ヘルスケアスタートアップ「おいしい健康」心疾患患者の食事相談のうち3件に1件が「複数疾患併発」に悩む実態をAI解析

〜疾患共起マトリクスからみる、併存症による食事の課題〜

おいしい健康

製薬企業における患者サポートプログラム(PSP)を支援する株式会社おいしい健康(代表取締役CEO:野尻哲也)はこのたび、心疾患患者から寄せられた10年間の食事相談をAI解析いたしました。その結果、相談の約3件に1件(33.5%)が複数疾患を併発しており、単一疾患を前提とした食事指導では日常の食事管理につなげにくい実態が明らかになりました。

■ 背景「患者・家族の声から見えた実態」

心疾患の中でも、全国規模の追跡調査が特に充実している心不全を例にとると、わが国の心不全患者は増加を続けており、2030年には130万人を超えると推計されています(※1)。心不全による1年以内の再入院率は約19.6%(※2)となり、その要因の一つとして退院後に服薬や生活管理を継続できないこと(塩分・水分管理を含む)が指摘されています(※3)。

※1 Okura Y, et al. Circ J. 2008;72(3):489-491.

※2 Nakao K, et al. Int J Cardiol. 2021;340:48-54.(JROAD-DPCデータベース、n=83,567、2014年)

※3 2025年改訂版 心不全診療ガイドライン(日本循環器学会 / 日本心不全学会合同ガイドライン)

おいしい健康に日々寄せられる食事相談の中でも、「複数の病気があって何を食べればいいか分からない」「薬を飲んでいて食べられないものがある」といった声が繰り返し見られました。そこで10年間の相談内容(n=230)を分析したところ、「複数疾患併発による管理の難しさ」「食事管理を担う家族の負担」「退院後に生じる支援の空白」という実態が浮かび上がりました。

本リリースでは、このうち「複数疾患併発による管理の難しさ」(33.5%、77件)に焦点を当ててご紹介します。

■ AI解析から見えてきた「食事管理の複雑さ」

相談内容を詳しく見ていくと、複雑さの背景には大きく2つの要因があることが分かりました。

疾患共起マトリクスが示す、併存疾患のパターン

心疾患患者の多くは、糖尿病、高血圧、脂質異常症、CKD(慢性腎臓病)などを併発しています。特に多いのは、心筋梗塞×脂質異常症、高血圧×脂質異常症、心筋梗塞×高血圧、心筋梗塞×糖尿病、心筋梗塞×CKD(慢性腎不全)といった組み合わせです。

こうした患者は、心疾患と高血圧の両方で減塩(1日6g以下)が求められ、さらに糖尿病やCKDがあれば糖質管理やカリウム制限など、複数の条件を並行して意識する必要があります。加えて、服薬による食事制限も重なるケースがあり、「注意すべきことは分かっていても、実際の献立や食事に落とし込めない」という声が寄せられています。

図1:相談者からの疾患名の内訳
図2:疾患共起マトリクス(同時言及件数)

心疾患特有の課題:薬剤と食事の矛盾

心疾患患者が直面する食事管理の難しさは、複数疾患の併発だけではありません。心疾患の食事療法では緑黄色野菜の摂取も推奨される一方で、心房細動や弁膜症などで処方される抗凝固薬(ワーファリン)は、ビタミンKの働きに影響を受けるため、納豆などの摂取を避け、ブロッコリーなどの緑黄色野菜については摂取量を毎日一定に保つ必要があります。このように食事内容と直接関わる薬剤が用いられることがあるため、「疾患の食事療法」と「薬剤による食品制限」が矛盾するケースが生じます。

■ 患者・家族から寄せられた声

こうした複数疾患の併発や服薬による制限が重なり合うことで、日々の献立や食材選びに悩む声が寄せられてきました。

【複数の制限を同時に守る難しさ】

「腎臓病、心不全、逆流性食道炎、うつ病です。腎臓病の食事療法でカリウム制限、減塩につとめています。どうしていけばよいでしょうか?」

「心筋梗塞で、腎臓も悪くなりました。カリウムを摂り過ぎないようにしています。塩分、油も控えて豚牛肉も使えません。どんなメニューがいいのでしょうか?」

【服薬による食事制限の追加】

「心臓弁膜症の手術後、ワーファリンを飲むことになり食事やレシピに苦労しています。ビタミンKが少ないレシピも検討いただけると助かります。」

■ 患者・家族に求められている支援

こうした声から、以下のような支援ニーズが考えられます。

心腎代謝(CKM)症候群を見据えた疾患横断型の食事支援

前述の通り、心疾患患者の多くは複数の疾患を併発しています。単一疾患を前提とした支援では、こうした患者の実態に対応できていない現状があります。

この重なりは、心臓・腎臓・代謝の相互関連に着目する「CKM症候群」という近年の考え方とも合致します。そのため、疾患横断型の患者サポートプログラム(PSP)の必要性が高まっています。

