【台湾情報】EV普及で高まる台湾のPCB技術<ワイズ機械業界ジャーナル2023年2月第3週号発行>
〜台湾機械・エネルギー・電子・自動車業界の最新動向を分析する〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2023年2月第3週号を発行しました。今週号では、機械設備業界、プリント基板生産装置業界、プラスチック射出成形機械メーカーとエネルギー業界の最新動向を紹介します。
<最新号目次>
- 台湾汎用機械設備製造業の概況と2023年の展望
- EV普及で高まる台湾のPCB技術
- 射出成形FCSのiMF4.0 スマート製造の導入を簡単に
- ネットゼロ実現の鍵となるエネルギー貯蔵技術
一、世界EV市場の概況
欧米諸国や日本などが2050年までの、中国が60年までの温室効果ガス実質排出ゼロ(ネットゼロ)実現を目標に掲げる中、温室効果ガスの排出量で産業部門に次ぐ運輸部門の重点項目として普及が進む電気自動車(EV)の販売台数が世界各国で急速に伸びている。
二、台湾車載用PCB産業の概況
台湾の22年上半期(1~6月)のプリント基板(PCB)生産額は約4197億台湾元だった。うち車載用は前年同期比8.2%増の約473億元で、全体の11.3%を占めた。車載用半導体の供給不足により自動車の世界販売台数は減少が続いたものの、自動車の電子化が進む中、PCBを含む車載用電子製品の需要が拡大した。
台湾製車載用PCBは多層PCBが全体の約63.5%を占める。主なメーカーは車載用PCB世界4位の敬鵬工業(チンプーン・インダストリアル)や、精成科技(グローバル・ブランズ・マニュファクチャー、gbm)、健鼎科技(トリポッド・テクノロジー)などだ。台湾製車載用PCBで次に多いのが高密度実装配線(HDI)PCBで、全体の約15.8%を占める。主なメーカーは敬鵬工業や燿華電子(ユニテック・プリンテッド・サーキット・ボード)などだ。このほか、フレキシブルプリント基板(FPC)が全体の10.7%、半導体パッケージ(封止)基板が6.9%を占める。
三、車載用PCB技術のトレンド
車載用PCBは今後も▽小型化、▽高周波化、▽高密度化、▽高性能化が進む見通しで、メーカー各社は▽車載用パッケージ基板、▽車載用HDI基板、▽車載用FPCの開発に注力している。
1.車載用パッケージ基板
車載用パッケージ基板の多くはBT基板で、電子制御ユニット(ECU)やオーディオビジュアル(AV)、娯楽システム向け半導体の実装に使用されている。第5世代移動通信(5G)や5G以降のビヨンド5G(B5G)の技術により車のインターネット(IoV)化が進む中、車載用BT基板はさらに▽小型化、▽多層化、▽高密度化が進む見通しだ。また、半導体のパッケージング(封止)業界ではチップレット(小さな半導体のダイ)のヘテロジニアス・インテグレーション(異種統合)が主流となる見通しで、ABF基板は▽大型化、▽多層化、▽高密度化が進み、製造難易度が高まると予想されている。
台湾メーカーのABF基板は層数が従来の18層から24層へ、基板の厚みも従来の2ミリメートルから2.6ミリメートルへ増えている。また、回路幅は従来の15/15マイクロメートルから8/8マイクロメートルへ、レーザー穴径は従来の50マイクロメートルから35マイクロメートルへと微細化が進められている。
2.車載用HDI基板
現時点で車載用PCBは大型の多層基板が中心だが、自動車の電動化、自動運転、5Gを活用した車のインターネット化などの流れを受け、▽小型化、▽多層化、▽高密度化、▽高性能化が進んでいる。自動運転と関連があり、小型化、高性能化が進む車載用の▽ミリ波レーダー、▽センサー、▽通信モジュールなどについては、エニーレイヤー構造やMSAP製法、小穴径レーザー加工を採用した高密度、高精度のHDI基板が使用されている。一方、車載用の▽電力制御ユニット(PCU)、▽インテリジェント電力モジュール(IPM)、▽電池管理システム(BMS)などは、▽大電流、▽高電圧、▽高温に耐えられるよう、銅の厚みを増やしたり、銅板や放熱部品を埋め込んだりして放熱性を高めたPCBが使用されている。
3.車載用FPC
車載用FPCは▽伝動システム、▽照明システム、▽センサー、▽車載インフォテインメント(情報・娯楽)システム、▽電池管理システム向けなどで使用されている。また、自動運転機能やスマート型運転席(eコックピット)の需要が高まる中、車載用FPCは高周波化、高密度化が進んでいる。(続く)
ワイズ機械業界ジャーナル
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