最優秀賞に建新 給与を維持した週休3日制で年間休日を132日に増やし、全国大会へ

全国ワークスタイル変革大賞2026 関東・信越大会 結果発表

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全国ワークスタイル変革大賞実行委員会は、2026年10月28日(水)にPiO PARK イベントスペースプレミアム(東京都大田区)で開催した「全国ワークスタイル変革大賞2026 関東・信越大会」の審査結果を発表しました。

関東・信越大会の受賞者と審査員

当日は書類審査を通過した関東・信越の企業・研究機関6組が、デジタルを活用した働き方の変革について公開プレゼンテーションを行いました。戦略性・浸透度・成果・再現性・デジタル技術の活用・熱意の6つの観点で審査した結果、最優秀賞に株式会社建新(神奈川県横須賀市)が選ばれました。同社は、2026年12月16日(水)に東京・五反田で開催する全国大会に、関東・信越エリアの代表として出場します。

受賞結果

最優秀賞

株式会社建新

発表タイトル:給与維持型週休3日制で実現した高成長・高エンゲージメント経営

最優秀賞:株式会社建新 人事人財開発本部 本部長 望月 構伶 氏(右)。左はプレゼンターの審査員 松本 国一 氏

優秀賞

高エネルギー加速器研究機構

発表タイトル:人手不足からの脱却と他部署連携が生んだアカデミアの持続可能モデル:「ゼロサイエンティスト」ビームラインモデルへ

株式会社雄大

発表タイトル:誰かにしかできない仕事をなくす 販売管理DXで実現した助け合う組織変革

優秀賞:高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 助教 本田 孝志 氏(中央)、株式会社雄大 営業本部長 島田 和典 氏(右)。左はプレゼンターの審査員 石川 浩司 氏

奨励賞

SGグループ株式会社

発表タイトル:【知識ゼロの2名がグループ各社を自動化!】自部署の効率化からグループ全体の業務自動化まで自前でやり遂げた挑戦

住友生命保険相互会社

発表タイトル:会計領域の脱レガシーで2,000組織・15,000人超の働き方を変えるDX

明治安田生命保険相互会社

発表タイトル:“問い合わせに追われる職場”から“人が育つ変革拠点”へ

奨励賞:右からSGグループ株式会社 コーポレート部 総務労務課 主任 兼 グループRPA推進準備室 平松 晴哉 氏、住友生命保険相互会社 経理部 新会計システム導入プロジェクトマネージャー 高良 武志 氏、明治安田生命保険相互会社 事務オペレーション部 柏木 悠希 氏・長澤 龍汰 氏。左端はプレゼンターの審査員 小瀧 健太 氏

受賞組織の取り組み概要と評価ポイント

株式会社建新(最優秀賞)

取り組み概要

神奈川県横須賀市に本店を置く株式会社建新は、神奈川県を中心に戸建住宅の分譲や建築請負などを手がける建設・不動産の会社です(従業員205名)。2019年当時は長時間労働が当たり前で、年間休日は118日、完全週休2日制も実現していませんでした。同社は経営理念「All-Win」のもと、関わるすべての人を幸せにするために社員の働き方を変えると決め、先に「週休3日」を決めてから、それが成り立つ仕組みを逆算して設計しました。給与と総労働時間のどちらを維持するかで週休3日制には3つの型がありますが、同社が選んだのは、給与を変えずに総労働時間だけを減らす「給与維持型」です。

・2020年に完全週休2日制を導入し、人事評価制度を刷新。勤怠システムと現場管理システム、PCのシャットダウン制、マネジメント研修を同時に始めた

・2021年に一部の社員で週休3日制のトライアルを行い、19:30の完全閉館も開始。2022年に月1回、その後は月2回の給与維持型週休3日制へ広げた

・経理、工程・写真管理、顧客・予実管理、スケジュール共有、勤怠管理をクラウドのツールでつなぎ、現場カメラによる遠隔での現場管理や生成AIも取り入れて、移動や待機、属人化による時間を減らした

・あわせて社内託児所の設置、独自の育児休暇制度、初任給の引き上げ、定年年齢の引き上げを行い、生まれた成果を社員に還元している

主な成果(6年間の変化)

・月間労働時間:197.3時間 → 168.4時間(約29時間減)

・平均残業時間:30.4時間 → 11.6時間

・年間休日:118日 → 132日。有給休暇の取得率は38.9% → 72%

・従業員数:70名 → 205名。全体の離職率は15.9% → 14.0%、若手の離職率は8.5% → 6%

同社は今後も、人が得意なことは人が担い、機械が得意なことはデジタルに任せる使い分けを大切にしながら、人づくりの教育に力を入れていくとしています。

評価ポイント

社員の働きやすさ(EX)を高めることを目的に据え、その実現の手段としてデジタルを当てて効率化を進めた点が高く評価されました。人手不足が続く建設業界にあって従業員数を大きく増やしており、働きやすい環境が採用にもつながっているとみられる王道の事例として、業界を越えて参考になる点も評価されました。

