国内アパレル工場「コロナ禍以降、黒字8割」。消費者は「“どこの誰”産か」を意識
ファクトリエ初の「インパクトレポート2024」発表
メイドインジャパンの工場直結ファッションブランド「ファクトリエ」(運営:ライフスタイルアクセント株式会社、本社:熊本市)は、提携する「アパレル工場」や商品を購入する「消費者」に、『ファクトリエがどのような変化をもたらしたのか』についてまとめた、当社初の「FACTELIER Impact Report 2024」を発表しました。
■サマリ版:https://factelier.com/impactreport2024/
■詳細PDF:https://data.factelier.com/upload/contents/17508/FACTELIER_IMPACTREPORT_2024.pdf
30年間で50%→1.5%まで減少。日本製ファッション復活を目指す
1991年には50%を占めていた日本のアパレル製品の国産比率は、現在ではわずか1.5%にまで落ち込みました。
しかし、そのわずかな数字の中には、世界の一流ブランドから生産を依頼されるような高い技術を持っている工場がたくさんあります。
ファクトリエは、そんな高い技術と熱意をもつ日本のアパレル工場と、中間業者を介さず直接提携し商品を開発。
高品質な商品を、適正価格でお客様にお届けしています。
小売希望価格の廃止。「工場希望価格」を導入し三方良しの実現へ
さらに、従来の小売店が価格を決める流通の仕組みとは異なり、ファクトリエの提携工場からの“工場希望価格”を提示できる仕組みを採用。
工場は適正な利益を確保することができ、妥協なしに技術やこだわりをつめこんだものづくりを追求することできます。
そしてお客様は“本当にいいもの”を“適正な価格”で購入することができるという、使い手も、作り手も、笑顔になれる新しい仕組みです。
12年間で提携は2社から60社へ。累計1,000アイテム超
2012年にスタートしたこのファクトリエ事業。
提携工場は2社から60社へ、販売アイテム数は366に増加。
日本各地の工場と作り出した累計アイテム数は1,000を超え、作った商品は最後の一点まで廃棄することなく、お客様の手元に届けております。
そんなファクトリエの事業によって、
■工場は自らの仕事に誇りを感じているか。
■お客様の日々を豊かにできているか。
今回これらを可視化するために両者にアンケートとインタビューを実施。
その結果をこの度、「Impact Report」として発表いたします。
■Impact Report サマリー
【①提携工場へのインパクト】
・「8割強が黒字」 コロナ禍以降のアパレル工場 経営状況
・ファスナー価格も上昇。課題は「材料・燃料・人件費」の高騰
・9割強が「経営にプラス」。価格決定権が工場にあること等が良い影響に
・工場の進化「顧客ニーズを踏まえたものづくり」
・工場インタビュー動画
【②お客様へのインパクト】
・85%が「どこで誰が作ったかを意識するように」
・「1着を5年以上愛用」50%
・消費者の意識の変化「作り手の顔が分かるものを選ぶようになった」
・工場からの手紙「毎回読む」、実に65%
・「その洋服の生産工場の名前、わかりますか?」約90%が半数以上の工場名がわかる
・お客様へのインタビュー動画
【③環境への取り組み】
・環境を配慮した商品開発の例
【④ファクトリエの今後】
・年間100万人が愛用するブランドへ
・工場の自社比率30%による高収益化
以下は、上記の詳細になります。
■Report①:提携工場へのインパクト
2024年10月に開催された当社主催のイベント「ものづくり文化祭」に参加した工場15社に、当日アンケート形式で回答いただきました。
工場の男女比率は経営者はすべて男性で、従業員の9割は女性が占めています。
従業員数は30~50名が6割、100名以上が2割となっています。
「8割強が黒字」 コロナ禍以降のアパレル工場 経営状況
提携工場におけるコロナ禍以降の経営状況は、黒字が83.3%と大半を占め、赤字は8.3%にとどまっています(8.3%の工場が未回答)。
また、経営状況が「良くなっている」と回答した工場が58.3%。
その一方、黒字ではあるが「悪くなっている」の回答は33.3%(8.3%の工場が未回答です)。
ファスナー価格も上昇。課題は「材料・燃料・人件費」の高騰
工場が抱える現在の課題。
・副資材などの材料価格の上昇を懸念する工場が約30%
・燃料や光熱費の増加に課題を感じる工場が23.1%
・人件費の上昇が同じく23.1%
・加えて職人の高齢化が15.4%
