加齢で目立つ“目袋”に繋がる「下まぶたの構造変化」を解明

脂肪の引き締め作用をもつ“イリシン”が皮膚支持構造にも作用する可能性を発見

ポーラ・オルビスHD

ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:片桐崇行)は、疲れた印象に繋がる「加齢に伴う目袋(下まぶたのたるみ・ふくらみ)」に関する研究を行い、以下を発見しました。

①   下まぶたを支えるRetinacula cutis(RC, ※1)が加齢に伴い、密度が低下、細くなり、下垂していくこと。

②   筋肉由来因子「イリシン」が、RCの主要タンパク質の産生を促進する。

③   ヘリクリスムイタリクムとセイヨウノコギリソウの複合エキスがイリシンの発現を高める。

※1 皮膚支持帯。皮下組織にある線維構造で、肌が下垂しないよう支える役目を持つ。

加齢によるRCの脆弱化が下まぶたのたるみの要因

 

 下まぶたは皮膚が薄く、目を動かす眼輪筋や、目の周りの脂肪(眼窩脂肪)が存在するなど特徴的な構造を有しています。「目袋」は、涙袋の下にできる目の下のふくらみのことで、加齢に伴う眼窩脂肪のせり出しや皮膚のたるみによって、目の下が袋のように膨らんで見える状態を指します。目袋は疲れた印象や老けた印象に繋がるため、深刻な加齢悩みの一つとなっています(補足資料1)。一方、ポーラ化成工業では、これまでに、頬のたるみを引き起こす一因は加齢に伴うRCの脆弱化にあることを明らかにしました(補足資料2)。これらを踏まえ、これまで見た目の変化として語られることの多かった目袋について、組織構造と生体因子の両面から原因に迫りました。

 目袋の原因の一つとして加齢による下まぶたのたるみが考えられています。そこで、下まぶたでも頬と同様にRC構造の脆弱化が生じていると考え、RCの密度、太さ、線維の向きに着目してその加齢変化を定量的に調べました。20~90代の下まぶたの組織断面を染色し構造を比べると、加齢に伴いRCの密度が低下し、細くなっていることが分かりました(図1、補足資料3)。また、20代では水平方向に走っていたRCが、加齢に伴い下向きに垂れ下がっていました。これにより、RCが弱くなり、皮下組織を支える機能が低下している可能性が示唆されました。

筋から産生される「イリシン」が下まぶたのたるみ、ふくらみの原因となるRC、眼窩脂肪の両方に作用

 目袋は下まぶたの皮膚のたるみ、ふくらみが関連するため、RCの脆弱化と眼窩脂肪のせり出しの双方へのアプローチにより、目袋の解決に貢献できると考えました。そこで着目したのが、皮下組織と眼窩脂肪に挟まれるように存在する筋肉、「眼輪筋」です。ポーラ化成工業では、眼輪筋の加齢変化についても長年研究を重ねており(補足資料2)、今回、筋肉から産生される「イリシン」にRCを構成するタンパク質の産生を増やす効果があることを発見しました(補足資料4)。「イリシン」には脂肪細胞の引き締め効果があることが知られており、眼窩脂肪のせり出しへの効果も期待できます。

「イリシン」産生を増やす複合エキスを発見

筋由来の細胞を用いた実験でイリシンの発現を高めるエキスを探索したところ、ヘリクリスムイタリクムとセイヨウノコギリソウから抽出した複合エキスに効果があることを突き止めました(補足資料5)。

 イリシンは筋活動に伴い産生されることが知られています。本来、下まぶたは、瞬きや表情変化により絶えず動き続ける部位ですが、現代人ではデジタルデバイス使用により目元を動かす機会が減っていると言われています。また、イリシンは加齢で産生量が減ることが知られており、筋のイリシン産生を促進することができれば、RCの構造強化と眼窩脂肪の引き締め作用による「加齢に伴う目袋へのアプローチ」が可能になり、目元の疲れた印象や老けた印象の改善も期待されます(図2)。

【補足資料1】 目袋と涙袋

 涙袋とは、下まぶたの眼輪筋によって形成されるふくらみです。一般に、涙袋は目元に立体感や若々しい印象を与える要素として認識されています。一方、目袋とは、眼球を保護する眼窩脂肪が前方に突出すること、皮膚がたるむことで生じる目の下のふくらみです。目袋は加齢に伴って目立ちやすくなり、疲労感や老化印象に関わる目元特徴の一つとして知られています。

【補足資料2】 ポーラ化成工業におけるRC・眼輪筋の研究成果

 ポーラ化成工業では長年にわたり、皮下組織を支えるRCや目のまわりに輪状に発達し、目のたるみやくぼみにも関連する眼輪筋(図4)について研究してきました。

 本研究で得られた、下まぶたのたるみ・ふくらみとRC・眼輪筋の関係性に関する新たな知見について、2026年9月9日~12日に開催されるThe 55th Annual ESDR (European Society for Dermatological Research) Meetingで発表予定です。

■ RCに関する研究(参考リリース)

■ 眼輪筋に関する研究(参考リリース)

【補足資料3】 下まぶたRC構造の加齢変化 定量結果

 図1に示した、下まぶたの組織断面を染色した画像を用いて、下まぶたの皮下組織におけるRCの密度、平均の太さ、線維の向き(配向角度)を画像解析により定量化しました(図5)。

【補足資料4】 イリシンのRC構成タンパク質に対する作用

 RCの構成タンパク質を産生する腱細胞(※2)にイリシンを添加した結果、RCの主要構成タンパク質であるコラーゲンⅠとRCを束ねるタンパク質であるMFAP4の産生を高める効果があることが分かりました(図6)。

※2 RCを構成する主要な細胞の一つであり、細胞外基質成分の合成や分解を行い、RCを維持・構築する役割を持つ

【補足資料5】 イリシン発現に対する複合エキスの効果

分化誘導した骨格筋細胞にさまざまなエキスを添加した結果、ヘリクリスムイタリクムエキスとセイヨウノコギリソウエキスの複合エキスにイリシンの発現を高める効果があることを発見しました(図7)。

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会社概要

URL
https://www.po-holdings.co.jp/index.html
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル
電話番号
03-3563-5517
代表者名
横手喜一
上場
東証1部
資本金
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設立
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