高エネルギー加速器研究機構(優秀賞)

取り組み概要

茨城県つくば市に本部を置く高エネルギー加速器研究機構(KEK)の物質構造科学研究所は、茨城県東海村の大強度陽子加速器施設J-PARCで、中性子を使った実験装置の運営を担っています。24時間稼働する施設で、高強度全散乱装置NOVAを少ない人数で支えており、研究ニーズに対して人手が大きく不足していました。そこで、研究者が現場に常駐しなくても回る「ゼロサイエンティスト」型の運営を掲げ、40試料の自動試料交換機による遠隔・自動測定と、Webカメラでの監視・遠隔再起動の仕組みを整えました。実験用のサーバーはクラウドに移し、議事録・実験スケジュール・マニュアル・予算管理をMicrosoft 365に集約したほか、実験のログノートをiPadに切り替えました。これらの仕組みは他のビームラインや事務室にも広がっています。定例会議の時間は約4分の1に短縮しています。回答率ほぼ100%のユーザー満足度調査からニーズを掘り起こし、他部署・他グループとの連携で機器と実験支援の人手を補い合うことで、機器の導入費を中心に約2億円のコストを抑えました。この取り組みは令和7年度のKEK機構長賞を受賞しています。生み出した時間で、研究者が研究開発の事業化やスタートアップの支援にも挑んでいます。

評価ポイント

研究者の働く環境という、これまであまり目を向けられてこなかった領域で、現地に行かなくても実験ができる仕組みを実現した点が評価されました。人材の育成も含めて取り組んでいる点も評価されました。

株式会社雄大(優秀賞)

取り組み概要

東京都港区に本社を置く株式会社雄大は、OA機器・オフィスソリューションの販売と保守サポートを手がける会社です。見積はExcel、発注は紙で、システムが部署ごとに分かれていたため二重入力と確認待ちが当たり前になり、対象社員7名の年間残業時間は2023年から2024年の1年で約2.8倍に増えていました。発熱しても「私が出社しないと納期が間に合わない」と出社する社員もいました。そこで業務フロー全体を見直すBPR(業務改革)に踏み切り、販売管理システムを中心にグループウェア・SFA・見積システムをクラウドに一元化して、見積から入金までを1本のデータでつなぎました。OA機器販売業に特有で、顧客や機種ごとに単価が異なる複合機のカウンター料金の請求は、Excelをもとに開発した「PERSIS(U)」で計算から売上計上までを自動化し、月4回の締日ごとに3日以上かかっていた作業が半日で終わるようになりました。同じ対象社員7名の年間残業時間は2024年度の467時間15分から2025年度は272時間30分と41.7%減り、今期第1四半期(2026年4〜6月)は前年同期比86.9%減です。生まれた時間で業務部門が営業の支援を始め、既存顧客への通販サービスの利用促進の電話115件から20件の新規IDの発行につなげました。急な休みも周りが自然にフォローできる職場に変わっています。

評価ポイント

資料に載せた写真からも、社員が変革を喜んでいる様子が伝わってくる点が評価されました。システムの経験がなかった営業本部長が自ら言い出し、改革を進めた点も評価されました。

SGグループ株式会社(奨励賞)

取り組み概要

東京都新宿区に本社を置くSGグループ株式会社は、人材派遣を中心に多角的なサービスを展開するグループのシェアード会社として、事業会社の人事・総務・労務・経理の業務をまとめて担っています。総務労務課では、派遣スタッフの社会保険・雇用保険の手続き月約500〜1,000件を、長年2名が行政のシステムへ手入力しており、残業と業務の属人化が続いていました。そこで、RPAの知識がなかった2名が本業と兼務しながら自学自習でRPAを習得し、外部に頼らず内製で手続きを自動化しました。専用PCを使い、人のいない深夜にも処理を動かしています。その後「グループRPA推進準備室」を立ち上げ、現場に出向いて業務を一緒に見直す伴走型の支援で、総務労務の22業務から経理・人事・広報、営業支援へと広げました。これまでに45業務を自動化し、グループ全体で月1,959時間を削減しています。営業リストの作成では、4名で行っていた作業をロボット2台に切り替えて人件費を約9割減らし、集めた市場データは月数十件の新規アポイントの獲得や、名古屋拠点の出店エリアの決定にも使われています。

評価ポイント

グループ全体への展開という難しさに向き合いながら、知識ゼロの2名が業務の自動化を自前で進めた点が評価されました。質疑では、導入の前と後で現場の働きがいの変化を把握すると、他の現場でも取り組みやすくなるとの助言が審査員からありました。

住友生命保険相互会社(奨励賞)