と課題を感じています。
材料の中でもファスナーは価格が上がり、納期が1ヶ月以上かかるなど生産が大幅に遅れています。
このように材料費のコスト増の中でも工場は価格転嫁できておらず、利益を圧迫している状況が続いています。
そのため給与は上げられず若手人材の不足といった問題を生み、負のスパイラルに陥りやすくなっています。
9割強が「経営にプラス」。価格決定権が工場にあること等が良い影響に
ファクトリエとの取り組みが経営に「プラスに働いている」と回答した提携工場は91.7%。
ファクトリエは「工場希望価格」として工場側に価格の決定権があるため、利益を生み出しやすい環境となっています。
また、「繁忙期以外の閑散期にも生産を調整できる」ことが経営に良い影響を与えているようです。
同時に自社ブランドを持つことが工場スタッフのモチベーション向上や誇りにつながっている点が、プラス評価の理由とされています。
工場の進化「顧客ニーズを踏まえたものづくり」
ファクトリエとの取り組みでよかったことについては、提携工場では「生活者視点のものづくりが可能になった」と31.3%の方が評価。
「顧客ニーズを意識した商品作り」に取り組めるようになっています。
また、「他工場とのつながりが生まれ、業界内のネットワークが広がった」ことを約30%の方がメリットと感じられるようになっているようです。
続いて、「自分たちの仕事が人や社会の役に立っていると実感しています」と15.6%の方が回答しています。
さらに、技術力の向上や新たな収入源の獲得といったポジティブな変化も挙げられており、工場にとって大きな成長機会となっています。
■サマリ版:https://factelier.com/impactreport2024/
■詳細PDF:https://data.factelier.com/upload/contents/17508/FACTELIER_IMPACTREPORT_2024.pdf
工場インタビュー動画
https://data.factelier.com/upload/contents/17508/movie_01_l.mp4
■Report②:お客様へのインパクト
提携工場へのインタビューと同じく、「ものづくり文化祭」イベントに参加したお客様26名に当日アンケート形式で回答いただきました。
※回答男女比率:男性11名、女性15名。
85%が「どこで誰が作ったかを意識するように」
「ファクトリエを購入するようになって変わったこと」の質問に対して、約85%の方が「どこで作られたか(誰が作ったか)を意識するようになった」と回答。
ファクトリエを通して、服だけでなく購入するものに対して意識するようになったという方も。
「長く洋服を着るようになった」
「丁寧に洋服のケアをするようになった」
という回答も多く、作り手が見える安心感や大切にしたいという愛着を持って使っていただけていることが見受けられました。
「1着を5年以上愛用」50%
「長く洋服を着るようになった」と回答した方のうち、半数の方が5年以上、9割の方が2年以上着用。
耐久性があることはもちろんですが、ベーシックなデザインなので流行に左右されず、どの年代になってもご愛用いただけていることが伺えます。
また、「洋服を選ぶ基準が変わった」「丁寧に洋服のケアをするようになった」の回答から、気に入ったものを長く愛用したいという傾向の高まりを感じられます。
消費者の意識の変化「作り手の顔が分かるものを選ぶようになった」
「洋服を選ぶ基準が変わった」と回答した方にアンケートを実施。
「どこで作っているか(誰が作っているか)を意識するようになった」という回答が多くみられたように、作り手の顔が見えることへの安心感、丁寧な縫製、ものづくりの背景など様々な想いをもって購入されていらっしゃるようです。
工場からの手紙「毎回読む」、実に65%
ファクトリエでは、商品と一緒に工場からの手紙をお届けしています。
お手紙は工場の方の写真や商品を縫製している写真・手書きのメッセージを添えて工場ごとに作成。
100%の方が毎回読む・時々読むと回答。工場ごとに今までの手紙をすべて保管していらっしゃるお客様も。
「作り手の顔が見えて嬉しい」
「大切に着たいと思う」
など、手紙を通してそのような想いを持つ人たちが少しでも増えていくことを願っています。
「その洋服の生産工場の名前、わかりますか?」約90%が半数以上の工場名がわかる
従来のアパレル販売では作っている工場の名前は一切表に出ません。
そのため、消費者はどこで誰が作っているかさえ知ることはありませんでした。
