日本初、スペイン甘草(かんぞう)の新品種「新日本製薬GG01」を品種登録
大学との共同研究により、スペイン甘草の実用栽培を可能に
- スペイン甘草 新品種「新日本製薬GG01」の特長
・ 日本薬局方に規定されたグリチルリチン酸含有基準値2.0%へ到達が可能
・ 植栽から1年半という短期間で多量の収穫が可能
従来のスペインカンゾウは生育旺盛で育てやすい薬用植物ですが、主要成分であるグリチルリチン酸含量が、医薬品の規格基準書の日本薬局方にある基準値2.0%になるまでに、長い生育期間(3年以上)が必要という課題がありました。当社が開発したスペイン甘草「新日本製薬GG01」は、基準値へ到達可能な品種であることに加え、従来のスペインカンゾウの生育期間と比べ、植栽から1年半という短期間で多量の収穫ができるという2つの特長があります。
- スペイン甘草 新品種「新日本製薬GG01」に期待される機能性
・抗炎症作用、美白効果(ビューティー領域)
・内臓脂肪の減少、筋肉量の増加(ヘルスケア領域)
- 品種登録 概要
登録番号 :29026
農林水産植物の種類:Glycyrrhiza glabra L.
登録品種の名称 :新日本製薬GG01
- 甘草とは
マメ科カンゾウ属植物の根とストロン(地下茎)を原料とした、漢方処方の約70%に配合される生薬です。世界では18種のカンゾウ属植物が知られていますが、日本では「Glycyrrhiza uralensis(ウラルカンゾウ)」と「Glycyrrhiza glabra(スペインカンゾウ)」の2種が日本薬局方に収載されています。紀元前から、根とストロン(地下茎)を乾燥させ生薬として用いられており、近年では医薬品だけでなく、食品や化粧品原料としても幅広く利用されています。
- 品種登録の背景
当社は、多様化するお客さまのニーズに寄り添い、スマートで新しいライフスタイルを提案するため、効率的なケアの方法を開発する必要があると考え、スマート“ライフ”サイエンスという方針のもと研究開発を行っております。特に、機能性が高く独自性のある新素材の開発に力を入れています。
そこで、私たちはグリチルリチン酸を主要成分とし、鎮痛・抗炎症等の薬効をもつ「甘草」に着目しました。「甘草」は、日本で流通している315品目の生薬のうち、最も多く使用されています※。しかし、日本に流通している生薬は、約8割が中国からの輸入であり、日本産はわずか約1割です※。近年、中国において生薬の輸出規制に伴う価格高騰が見られ、中国への依存が問題視されています。
このような背景のもと、美と健康に有用とされる「甘草」の商品への活用と日本での実用栽培化の2つを目的として、日本薬局方に収載されている2種の甘草のうち、生育旺盛で育てやすい「スペインカンゾウ」に注目。2008年に研究を開始し、約14年間の取り組みを経て2022年3月に新品種として登録されました。
※ 参考文献:「原料生薬使用量等調査報告(2)」生薬学雑誌75(2), 89-105(2021)
- 栽培方法
生薬として用いられる“根”を肥大化させるため、ストロン(地下茎)の成長を抑制する「ストロン抑制短筒栽培法」を採用。「ストロン抑制短筒栽培法」は当社が開発したカンゾウ属植物の栽培方法であり、2014年に特許(特許第5635714号)を取得しています。
- 今後の方針
- 新日本製薬の研究開発について
- 用語解説
医薬品の性状及び品質の適正を図るため、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬
品の規格基準書。
(2)薬用植物
薬用に用いる植物の総称。植物のなかで、全体あるいはその一部分が人や他の動物に対してなんらかの薬効を有するもの、あるいは有するとの考えから使用されるもの。
(3)生薬
薬用植物のうち、薬にする部分をそのままあるいは乾燥したもの。
※ 「甘草」・「カンゾウ」表記の違いについて、生薬を意味する場合は漢字で「甘草」、植物名を意味する場合はカタカナで「カンゾウ」としております。
※ 当リリースは薬機法等諸法規に基づくものではありません。
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