無料で使える「天地人コンパス」の機能をアップデート。国土交通省が要請する「老朽化した鋳鉄管の緊急調査の実施について」などを支援
天地人が水道DXを推進
JAXA認定の宇宙ベンチャー 株式会社天地人(東京都中央区 代表取締役 櫻庭康人)は、宇宙ビッグデータを活用したWebGISサービス「天地人コンパス」ならびに、水道DXソリューション「天地人コンパス 宇宙水道局」(以下、宇宙水道局)に新機能を追加したことをお知らせします。

追加したのは、「緊急輸送道路」「1974-78年の航空写真」「全国耐震適合地盤判定マップ」の3つのレイヤーです。国土交通省から5月7日付けで発出された「老朽化した鋳鉄管の緊急調査の実施について」の実施要請に対する調査の効率化と、災害時における水道インフラの脆弱性評価などを支援します。これらの新機能は、宇宙水道局をすでにご利用いただいている自治体様はもちろん、契約していない自治体様も無料版の天地人コンパスでお使いいただけます。
災害時のライフライン確保に向けた機能強化で社会課題解決に貢献
近年、大規模地震や豪雨災害の頻発により、災害時におけるライフライン確保の重要性が高まっています。2025年4月30日に発生した京都市の漏水事故では、緊急輸送道路が冠水し、終日通行止めとなる被害がありました。この事故で救急・消防など緊急車両の通行に大きな支障をきたしたことを受け、国土交通省は全国の水道事業体に対し、「緊急輸送道路下に埋設された老朽鋳鉄管」の緊急調査実施を要請しました。
高度経済成長期に整備されたインフラの多くは、すでに築40年を超えており、老朽化が進んでいます。特に、災害時に物資を運ぶための「緊急輸送道路」の安全確保は、国全体にとって重要な課題です。このように、被害の最小化・救援活動円滑化の観点から、事故発生前に緊急輸送道路沿いの老朽管路を把握し、予防的な点検・補修計画を立てることが急務となっています。
今回の機能追加は、国土交通省の要請や日頃の水道事業に関する業務の支援を目的とし、従来では困難だった広域かつ詳細な災害リスクの把握が可能になりました。また、広く社会課題に貢献できればという思いから、「宇宙水道局」を導入いただいている自治体様だけでなく、無料で使える「天地人コンパス」にも搭載しています。
私たち天地人は、水道インフラの安全対策強化から災害時の緊急対応まで幅広く支援できるよう、これからも宇宙技術を活用し、皆さまの安心な暮らしに貢献してまいります。
新機能①「緊急輸送道路」について

災害時の人命救助・物資輸送の要となる"命の道路"を可視化し、緊急輸送道路沿いの管路維持・点検計画の策定を支援します。どこを優先して対策すべきかを一目で把握でき、予防的な点検により緊急輸送道路上の重大事故の回避に貢献します。
新機能②「1974-78年の航空写真」について

本レイヤーは、1974〜78年の航空写真を地図上に重ねて表示できるもので、国土地理院が保有する航空写真を活用しています。一瞬で1970年代当時のまちの姿にタイムスリップしたかのように、インフラ整備時の状況を視覚的に把握できるため、老朽化したインフラに対する的確な保全計画立案が可能となります。
新機能③「全国耐震適合地盤判定マップ」について

