化合物探索支援サービス「Chemicals Informatics」が令和6 年度「日本材料学会技術賞」を受賞

株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)は、「公開データに基づいた『ケミカルズ・インフォマティクス\Chemicals Informatics(以下、CI)』による材料探索技術」において、公益社団法人日本材料学会が授与する令和6年度「日本材料学会技術賞(以下、本賞)」を受賞しました。
本賞は、材料科学・工学の分野で顕著な技術的貢献をした個人または団体に授与される賞で、新技術の開発や既存技術の革新・実用化における優れた成果を評価し、表彰するものです。
このたび、材料開発において、日立ハイテクが提供するクラウドサービスの「CI」が、有機・無機材料の探索において有効かつ業務効率化に貢献する点が評価されました。
「CI」について
特許などの公開データをもとにした日立ハイテク独自のデータベースを用いた化合物探索支援サービスで、「CI」に収録される膨大な化合物データをもとに、新材料の開発に有望な材料の候補をAIで高速かつ網羅的に探索し、その効果や仕組みに関する情報を分子動力学シミュレーション*1で予測します。これにより、従来実施していた文献の調査に基づく材料候補の探索や実験計画法*2による総当たり実験を大幅に削減することができ、開発プロセス効率化と期間短縮を支援し、新材料の早期実用化および実験回数の最適化により開発費、およびCO2排出量削減に貢献します。
日立ハイテクは2020年からサービスを提供し、これまで化学・素材メーカーを中心としたお客さまの研究・開発現場において活用されてきました。
*1分子動力学シミュレーション:材料の性質を、原子の運動方程式を解くことによって予測する計算機シミュレーション技術
*2実験計画法:複数の条件を組み合わせて実験を行う際、統計学によって漏れのないように条件を組み合わせて必要な実験を導き、その結果を分析する方法
今後の展望
今後も高機能材料や環境配慮材料など新材料開発への要求が高まるとされている中、最適な材料の探索は開発過程において不可欠なプロセスであり、その効率化は全体の開発スピード向上にも大きく寄与します。日立ハイテクは、「CI」だけでなく、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)を用いた「材料開発ソリューション」も提供しており、過去の実験データから開発に用いる材料の配合比率や量などの最適条件の探索も支援しています。さらに「実験データ収集サービス」や「DX構想策定支援」など、DXソリューションを広く提供しており、材料開発における幅広い工程の効率化をサポートしフロントラインワーカーの生産性向上および産業分野のDX推進に貢献します。
日立ハイテクは、グローバルフロント力、ドメインナレッジ、タッチポイント、技術力などの強みを生かして、あらゆる社会課題を起点として、解決につながるソリューション・ビジネスモデルを創出し、産業・社会インフラ分野の市場成長に貢献していきます。
※「ケミカルズ・インフォマティクス\Chemicals Informatics」は、日立ハイテクの日本国内における登録商標です。
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日立ハイテクについて
日立ハイテクは、持続可能な地球環境、健康で安全安心な暮らし、科学と産業の持続的発展に貢献するため、「知る力で、世界を、未来を変えていく。」という企業ビジョンを掲げ、社会やお客さまに最先端の技術や製品・サービスを提供しています。ヘルスケア分野における医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体分野における半導体製造・検査装置のほか、環境分野や材料の研究などで用いられる分析装置、解析装置を製造・販売しています。また、電池、通信インフラ、鉄道検測、デジタルなどの産業・社会インフラ分野で高付加価値ソリューションを提供するなど、幅広い事業領域でグローバルに事業を展開しています。私たちは、社会やお客さまの真の課題を正しく知り、解決策を提供し続けることで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。(2025年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は7,565億円)。
詳しくは、日立ハイテクのウェブサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/)をご覧ください。
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