“家族”がテーマのニコイチプラン決定　ニコイチならではの空間で家族のゆるやかなつながりを提案

～泉北ニュータウン　茶山台団地（堺市南区）～

大阪府住宅供給公社

2021年8月3日 14時00分

大阪府内において公社賃貸住宅SMALIO（スマリオ）を提供する大阪府住宅供給公社（本社：大阪市中央区、理事長：山下久佳、「以下、公社」）は、茶⼭台団地（堺市南区）で実施する子育て世帯など若年層の多様なニーズに対応する住⼾リノベーションプラン「ニコイチ」「リノベ45」を事業提案競技により選定しましたのでお知らせします。完成後は、2022年1月頃から入居者募集を行い、若年層に魅力的な住宅を提供することで、地域の活性化を図り、泉北ニュータウンのまちづくりに貢献していきます。

「ニコイチ」プラン　イメージパース

「リノベ45」プラン　イメージパース

公社では、高齢化が進む高経年の団地に若年夫婦や子育て世帯などの若年層を誘引するため、若手建築家などのアイデアや⺠間事業者のノウハウを活⽤した住戸リノベーションを実施しています。その中で、「ニコイチ」（商標登録済）は、隣り合う2つの住戸を1つにつなぎ合わせ、90㎡という広々空間を創り出すリノベーションで、2015年の事業開始以来、累計30プラン・36戸を供給し、2017年度のグッドデザイン賞を受賞したほか2021年7月末時点で全て満室になるなど、人気を得ています。

今年度は、茶山台団地（堺市南区）で「ニコイチ」2戸と1住戸リノベーションである「リノベ45」1戸のプラン設計・施工・工事監理業務について、公募による事業提案競技を行いました。これまでは公社が具体的なテーマ設定し、そのテーマに沿った提案を募集していましたが、今回は「茶山台団地で〇〇をみつける」とし、提案者がテーマを決めることで、更なる柔軟な発想と企画力を期待しました。応募総数は14グループで、審査の結果、「株式会社三輝(さんき)・STUDIO(スタジオ)RAKKORA(ラッコラ)ARCHITECTS(アーキテクツ)共同企業体」を選定しました。

選定プランは、「茶山台団地で家族の風景をみつける」をテーマとし、扉を設けない動線により暮らしの中で家族がゆるやかにつながることで、一人一人の時間や成長が家族の風景として感じられる点が高く評価されました。
（各プランの詳細は次ページ以降をご覧ください。）

▽選定結果の詳細はこちらをご覧ください。
https://www.osaka-kousha.or.jp/x-whatsnew/2021-08-03_chayama/kekka.html

本事業提案競技は、泉北ニュータウン内に若年夫婦・子育て世帯向けの魅力的な住宅を供給し、若年層を誘引することを目的とした「堺市と大阪府住宅供給公社による泉北ニュータウン住戸リノベーション促進連携事業」として実施しています。

ニコイチ①　「家族の重なりをみつける」

子どもの成長、大人の多様な働き方にあわせたプランニング
それぞれの空間をフレーム家具でつなぐことにより、空間が分断されず重なり合うことで、さまざまな場所で「家族の風景」を「重ねて」みつけることができます。子どもとの距離感は成長と共に変化していくことを想定し、親子がつかず離れずの距離感を生み出しました。また、大人のためのワークスペースやデスクは玄関やリビング、寝室に隣接して設け、多様な働き方に対応させています。

[提案プランより]

ニコイチ①　平面イメージ図

ニコイチ①　断面イメージ図

ニコイチ②　「家族の奥行きをみつける」

子どもの成長、大人の多様な働き方、近隣との交流に対応したプラン
壁によって仕切られた4つの空間をつくり、その空間を南北に通り抜ける視線の先に「奥行き」を感じながら「家族の風景」をみつけることができます。ニコイチ①プランと同様に、親子の距離感の設定と大人の多様な働き方に対応するとともに、住戸が地面に近い2階に位置することから、近隣の住人さんとの積極的な交流を想定して、交流のためのフリースペースを設置しています。

[提案プランより]

ニコイチ②　平面イメージ図

ニコイチ②　断面イメージ図

リノベ45　「家族の繋がりをみつける」

家族の気配を感じることができる大きなワンルーム
開口部やらんまを設けたり、回遊性のある大きなワンルーム状のプランとすることで、常に家族の気配が感じられ、「家族の風景」の「繋がり」をみつけることができます。また、趣味や交流、団欒やくつろぎを想定したスペースが縦横に入り混じることで、用途に縛られない自由な使い方を促します。

[提案プランより]

リノベ４５　平面イメージ図

リノベ４５　断面イメージ図

■委員会の総評
今年度は多数の応募作品があり、団地再生への関心の高さが感じられた。また、テーマを応募者が設定することから、コロナ禍を踏まえ仕事や趣味の空間を設けるプラン、空間を斜めに切り取るプラン、若年や壮年のシェア、シングルマザーと子を想定したプランなど様々なライフスタイルの提案があった。一方で、過去の作品に類似するものや「茶山台団地で〇〇をみつける」という課題に対し、十分な回答がないものも見受けられた。

最優秀作品は「家族の風景をみつける」をテーマとし、住戸内に完全な個室空間をつくらず木製フレームで空間を区切ることで、それぞれの場所で過ごす家族の気配をお互いに感じながら暮らす提案である。緩やかな仕切りと全体を通して生活のイメージが伝わってくる点、家族のコミュニケーションが促される点、通風等の快適性にも配慮されている点などを評価した。

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