース※)
従来の橋梁定期点検は,現場でデジカメや野帳(野外で記録するためのメモ帳)を使って記録を行い,事務所に戻ってから図面や写真を整理し,さらに指定の点検調書に転記する,という3段階の作業工程でした。
これに対しスマホ点検士®では,スマートフォン1台で損傷部位の撮影や点検情報の入力ができるだけでなく,調書に必要な診断結果の入力も可能です。これによって,事務所ではスマホから必要なデータをパソコンに送るだけで,点検調書を容易に作成できます。このようにスマホ点検士®は,一連の点検・診断作業を大幅に効率化できるシステムです。またタブレット端末に比べて小型かつ軽量のため,現場で両手がふさがることもなく,点検員の安全性が確保できます。
※ 「スマホ点検士」の契約およびリース品提供: 株式会社IHIファイナンスサポート(本社:東京都千代田区,社長:佐田 誠)
【製品紹介ページ】URL: https://www.ihi.co.jp/sp-inspector/
2.「AIcon診断サービス」 コンクリート劣化要因のAI診断+専門家がチェックと対策工法を選定
(受託サービス)
橋梁をはじめとしたコンクリート構造物の損傷写真から,自動的に変状を識別する「変状識別AI」,さらに数種の供用条件を入力するだけでコンクリートの劣化要因を推定する「劣化推定AI」,この2段階のAI判別機能を備えた「AIcon診断」をこのたび開発しました。
このAIcon診断では,コンクリートの代表的な劣化要因(塩害,中性化,ASR,凍害,疲労,乾燥収縮,初期欠陥)から,主要因を,その推定確率とともに示すことができます。さらに本システムは,XAI(説明可能なAI※)を採用しており,その劣化要因として推定した根拠が明文化されます。
IHIグループでは,このAIcon診断による出力を専門家がチェックし,さらに推定された劣化要因や運用条件にあった適切な対策工法をご利用者様に提示する受託サービスを開始しました。また,本受託サービスのアウトプット(報告書)を踏まえ,ご利用者様が予算規模や現場条件に応じた概算工費を算定できる「概算工費システム」のアクセス権の提供も併せて開始しています。これらはご利用者様のニーズに合わせ,下図に示す①~③までの3段階のサービスを選べることが可能です。
※ XAI:AIが導き出した答えに対して,人間が理解できるように判断基準や根拠を示すための技術
【製品紹介ページ】 URL: https://www.ihi.co.jp/aicon-services/
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