取り組み概要

大阪市中央区と東京都中央区に本社を置く住友生命保険相互会社は、本社・支社・営業拠点の3階層、約2,000組織に向けて、会計システムの刷新と働き方の変革に取り組みました。組織ごとに異なる会計システムを使っており、約40年の蓄積で周辺システムとの連携も複雑になっていたため、変革は長く手つかずでした。経理部は2020年に始めた初期構想からパートナー選定まで3年半をかけ、業務のあるべき姿をゼロから描いて100種類の業務フローを作り、400を超える機能要件にまとめました。旧システムと周辺システムの間でやり取りしていた約300本のバッチファイルも、ITの担当者と約1年かけて整理しています。会計領域をメインフレームから切り出し、経理部門が使うOracle Fusion Cloud ERPと、約15,000名が使うローコードのフロントシステムに刷新しました。経理部と情報システム部、外部パートナーが互いの領域に踏み込んで進める「オーバーラップ」を合言葉に、6年をかけてやり遂げています。年間449万枚の帳票とそれに伴う業務がなくなり、約1,500拠点で行っていた経費の検証業務はグループ会社に集約しました。全国の組織が職種によらず共通の仕組みで働けるようになり、生まれた人手を付加価値の高い業務に振り向けています。

評価ポイント

多くの基幹システムを抱える大企業で、業務のあるべき姿を描く上流工程に時間をかけ、約40年使ったシステムの刷新をやり遂げた点が評価されました。

明治安田生命保険相互会社(奨励賞)

取り組み概要

東京都千代田区に本社を置く明治安田生命保険相互会社の事務オペレーション部は、保険の引受や各種手続き、保険金の支払いなど生命保険の基幹業務を担う、同社で最も大きな部署です(所属員925人、女性が約8割)。全国1,026の営業拠点から本社への照会(問い合わせ)は年間約25万件にのぼり、照会の経路も書面・メール・電話などに分かれていたため、照会先を誤った「たらい回し」や回答の遅れが起きていました。同部は業務時間の約4分の1を照会対応に費やし、人材育成に手が回らない状態でした。そこで照会対応の専門部署を設けて窓口を一本化し、照会と回答を営業拠点と共有する「本社照会システム」で進捗を見えるようにして、照会内容をデータベースにしました。さらに、よくある照会約1.4万件を営業拠点が自分で検索できる「AIナレッジ」を作り、2025年の検索数は200万回を超えています。照会件数は2022年の24.2万件から2025年は17.0万件に減り、照会対応の時間は40万時間から28万時間と30%削減しました。生まれた時間を部独自の育成プログラムに充て、消費生活アドバイザーの資格保有者の割合は0.3%から12%に増え、2025年度の全国の合格者の約1割を同部の職員が占めました。主要職制以上の職務を担う女性職員も、2020年の5人から2026年は20人に増えています。この取り組みは、グループ会社を含む他の事務部門にも広がっています。

評価ポイント

大きな組織で集めにくい現場の知識を、照会の一本化とデータベース化、AIで検索できる仕組みによって集約し、営業拠点が自ら疑問を解決できるようにした点が評価されました。作成した回答が質問にどの程度答えられているかをAIで確かめるなど、仕組みの改善を続けている点も評価されました。

イベント概要

・名称:全国ワークスタイル変革大賞2026 関東・信越大会

・開催日時:2026年10月28日(水)13:30〜16:30

・会場:PiO PARK イベントスペースプレミアム(東京都大田区羽田空港1丁目1-4 羽田イノベーションシティ ZONE K 2F)

・審査員:小瀧 健太(一般社団法人ノーコード推進協会 理事)、石川 浩司(一般社団法人ライトハウスDX支援協会 理事長)、松本 国一(一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会 生産性向上部会 部会長/富士通株式会社 シニアエバンジェリスト)

・主催:全国ワークスタイル変革大賞実行委員会

・全国DX推進パートナー:株式会社kubell、株式会社セールスフォース・ジャパン

・運営協力:ファーストトレード株式会社

・後援:関東経済産業局、関東総合通信局、信越総合通信局、大田区、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、(一財)全国地域情報化推進協会、(一社)日本中小企業診断士協会連合会、(一社)テレコムサービス協会、(一社)日本コンピュータシステム販売店協会

・公式サイト:https://workstyle-transformation-awards.jp/

主催団体について

全国ワークスタイル変革大賞実行委員会は、一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会が事務局を運営しています。

・名称:一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会(JDX)

・事務局所在地:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-5-6 りそな九段ビル5F KSフロア

・代表者:代表理事 森戸 裕一

・発足:2010年6月(法人化:2010年10月)

・事業内容:DX推進人材の育成、自治体DX推進プロジェクト、産業振興・政策提言ほか

・URL:https://jdxa.org

(関連リンク:https://workstyle-transformation-awards.jp/regional/kanto-shinetsu-2026/)

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会社概要

URL
https://jdxa.org/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
千代田区 九段南1-5-6 りそな九段ビル5F KSフロア
電話番号
0120-640-702
代表者名
森戸裕一
上場
未上場
資本金
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設立
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