アディティブ・マニュファクチャリング（積層造形）事業の本格始動へ

金属積層造形用材料で大手金属粉末メーカーのオベール・デュバル社とライセンス契約締結

◆ 三菱パワー日立工場に開発・製造拠点を整備
◆ 火力発電システム事業で培った独自の高温・高強度材料技術を活用、新ビジネス領域を開拓

三菱パワーは、アディティブ・マニュファクチャリング（AM：Additive Manufacturing、積層造形）（注）事業の本格始動に向けて、特殊合金・金属粉末製造大手であるフランスのオベール・デュバル社（Aubert & Duval、AD社）と、金属積層造形用材料となる金属粉末の特定の組成・製造に関する技術ライセンス契約を締結しました。ガスタービンなど火力発電システム事業で培った独自の材料技術を活用し、新しいビジネス領域を開拓します。併せて、その開発・製造拠点として当社の日立工場（茨城県日立市）内で、本年9月に“AM-Zone®”を完成。粉末製造装置・各種金属積層造形装置などを備え、材料となる粉末およびワイヤーの開発から金属積層造形、製品仕上げ加工に至る一貫生産が可能な体制を整えています。

当社は、金属積層造形において独自の材料技術を保有しており、使途ごとに原料素材の最適調合を提供することが可能です。また、ガスアトマイズシステムに当社が独自開発した高性能ガスノズルを組み込むことで、粉末製造装置の性能を大幅に高める技術を保有しています。

一方のAD社は、高性能合金と金属粉末を提供する欧州の代表的サプライヤーであり、航空宇宙、エネルギー、防衛などの各市場向けに信頼性の高い冶金ソリューションを提供しており、当社がAM事業を展開していくために適した協業先の条件を備えているといえます。

今回の協業契約により、AD社が培ったAM向けの粉末組成・製造ノウハウを当社独自技術と組み合わせることで金属積層造形に適した最適な粉末を提供することが可能となり、造形製品の性能向上に大きく役立つことが期待できます。このため、今回の協業契約は、三菱パワーにとってはAM事業の本格始動に向けた大きな一歩となるものです。

AM-Zoneでは地域自治体・企業と連携し、見学会などを通じてAM技術の普及・活用拡大に向けた活動を実施しています。またオンラインによる見学会の実施も開始しており、新型コロナウイルスの感染リスクを負うことなく最新技術をご覧いただけます。今後、オンライン技術を活用したデジタルマニュファクチュアリングとして、遠隔操作の実現による省力化などにも取り組んでいくことを計画しています。

三菱パワーは、今回のAD社との協業およびAM-Zoneの整備を通じて、材料開発から最終製品となるまでの金属積層造形プロセス全体に関わることで、新たなビジネス領域を開拓し、次世代産業社会の形成に貢献していきます。

（注）：アディティブ・マニュファクチャリングは、既存の切削・鍛造・鋳造・板金プレス加工では実現が困難な形状をつくり出せる次世代ものづくり技術として、期待されている粉末積層造形技術です。
当社AM関連製品の特長については、以下のウェブサイトをご覧ください。
https://power.mhi.com/jp/products/additivemanufacturing

 

小型ガスタービン燃焼器部品の試作品（MHA3300®）

 

 

小型ガスタービン静翼カットモデル（MHA3300®）

 

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