【若い才能を発掘・育成する継続的な取り組み Discover Future Stars】Bunkamura オフィシャルサプライヤースペシャル『未来の巨匠コンサート2024』開催レポート

個性豊かな2人の“未来の巨匠”が登場/“育成”に挑戦する「Discover Future Stars」

株式会社東急文化村

1989年の開館からこれまで複合文化施設として多くの文化・芸術を発信してきたBunkamura(運営:株式会社東急文化村/所在地:東京都渋谷区)は、文化・芸術を愛し、応援いただけるオフィシャルサプライヤー企業の皆様により支えられています。現在、隣接する土地の開発計画に伴い、オーチャードホールを除き休館していますが、この休館期間を自由な発想で新たな挑戦をしていくチャンスと捉え、これまでBunkamuraが大事にしてきた人々の心を動かす文化・芸術の創造と発信を続けていくとともに、さらに活動の場を広げていく取り組みを進めています。

■“育成”に挑戦する「Discover Future Stars」

Bunkamuraはオフィシャルサプライヤーの支援のもと、若い才能を発掘・育成する継続的な取り組み「Discover Future Stars」を行っています。文化・芸術を通して、多様な背景をもつ人達が自分の可能性を発見するきっかけや今後の活躍の後押しとなる場を提供するとともに、次世代の文化芸術の担い手を育成するプログラムを展開していきます。今夏、第一回受賞・入賞作品展を行った『BiG-i×Bunkamuraアートプロジェクト』、10月に開催した『未来の巨匠コンサート2024』の他、これからも挑戦を続けてまいります。

■個性豊かな2人の“未来の巨匠”が登場

©K.Miura

Bunkamuraの活動を支えるオフィシャルサプライヤーの支援のもと、『未来の巨匠コンサート2024』を10月13日(日)、Bunkamuraオーチャードホールにて開催しました。昨年、23年ぶりに装いも新たに再スタートした『未来の巨匠コンサート』は、世界的な活躍が期待される若きアーティストをいち早く紹介することで注目を集めています。今年はヴァイオリニストの若尾圭良(けいら)さんとピアニストの奥井紫麻(しお)さんが登場し、大友直人さんが指揮する東京フィルハーモニー交響楽団と共演しました。

コンサートの幕開けはドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」。大友マエストロは澄んだ響きで起伏あるドラマを描き、フランス音楽の世界へと聴き手を誘います。続くショーソン「詩曲」で、若尾さんが鮮やかな黄色のジャケットに黒のパンツ姿で颯爽と登場。ボストンに生まれ育ち、2021年にユーディ・メニューイン国際ヴァイオリンコンクールジュニア部門で優勝、世界へと活動の場を広げている若尾さんは、日本での初めてのオーケストラとの共演になる今回のために、もっとも自分らしさを出せるフランスの作品を選んだとのこと。「詩曲」については「時間が止まったように感じられて、曲が終わった後もずっと続いていくような作品」と語っています。オーケストラのほの暗い序奏のあと、独奏ヴァイオリンが変ホ短調の哀切に満ちた主題を歌い出す冒頭から、身体全体を大きく使ったフレージングに引き込まれます。オーケストラと歌を交わし合いながら次第に熱を帯びて高揚していく場面では、激情のなかにもそれに溺れない冷静さをもった演奏が印象的でした。

©K.Miura

高音が続く「詩曲」から一転、ラヴェル「ツィガーヌ」では冒頭から無伴奏ヴァイオリンが低音を響かせ、ひとり語りのような技巧を凝らしたカデンツァが続きます。ハープに導かれオーケストラが入ってきてからは、一気呵成にスピードアップ。ロマの民俗舞踊が目に浮かぶような、愉悦感たっぷりの演奏を聴かせてくれました。

休憩を挟んで後半は、奥井さんが独奏を務めるチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。真紅のドレスで登場した奥井さんが、誰もが一度は聴いたことのある序奏を弾きはじめると、一体どこからあのような力強い音が出てくるのだろう? と驚かされます。ロシア音楽に魅せられ、12歳でロシアに留学した奥井さんの音楽にはロシア・ピアニズムの血が脈々と流れているのでしょう。みずからが思い描く世界を描くために失敗を恐れず立ち向かっていく勇敢さと、スケールの大きさを感じました。それでいて、弱音で跳ね回る細かいパッセージは正確無比。それは厳しい鍛錬を重ねてはじめて到達することのできる境地です。

©K.Miura

幼いころバレエを習っていた奥井さんは、「この作品は協奏曲でありながら、バレエ音楽のようにさまざまな情景(シーン)やキャラクターを思い浮かべることができるのが楽しい」と語っています。第1楽章後半ではオーケストラと大きく、深いうねりを生み出し、第2楽章では鐘のような美しい音色を聴かせ、聴き手の想像力を膨らませます。そして「ロシア・ピアニズムにおいてもっとも大切なことは音楽を心から歌うこと」という彼女の言葉どおり、第3楽章の最後はオーケストラとともに高らかに歌い上げてクライマックスへ。最後の音が消えるや、満場の拍手に包み込まれました。

若尾さんと奥井さん、おふたりの今後のさらなる活躍が楽しみでなりません。きっと近い将来、この日の演奏を聴いたことを誇らしく思う日がくることでしょう。(文・原典子)

■『未来の巨匠コンサート』とは

この公演は、オフィシャルサプライヤーの協力により1992年から2000年まで開催してまいりました。

①若い才能ある音楽家を発見・支援・育成し、彼らを紹介すること

②日本において彼ら音楽家たちの交流を促進させること

③日本の音楽愛好家に新鮮で良質な演奏会を提供すること

などを目的に、過去には指揮のアラン・ギルバート、フルートのエマニュエル・パユ、ヴィオラの清水直子など現代を代表する音楽家が出演しました。

これまでのDNAを引き継ぎ2023年より再開。Bunkamuraは開業以来、焦点を当て活動してきた「創造」「発信」「交流」に加え、若い才能を見出し、その成長を支援する「育成」に一層力を入れてまいります。

■公演概要

Bunkamura オフィシャルサプライヤースペシャル

未来の巨匠コンサート2024

Discover Future Stars

日程:2024年10月13日(日)

会場:Bunkamuraオーチャードホール

https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/24_mirai/

▼今後の「Discover Future Stars」企画

COCOON PRODUCTION 2025

Bunkamura オフィシャルサプライヤースペシャル

『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』

数々の脚本賞・シナリオ賞を受賞してきたシアターコクーン芸術監督の松尾スズキが、「コクーン アクターズ スタジオ」第1期生発表公演のために新作ミュージカルを書き下ろします。名前のない役柄を演じるアンサンブルを題材にした青春群像劇です。

シニカルな笑いが特徴の松尾スズキによって紡がれる等身大の若き俳優たちの物語と、歌舞伎やシェイクスピアといった古典をもスタイリッシュに描く杉原邦生の演出でお届けする発表公演。松尾スズキをはじめとした多彩な講師陣から様々なスキルを学び、真摯に演劇と向き合ってきた「コクーン アクターズ スタジオ」第1期生の姿を、ぜひ劇場でご覧ください。

日程:2025年3月20日(木・祝)~23日(日)の全6公演

会場:Bunkamuraシアターコクーン

https://www.bunkamura.co.jp/sp/cas/

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会社概要

株式会社東急文化村

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URL
-
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
電話番号
-
代表者名
嶋田創
上場
未上場
資本金
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設立
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