本レイヤーは、既設の水道管の耐震適合性を判断するための支援マップです。(公財)水道技術研究センターの基準に基づき、「K型継手等の耐震適合地盤」かどうかを可視化します。地盤の強弱を色分け表示することで、水道管路の耐震化における対応優先エリアを一目で把握可能です。限られたリソースを有効に活用しながら効率的な対策を進める上で、不可欠な判断材料を提供します。
また「宇宙水道局」のご利用においては、「配水管」などの管路レイヤーと重ね合わせることで、管路ごとの耐震適合性の判断をより効率的に行えます。
天地人コンパス 解析チームのコメント
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新たに搭載するマップについて、搭載要件の定義およびレイヤの作成を担当しました。今回追加した各レイヤはいずれも、防災の観点から重要な情報を含んでいます。これらの情報を「天地人コンパス」上で可視化し、重ね合わせて表示することで、利用者の皆さまがより具体的なイメージを持つ一助となれば幸いです。(アプリケーション開発部 大貫 航太朗)
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『緊急輸送道路』および『1974–78年航空写真』のデータ準備と実装を担当しました。追加したこれらのデータは、水道事業者の皆さまはもちろん、一般の方もご活用いただける内容になっています。ニュース等で関心をお持ちになった際には、ご自宅などの生活環境にどのように影響しているかを手軽にご確認いただけますので、ぜひご覧ください。(アプリケーション開発部 森口 翼)
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『全国耐震適合地盤判定マップ』のデータ準備を行いました。これは水道管の災害対策において非常に重要になる情報です。全国の水道事業の一助になれば幸いです。水道事業に特化したものですが、一般的な地盤の安定性とも関係するデータなので、自分が住んでいる場所の地盤も調べて災害対策に役立ててください。(アプリケーション開発部 井上 真)
「天地人コンパス」について
「天地人コンパス」は、地球観測衛星のビッグデータを中心に、多様な情報を可視化するWebGIS型の空間データサービスです。インフラメンテナンス、農業、都市開発などの用途に応じてカスタマイズでき、メンテナンス対象の特定や、ビジネスに適した土地の選定を支援します。
衛星データというと「画像」を想像されがちですが、天地人コンパスはそれにとどまりません。降水量や気温、地表面温度、地形情報(3D)など、多種多様な宇宙ビッグデータを世界中から取得・活用可能です。どなたでも無料でご利用いただけます。
天地人コンパス サイトURL:https://compass.tenchijin.co.jp/ (利用無料)
天地人コンパスの使い方:https://note.com/tenchijincompass/n/ne2042aff3ae0?magazine_key=mf1d4cb7ea1e3
「宇宙水道局」について
「宇宙水道局」は、衛星データを活用し持続可能な水道事業の実現を支援する水道DXソリューションです。主に以下の機能を提供しています。
1. 漏水リスク診断に基づく音聴調査支援
衛星データを活用し、約100m四方のメッシュ単位で漏水リスクを5段階で診断。管路ごとのリスク診断をおこなう「管路単位のリスク診断」を組み合わせることで、水道インフラの状態をより細かく把握し、より効率的な維持管理が可能になります。
2. 地域特性に応じた水道管の管路の更新計画策定を支援する機能
管路診断結果に基づく「健全度」(漏水リスク診断結果)と、一般住宅から重要給水施設(病院、学校、避難所など)まで、あらゆる施設や暮らしへの影響を包括的に考慮した「重要度」を組み合わせて評価することで複数の「更新優先シナリオ」を作成します。平時の漏水リスクを重視するシナリオや、災害時の社会的影響を重視するシナリオなど、地域課題や目的に応じた柔軟な設定が可能です。環境の変動を考慮したシナリオを通じて、各管路の更新優先順位を合理的かつ透明性をもって決定することで、有用性の高い計画策定を支援します。
技術力の高さと導入ハードルの低さが評価され、厚生労働省、国土交通省、総務省などの各省庁が実施する「第7回インフラメンテナンス大賞」では厚生労働大臣賞を受賞。2023年4月のサービス提供開始から、累計契約自治体数*が30を突破しました(2025年5月現在)。
*契約更新含む
天地人コンパス 宇宙水道局 特設サイト:https://suido.tenchijin.co.jp/
◾️会社概要
会社名:株式会社 天地人
所在地:東京都中央区日本橋1丁目4−1日本橋一丁目三井ビルディング5階
代表者:代表取締役 櫻庭 康人
事業内容:衛星データを使った土地評価コンサル
天地人コンパス 宇宙水道局 特設サイト:https://suido.tenchijin.co.jp/
公式サイトURL:https://tenchijin.co.jp/
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/tenchijin/
「天地人コンパス 宇宙水道局」マガジン(公式note記事)
https://note.com/tenchijincompass/m/mcf0244155615/hashtag/580375
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