ノーベル医学物理学賞:ロレアルーユネスコ女性科学賞の受賞者2人に贈られる
世界最大の化粧品会社ロレアルグループ(本社:パリ)は、現地時間10月5日、カタリン・カリコ教授(2022年ロレアルーユネスコ女性科学賞)とアンヌ・リュイリエ教授(2011年ロレアルーユネスコ女性科学賞)が、それぞれ本年度の医学および物理学のノーベル賞を受賞したことを発表しました。生物化学の教授であるカタリン・カリコ教授は、Covid-19に対するmRNAワクチンを可能にした研究に対して受賞し、原子物理学の教授であるアンヌ・リュイリエ教授は、物質中の電子ダイナミクスの研究のためのアト秒パルスを生成する実験手法が認められました。
ロレアル財団CEOのアレクサンドラ・パルトは次のように述べています。
「ロレアル財団は、カタリン・カリコ教授とアンヌ・リュイリエ教授の画期的な受賞に心からのお祝いを申し上げます。これからの数年間は人類の未来にとって重要です。待ち受ける課題に立ち向かうために、私たちの社会は男性だけでなく、女性の才能も必要としています。今日の若い女性研究者が、ジェンダー障壁や待遇の差なく、未来のノーベル賞受賞者になることができなければなりません」
現在、世界の科学研究における女性の割合はまだ低く、わずか33.3%です[1]。さらに、彼女たちはキャリアを追求しても、相応の評価を得ることが難しいとされています。1901年のノーベル賞創設以来、物理学、化学、医学の分野で合計640人の科学者がノーベル賞を受賞していますが、そのうち女性はわずか26人です[2]。
ロレアルーユネスコ女性科学賞のノーベル賞受賞者は、カタリン・カリコ教授とアンヌ・リュイリエ教授が今年受賞したことで、クリスティアンヌ・ニュスライン=ヴォルハルト(1995年ノーベル医学賞)、エイダ・ヨナス(2009年ノーベル化学賞)、エリザベス・H・ブラックバーン(2009年ノーベル医学賞)、エマニュエル・シャルパンティエ(2020年ノーベル化学賞)、ジェニファー・A・ドゥドナ(2020年ノーベル化学賞)に続き、7人となりました。
また、「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」の国内版として、日本ロレアルは2005年に日本ユネスコ国内委員会の協力のもと「ロレアルーユネスコ女性科学者 日本奨励賞」を創設しました。日本の若手女性科学者が研究活動を継続できるよう奨励することを目的とし、物質科学、生命科学の分野で、博士課後期課程に在籍または、博士後期課程に進学予定の女性科学者(40歳未満)を対象としています。毎年、物質科学・生命科学から原則、各2名(計4名)に奨学金100万円を贈呈しています。2023年度を含み71名の若手女性科学者が受賞しており、受賞後さらにキャリアを開花し、国内外で活躍しています。
これからもロレアルは、「世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている」という本活動の理念のもと、科学分野で活躍する女性たちの更なる飛躍と地位向上を目指し、様々な取り組みを推進してまいります。
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[1]Rapport de l’UNESCO sur la science : une course contre la montre pour un meilleur développement, 2021
[2]Source www.nobelprize.org
■ロレアル財団について
ロレアル財団は、科学、インクルーシブ・ビューティー、気候変動対策という 3 つの主要分野に重点を置き、女性たちが自らの未来を切り拓き、 社会に変化をもたらすことができるよう支援しています。1998年以来、ロレアル-ユネスコ女性科学賞では、より多くの女性科学者が昇進へのハードルを乗り越え、現代の多岐にわたる課題の解決に参画し、すべての人へ貢献できるよう活動してきました。25年にわたり、110以上の国から4,100人以上の女性研究者を支援し、科学的な卓越性に貢献するとともに、若い世代の女性たちが科学をキャリアとして選択する意欲を奨励してきました。ロレアル財団は、美が人々の生活の質の向上に貢献すると確信し、無償の美容とウェルネス・トリートメントを通じて、社会的弱者である女性の自尊心の向上を支援しています。また、恵まれない女性たちが美容の職業訓練を受け、就労できるように支援しています。プログラム開始以来、毎年平均で約16,000人が無料でプログラムを受け、35,000人以上がプロの美容トレーニングを受けています。現在でも女性は根強いジェンダーに基づく差別と不平等の影響を受けており、それが気候変動による気象災害によりさらに悪化しています。彼女たちは危機に直面している一方で、気候変動に関する意思決定においては、まだ十分な存在感を示せていません。ロレアル財団の「女性と気候」プログラムは、特に、喫緊の気候危機 に対処する気候変動対策プロジェクトを展開する女性を支援し、ジェンダーに配慮した気候変動対策の重要性に対する認識を高めています。
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