大豆油の長年の課題、光酸化で発生する不快な「明所臭」の原因となる遺伝子を発見
- 佐賀大学・九州大学との共同研究が学術誌「The Plant Journal」に掲載 -
株式会社J-オイルミルズ(東京都中央区、代表取締役社長執行役員 CEO:佐藤 達也 以下当社)は、佐賀大学、九州大学とともに、大豆油の光酸化によって発生する不快臭(明所臭)の原因となる物質の生合成に関わる遺伝子を発見しました。研究成果は、学術誌「The Plant Journal」に掲載されています(The Plant Journal, Article DOI: 10.1111/tpj.16560)。今回の研究成果の活用により、明所臭の少ない大豆品種の開発や、大豆油を使用するマヨネーズなどの加工食品の品質改善などが期待されます。
食用油は光や熱によって劣化し、特に大豆油は光にあたることによって明所臭と呼ばれる枯草のような特有の臭いが発生します。当社はこれまでの研究で、この明所臭の原因が、脂肪酸の一種であるフラン酸が光酸化によって分解されて発生する3メチル2,4-ノナンジオン(3-MND)であることを明らかにしてきました。しかし、フラン酸を生合成する遺伝子が何であるかは解明できていませんでした。
当社、佐賀大学および九州大学は、大豆油の明所臭を抑制するため、明所臭の原因となるフラン酸が欠損する大豆の開発に取り組んできました。このたび、当社、佐賀大学および九州大学は、フラン酸が減少した突然変異系統の大豆を見いだし、これを利用して、大豆のフラン酸の生合成に関わる遺伝子(Glyma.20G201400 および Glyma.04G05690)を世界で初めて発見しました。
明所臭の要因となる遺伝子の発見は、明所臭の少ない大豆品種の開発や、大豆油を使用するマヨネーズなど加工食品の品質改善などが期待されます。今回の研究成果は当社の目指すべき未来(ビジョン)として掲げる「おいしさ×健康×低負荷」の実現にも繋がるものと考えています。
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