※CKM症候群:Cardiovascular(心血管疾患)、Kidney(腎疾患)、Metabolic(代謝性疾患)が相互に関連して進行する病態

患者や家族の日常生活に即した支援設計

複数疾患を抱える患者が直面しているのは、疾患由来の制限と薬剤由来の制限が重なる中で、「矛盾する制限にどう対応すればいいか」と、それを実践する難しさです。患者・家族からは、その時々の体調や治療内容に合わせた献立の見直しや、服薬状況の変化に応じた継続的なフォローアップを求める声もうかがえます。

おいしい健康は、10年にわたり蓄積してきた食事相談から見えてきた患者・家族インサイトを活かし、より患者に寄り添ったPSPの設計・提案を支援してまいります。

■ 分析概要

・調査主体:株式会社おいしい健康

・対象期間:2016年5月〜2026年4月(10年間)

・対象データ:心疾患関連キーワード(心筋梗塞、心不全、狭心症、弁膜症、不整脈など)に該当する、10年間で蓄積した患者・家族からの相談230件

・分析手法:Janome(日本語形態素解析エンジン)による形態素解析、共起分析、テーマ分類

■ 本調査の限界

・本分析は、おいしい健康アプリに自発的に投稿したユーザーに基づくものであり、一般的な心疾患患者全体を代表するものではありません。

・併存疾患数は投稿内での言及に基づいており、実際の併存疾患数とは異なる可能性があります。

■ 今後の展望

おいしい健康では「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」のサービスコンセプトのもと、今後も製薬企業と協力しながら、食と健康に関するエビデンスの創出・機能の拡充を進めてまいります。病気の予防や治療に関わる方々の食の問題を解決し、健康的な食生活をおいしく楽しく送ることのできる社会の実現を目指します。

■ AI献立・栄養管理アプリ『おいしい健康』の概要

AI献立・栄養管理アプリ『おいしい健康』は、健康状態や疾患、食の好みなどに合わせて、AIが最適な献立・レシピを提案するパーソナライズ食事管理サービスです。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」や各種診療ガイドライン、医師の食事指示に基づき、予防、ダイエット、疾患別の食事管理をご家庭で手軽に実践いただけるよう支援いたします。

アプリ名

 『おいしい健康』

対応端末

 iPhone(iOS)/ Android

アプリ紹介ページ

https://corp.oishi-kenko.com/products

App Store

https://oishi-kenko.com/katgut/ios_app_store

Google Play

https://oishi-kenko.com/katgut/android-kenko_google-play

WEB

https://oishi-kenko.com/

■ 株式会社おいしい健康について

おいしい健康は『Food as Medicine』をコンセプトに、製薬企業の患者サポートプログラム(PSP)を食事・栄養面から支援するヘルスケア・スタートアップです。月間200万人の患者・家族が利用するAI献立・栄養管理アプリ「おいしい健康」と、医療機関向け生活指導SaaS「Kakaris(カカリス)」を基盤に、PSPの食事・栄養指導コンポーネント、市販後リアルワールドエビデンス構築、患者インサイト調査を提供。80種類以上の疾患に対応した管理栄養士監修の食事支援体制と、複数の大学・研究機関との24件の共同研究実績により、データサイエンスに基づく食事・栄養療法(Data science-based Nutrition:DBN)の社会実装を進めています。

本リリースに関するお問い合わせ

株式会社おいしい健康 ヘルスケアマーケティングチーム

E-mail:solution@oishi-kenko.com

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会社概要

株式会社おいしい健康

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URL
https://corp.oishi-kenko.com/company.html
業種
サービス業
本社所在地
東京都中央区日本橋小舟町3−2 リブラビル3階
電話番号
-
代表者名
野尻哲也 松浦弥太郎
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2016年07月