【生活クラブ生協・東京】九州電力川内原発再稼働に抗議し、運転停止・廃炉を求める意見書を提出しました
多くの人々が原発再稼働への疑問や反対の声をあげる中、2015年8月11日に九州電力川内原発1号機が再稼働されてしまいました。原発周辺の住民や関係自治体への説明会も十分には行なわれておらず、緊急時の避難計画や、火山噴火時の検証等も不十分です。さらに、東京電力福島第一原発事故の事故原因解明もいまだ行なわれていません。生活クラブ生協・東京理事会では、九州電力川内原発の運転を直ちに中止し、廃炉することを求め、宮沢洋一経済産業大臣および瓜生道明九州電力代表取締役社長、田中俊一原子力規制委員会委員長宛てに意見書を送りました。全文は以下になります。
九州電力川内原発再稼働に抗議し運転停止・廃炉を求めます
2015年8月25日
生活クラブ生活協同組合・東京理事会
8月11日、九州電力川内原子力発電所の1号機が再稼働されました。多くの世論調査が示すように国民の多くが、原発の再稼働に懸念や心配、そして反対する声を上げている中、これを全く無視したものです。
おりしも1号機で復水ポンプ付近でトラブルが起き、出力上昇の延期がされるという事態が発生しました。予測と回避という課題において、この二つの出来事の中に、いまだ人類の英知が、未熟で限られたものとしてあることこそ、自覚するべきです。
私たちは、運転を直ちに中止し廃炉とし、原発ゼロこそを目指すべきと考えます。
1.情報公開も国民の合意プロセスも全く不十分です
安倍政権は、川内原発周辺の住民や関係自治体から要求されても、十分な説明会も実施することなく、再稼動を強行しました。これは、安倍政権の体質をよく表しており、暴挙というべきものです。
原子力災害対策指針では、原子力発電所から、おおむね三十キロ圏内において、自治体は、住民の安全のための避難計画の策定とそのための整備を定めています。しかし、今回の再稼働にあたっては、計画の検証や事前準備が進められていません。計画には、台風との複合被害や病院、福祉施設の対策が不十分との意見があります。
また、学会が「予知できない」とする大規模噴火を九州電力が「十数年前に予知できる」とする姿勢は全く理解できず信用できません。
一方、田中原子力規制委員長は「新しい規制基準の審査は安全性を保証するものではない」と発言し、政府の菅官房長官は「原発の安全性は、規制委員会の判断」として「個々の再稼働は事業者の判断」と互いに責任を押し付けあっています。
このような誰も責任を取ろうとしない中での再稼動の強行は、国民が納得するわけがありません。
2.福島の事故は終わっていません
福島第一原子力発電所事故から、4年が経過しています。しかし、事故原因すら解明されないまま、累積する汚染水の処理や大気中への放射能の排出が継続されるなど困難な問題が山積みしています。そして、今なお、11万をこえる住民が避難生活を強いられています。このため放射能や避難生活のストレスによる被害が懸念されています。
核燃料の最終処分や原子力発電所廃炉や事故時の除染技術の目処がたっていないことは、将来世代の選択権を奪っていることです。このような、再稼働は認められません。
3.原発がなくても電力は足りています
2013年9月に大飯原子力発電所が停止したにも関わらず、原子力発電所も稼働がゼロとなった以降、この8月まで供給が不安となる状況は起きていません。省エネルギー行動が進み、省エネ製品の開発や再生可能エネルギーの普及によって電力需要は確保されており、原発は必要ありません。
4.再生可能エネルギーを優先する政策転換を求めます
安倍政権は昨年4月、原子力発電を「重要なベースロード電源」と位置づけました。
しかし、一方「原発依存度を可能な限り低減」という記述もあります。しかし、現実は、この記載に反した、施策展開です。原発の稼働が進めば、再生可能エネルギー導入の余地が縮小します。原発維持の英国ですら30%の導入目標です。再生可能エネルギー導入を最優先する政策への転換を求めます。
以上
2015年8月25日
生活クラブ生活協同組合・東京理事会
8月11日、九州電力川内原子力発電所の1号機が再稼働されました。多くの世論調査が示すように国民の多くが、原発の再稼働に懸念や心配、そして反対する声を上げている中、これを全く無視したものです。
おりしも1号機で復水ポンプ付近でトラブルが起き、出力上昇の延期がされるという事態が発生しました。予測と回避という課題において、この二つの出来事の中に、いまだ人類の英知が、未熟で限られたものとしてあることこそ、自覚するべきです。
私たちは、運転を直ちに中止し廃炉とし、原発ゼロこそを目指すべきと考えます。
1.情報公開も国民の合意プロセスも全く不十分です
安倍政権は、川内原発周辺の住民や関係自治体から要求されても、十分な説明会も実施することなく、再稼動を強行しました。これは、安倍政権の体質をよく表しており、暴挙というべきものです。
原子力災害対策指針では、原子力発電所から、おおむね三十キロ圏内において、自治体は、住民の安全のための避難計画の策定とそのための整備を定めています。しかし、今回の再稼働にあたっては、計画の検証や事前準備が進められていません。計画には、台風との複合被害や病院、福祉施設の対策が不十分との意見があります。
また、学会が「予知できない」とする大規模噴火を九州電力が「十数年前に予知できる」とする姿勢は全く理解できず信用できません。
一方、田中原子力規制委員長は「新しい規制基準の審査は安全性を保証するものではない」と発言し、政府の菅官房長官は「原発の安全性は、規制委員会の判断」として「個々の再稼働は事業者の判断」と互いに責任を押し付けあっています。
このような誰も責任を取ろうとしない中での再稼動の強行は、国民が納得するわけがありません。
2.福島の事故は終わっていません
福島第一原子力発電所事故から、4年が経過しています。しかし、事故原因すら解明されないまま、累積する汚染水の処理や大気中への放射能の排出が継続されるなど困難な問題が山積みしています。そして、今なお、11万をこえる住民が避難生活を強いられています。このため放射能や避難生活のストレスによる被害が懸念されています。
核燃料の最終処分や原子力発電所廃炉や事故時の除染技術の目処がたっていないことは、将来世代の選択権を奪っていることです。このような、再稼働は認められません。
3.原発がなくても電力は足りています
2013年9月に大飯原子力発電所が停止したにも関わらず、原子力発電所も稼働がゼロとなった以降、この8月まで供給が不安となる状況は起きていません。省エネルギー行動が進み、省エネ製品の開発や再生可能エネルギーの普及によって電力需要は確保されており、原発は必要ありません。
4.再生可能エネルギーを優先する政策転換を求めます
安倍政権は昨年4月、原子力発電を「重要なベースロード電源」と位置づけました。
しかし、一方「原発依存度を可能な限り低減」という記述もあります。しかし、現実は、この記載に反した、施策展開です。原発の稼働が進めば、再生可能エネルギー導入の余地が縮小します。原発維持の英国ですら30%の導入目標です。再生可能エネルギー導入を最優先する政策への転換を求めます。
以上