リアルテックファンド、独自のADC(抗体薬物複合体)で難治性固形がん治療を目指すキャストバイオへの出資を実施

UntroD Capital Japan株式会社(所在地:東京都港区、代表:永田 暁彦)が運営するリアルテックファンド* は、独自のVLKリンカー技術を基盤とする次世代の抗体薬物複合体(ADC:Antibody-Drug Conjugate)を開発する株式会社キャストバイオ(本社:東京都中央区、代表取締役:藤原正明、以下「キャストバイオ」)へ出資を実施しました。本投資により、キャストバイオは非臨床開発および組織体制の構築を進め、難治性固形がんの革新的治療薬の創出を目指します。
企業概要
キャストバイオは、国立がん研究センター発ベンチャーである株式会社凜研究所から新設分割により設立された創薬スタートアップです。膠芽腫(GBM)、膵がん、スキルス胃がんといった難治性固形がんは、5年生存率が極めて低く、有効な治療薬が求められるアンメットメディカルニーズ(医療上、十分な治療法が確立されていない領域)を抱える代表的な疾患です。難治性の要因の1つは、腫瘍組織のがん間質が薬剤の浸透を阻害するためと考えられています。キャストバイオは、この課題に対し、がん間質に存在する不溶性フィブリン(IF)に特異的に結合できる抗体と、がん間質に豊富に存在するプラスミンで切断されるVLKリンカー技術を組み合わせたADC(抗IF-ADC)を開発し、腫瘍組織への効率的な薬物送達を実現する新しい治療アプローチに取り組んでいます。
資金調達の目的と使途
キャストバイオが今回調達した資金は、抗IF-ADCの研究開発体制の構築、抗IF-ADCの非臨床開発の推進、知的財産の強化・保全に充当される予定です。
担当者コメント
5年生存率が10%以下と極めて予後が悪い難治性固形がんに対しては、革新的な治療法の開発が強く求められています。難治性の要因の1つとなっているがん間質は、がん細胞が血管を取り込みながら増殖する過程で、出血と止血、さらに止血により形成されたフィブリン糊がプラスミンで分解するプロセスを繰り返すことで形成されます。抗IF-ADCは、この過程で蓄積する不溶性フィブリンを標的とする抗IF抗体によりがん間質をターゲッティングし、さらにプラスミンによって切断されるVLKリンカーを用いることで、間質全体にペイロードが拡散され、がん細胞を攻撃できるよう設計されています。本開発剤は、難治性固形がんに共通するがん間質の性質を利用することから、特定のバイオマーカーに依存せず、がん種横断的に適応拡大でき、現在の標準治療では十分な効果を得られていない患者さんの福音になる可能性を秘めています。リアルテックファンドは、難治性固形がんという深刻な社会課題に挑むキャストバイオの取り組みを支援してまいります。
(UntroD Capital Japan株式会社 グロースマネージャー 藤本 辰彦)
*正式名称:「リアルテックファンド4号投資事業有限責任組合」
キャストバイオ株式会社について
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設立年月:2026年3月
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所在地:東京都中央区築地一丁目13番10号 サクセス銀座東ビル2F
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代表者:藤原 正明
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資本金:1,000万円
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事業内容:抗体薬物複合体(ADC)を含む医薬品の研究開発等
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出資時期:2026年4月
UntroD Capital Japan株式会社およびリアルテックファンドについて
UntroD Capital Japan(アントロッドキャピタルジャパン)株式会社は、地球や人類の課題解決に資する研究開発型の革新的テクノロジーを有するディープテック・スタートアップの社会実装を目的とした「リアルテックファンド」を2015年に設立し、シード・アーリーステージのスタートアップへのリード投資およびハンズオン支援を行ってきました。現在までに、リアルテックファンド1号~4号(日本ファンド)、リアルテックグローバルファンド1号・2号(グローバルファンド)、リアルテックグロースファンド1号(日本ファンド)、およびクロスオーバー・インパクトファンド(日本ファンド)を運用し、運用総額は400億円以上に達しています。社会に必要とされながら資本が流れにくい未踏領域に誰よりも最初に踏み出し、その経済性を証明することで資本や人材が供給され続ける持続的な仕組み創りを目指す、その意志をより一層体現するため、「未踏」を意味する「UntroD」を社名として掲げ、2024年6月に再始動しました。
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UntroD Capital Japan株式会社
広報担当:成田
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