【台湾情報】台湾電力設備製造業2022年の振り返りと今後の展望<ワイズ機械業界ジャーナル2023年1月第1週号発行>
〜台湾機械・エネルギー・電子・自動車業界の最新動向を分析する〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2023年1月第1週号を発行しました。今週号では、電力設備業界、ファスナー業界、自動販売機製造大手の金雨と金型業界の動向を紹介します。
<最新号目次>
- 台湾電力設備製造業2022年の振り返りと今後の展望
- 台湾ファスナー産業2022年の振り返りと今後の展望
- 自動販売機製造大手 金雨(GOLD RAIN)
- 台湾金型産業2022年の振り返りと今後の展望
一、産業概況
台湾電力設備製造業の2022年(1~10月)の生産額は4070億9000万台湾元で、前年同期比5.44%増加、販売額は3588億5200万元で4.07%増加した。台湾では家電の生産量が部材不足と需要の下振れにより伸び悩んだが、政府調達の増加で送配電設備と発光ダイオード(LED)街灯の生産が拡大したほか、電池モジュールとその他電力設備の生産も▽エネルギー貯蔵、▽クリーンエネルギー、▽サーバー関連の需要増により拡大した。
22年上半期(1~6月)の輸入額は2336億1700万元で前年同期比18.33%増加した。洋上(オフショア)風力発電所の建設拡大で関連製品の輸入が増加したほか、▽家電、▽エネルギー貯蔵設備、▽ハイエンド電子製品用部品の輸入も増加した。
22年上半期(1~6月)の輸出額は1666億9200万元で前年同期比27.1%増加し、米国向けの輸出が伸びた。 22年通年の販売額も前年比プラス成長となるが、成長率は上半期を下回る見通しだ。インフレを受けた各国の金融引き締めにより原材料価格が下落するとみられるほか、消費者向け電子製品の需要鈍化により関連部品などの需要が減少してきており、台湾当産業の下半期(7~12月)の販売額を押し下げると予想されるためだ。
二、主要メーカーの動向
台湾当産業の主な上場・店頭公開企業9社の▽士林電機廠(士林エレクトリック&エンジニアリング)、▽東元電機(TECOエレクトリック&マシナリー)、▽大亜電線電纜(ター・ヤー・エレクトリック・ワイヤ・アンド・ケーブル)▽貿聯控股(ビズリンク・ホールディング)、▽台湾桜花(SAKURA)、▽中国電器(チャイナ・エレクトリックMFG)、▽声宝(サンポ)、▽新普科技(シンプロ・テクノロジー、SMP)、▽台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)の22年1~9月売上高は計4903億768万元で、前年同期比18.33%増加した。一部電子部品や小型家電の販売は予想を下回ったものの、電力設備や車載用電子製品の出荷が拡大した。
三、2023年の展望
台湾では、火力発電所での設備増設計画や洋上風力発電所からの送配電網強化第1期計画などを進めている台湾電力(台電、TPC)向けで従来規模の需要が続く見通しだ。
一方、50年までの温室効果ガス実質排出ゼロ(ネットゼロ)実現に向けた一環として開発が進められている洋上風力発電所向けの需要は鈍化する可能性がある。深刻な人手不足などにより、洋上風力発電所向け部品の台湾生産化が順調に進まない恐れがあるためだ。(続く) ワイズ機械業界ジャーナル
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所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
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