一方、ファクトリエの事業モデルは「メイドインジャパンの工場直結ブランド」。
つまり、商品を作っている工場名を出し、工場と二人三脚でものづくりをしています。
作り手と使い手を結ぶ伝え手として、約90%の方が購入した商品の製造工場を半分以上覚えてくださっているのは大変に光栄です。
■サマリ版:https://factelier.com/impactreport2024/
■詳細PDF:https://data.factelier.com/upload/contents/17508/FACTELIER_IMPACTREPORT_2024.pdf
お客様へのインタビュー動画
https://data.factelier.com/upload/contents/17508/movie_02_l.mp4
Report③:環境への取り組み
繊維・アパレル産業は国連貿易開発会議(UNCTAD)のレポートにて、石油産業に次ぐ「環境汚染産業」として挙げられました。
大量生産・大量消費、大量廃棄により、製造にかかる資源やエネルギー使用の増加、ライフサイクルの短命化などから環境負荷が非常に大きい産業と指摘されるようになり、国際的な課題となっています。
環境に配慮した素材活用やサプライチェーンの構築も必須です。
ファクトリエ事業が成長すればするほど、環境・作り手・使い手・地球環境すべてにとってポジティブな影響を与えていく存在でありたいと考えております。
環境を配慮した商品開発の例
■Castor Stool Plus Pad Factelier Limited Edition
廃棄される虫食いナラ材とリサイクルポリエステル100%の生地を使用
■10 Years 26ゲージ スムースコットンTシャツ
10年間は着続けられる耐久性に優れたコットン100%と丈夫な縫製仕様
■サマリ版:https://factelier.com/impactreport2024/
■詳細PDF:https://data.factelier.com/upload/contents/17508/FACTELIER_IMPACTREPORT_2024.pdf
④ファクトリエの今後
年間100万人が愛用するブランドへ
「日本から世界ブランドを作る」というビジョンの向けて、一つのポジションを築くためには、年間100万人に愛していただくことがひとつのマイルストーンだと考えています。
100万人は私たちが考える国内マーケットの1%ほどのシェアになります。
1%のシェアを獲得するということは1/100の存在になるということであり、お客様、職人双方に対し私たちが広く認知され始める数値となります。
このシェアを実現することで、5年後には10%、10年後には30%とシェア拡大を加速させることができます。
工場の自社比率30%による高収益化
現在提携している工場に対してファクトリエ(自社ブランド)の占める割合は多い工場で30%、少ない工場では数%という状況です。
工場が黒字となり、時給が上がり、若い人材採用ができる、そのようなサステナブルな経営になるは下請け仕事に依存せず、自社売上の30%を自社ブランドで稼ぐ必要があります。
そのためにも、顧客に長く愛され、繰り返し購入される高品質で魅力的な商品を開発していくことが重要です。
これこそが、安定的な収益基盤を築き、自社ブランドの持続的な成長を支える礎となります。
■ファクトリエについて
ファクトリエは2012年に創業した、メイドインジャパンの工場直結ファッションブランド。
世界ブランドを手掛けるような日本のアパレル工場と、中間流通を省き直接提携し、こだわりのつまった一流の“語れる逸品”を開発。高品質なアイテムを適正価格でお客様にお届けしています。加えて、工場には適正な利益を還元する仕組みを取り入れています。
ネット通販をベースに、銀座・熊本に試着専門店を構え日本から世界ブランドを作るべく取り組んでいます。
アパレル国産比率は1%台に激減している中、日本の工場に焦点を当てたファクトリエの独自の取り組みは、テレビ東京「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」をはじめとしたあらゆるメディアにも取り上げられています。
https://factelier.com/aboutus/
■ファクトリエ運営会社概要
会社名:ライフスタイルアクセント株式会社
代表者:代表取締役 山田 敏夫
本社所在地:熊本県熊本市中央区手取本町4-7
試着専用店舗:ファクトリエ銀座店・熊本本店
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